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2007.11.11

『エイトメン・アウト』

この作品はジョン・セイルズ監督、ジョン・キューザック他主演のブラックソックス事件を扱った野球ドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1988年 オライオン/コロンビア・ピクチャーズ アメリカ作品
原題◆Eight Men Out
コロンビア・ピクチャーズ発売/パイオニアLDC販売のLDにて。画質はまあまあ。
プロット 八百長事件の全貌の話しのようです。
音楽 メイソン・ダーリング

キャスト◆これはオールスターキャストです。
ジョン・キューザック→サードのバック・ウィーバー
D.B.スウィーニー→レフトのジョー・ジャクソン
マイケル・ルーカー→ファーストのチック・ギャンディル
ビル・アーウィン→セカンドのエディ・コリンズ
ドン・ハービー→ショートのスィード・リスバーグ
チャーリー・シーン→センターのハップ・フェルシュ
ゴードン・クラップ→キャッチャーのレイ・ショーク
デビット・ストラザーン→先発投手エディ・シーコット
ジェームズ・リード→先発投手レフティ・ウィリアムズ
ジェイス・アレキサンダー→先発投手ディッキー・カー
ジョン・マホニー→監督のキッド・グリーソン
ペリー・ラング→控選手のフレッド・マクミューリン
リチャード・エドソン→ビリー・マハーグ
マイケル・マンテル→エイブ・アタル
ケビン・タイス→ジョセフ・'スポーツ'・サリバン
スタッズ・ターケル→ヒュー・フラートン
クリフトン・ジェームズ→吝嗇なオーナーのチャールズ・コミスキー
マイケル・ラーナー→賭け屋の大物アーノルド・ロズスタイン
クリストファー・ロイド→賭け屋ビル・バーンズ
ジョン・アンダーソン→新任コミッショナーのジャッジ・ランディス
ジョン・セイルズ→記者リング・ラードナー


ジョン・セイルズ監督の演出はよいと思います。
俳優が演じる野球のプレイに力強さが足らないのはもちろん補正出来ます。欠点ではありません。
ジョン・セイルズ監督は偉い。これでもメジャーではない製作条件の筈でしょう。アメリカ映画はたいしたものだ。

セピア調のカラーがよい感じ。
会話シーンで切り返しはやってます。でもロッカールーム内の乱闘では手持ちになってました。

歌が効果的に使用されているんですが英語がわからないのでその効果が完全に感じられないのがもどかしい。歌詞がわからないのは映画を字幕で15%どころではないでしょう。
本編、後タイトルに流れる歌がよい。歌はホントにいい。日本映画には全くないので羨ましい限りです。

ジョン・セイルズ監督はB級作品の脚本を書いていました。
『ピラニア』(1978年)、『ハウリング』(1980年)『アリゲーター』(1990年)等、どれもプロットは似たような感じです。


シカゴ1919年が舞台です。背番号はまだありません。
まるでライブフィルムを見ているようです。キャスト全員がハマリ役で、ちゃんと野球をやっているのが最高です。くやしいくらい上手く描いています。
私は映画も野球も一家言持ってるつもりですがこの作品に関しては言うことない。素晴らしい。

よくこれだけ作れたな感心する野球のシーンが凄い。
まるでライブフィルムのようです。
ホントの選手ソックリが演じている訳ではなく演じる俳優の個性で見せています。
本職ではないからプレーに力強さに欠けること。
この2点を除くか補正して見れば全くまるでライブフィルムと言えます。

タイトルは面白い。カメラの動きに合わせて名前が並びます。これは青空をバックにした放物線になっているのです。通好みとなっています。
この青空をバックにキャストで放物線を描くタイトルはセンスがいい。素晴らしい。

賭け屋や記者の会話でキャラ紹介の図。多数のキャラを紹介しなくてはならないので苦労がしのばれます。脚本の腕の見せ所です。
それでも買収のプロセスがイマイチわからんかった。ギャンブラー達に動きのことです。

プロローグで対戦してるのはセントルイス・ブラウンズのようです。
右打ちになっているエディ・コリンズ。実はエディ・コリンズは左打ちなんです。ここだけがディテールでのこまったものです。
エディ・シーコットが投げるナックルボールの描写がいい感じ。

これが新規格のボールだと見せる描写がありました。
飛ぶボールの時代が来ることを暗示させてました。この頃ボストン・レッドソックスのベーブ・ルースはまだ投手をやってました。

八百長やってチーム内でわからないわけがない。
キッド・グリーソン監督も上手く描いてます。演じるジョン・マホニーは名演です。

ジョー・ジャクソンが実に上手く描かれてます。
ラスト等涙ものです。バッティングフォームが素晴らしい。右投げ左打ちです。野球しかすることがないんだよ。です。それを見るバック・ウィーバー。よいシーンです。等々、選手1人1人をちゃんと描いてるのがいいものです。

ワールドシリーズで初めて対戦相手を実際に見るようです。いい時代です。
テレタイプで速報が入り表示板に出る。当時の最新テクノロジーのようです。
シャインボールの描写があります。ユニフォーム等でボールをこすってキズをつける不正投球です。
左腕投手レフティ・ウィリアムズはちゃんと左手でサインを書いてました。
こんな感じでディテール描写もばっちりで、シンシナティに来たらホテルの前にファンがヤジりに来て眠らせないようにしたり上手いものです。

アメリカン・リーグ優勝の記念写真が悲しい。容疑者リストの○なんか付けられて悲しい。
シカゴ・ホワイトソックスの永久追放となった8人。
ファーストのチック・ギャンディル◆八百長首謀者です。
ショートのスィード・リスバーグ◆八百長推進者。
センターのハップ・フェルシュ◆お気楽八百長推進者。
先発投手エディ・シーコット◆安給料で八百長に走る。30勝していたら・・・
先発投手レフティ・ウィリアムズ◆結局脅迫されることになった。
控選手フレッド・マクミューリン◆勝敗にはホトンド関係ないけど八百長推進者。
レフトのジョー・ジャクソン◆全く関係がないけど巻き込まれた。
サードのバック・ウィーバー◆知っていたけど真面目にやった。

八百長をしなかった主な人達。
キッド・グリーソン監督◆何となくおかしいとは思っていた?
キャッチャーのレイ・ショーク◆1人奮闘してます。
セカンドのエディ・コリンズ◆真面目にやった選手。
先発投手ディッキー・カー◆若手なので何も知らずにやっていた。

この当時は全9戦で争われるシリーズです。先に5勝すれば勝ちになります。
1917年ワールドシリーズ。シカゴ・ホワイトソックス対シンシナティ・レッズ。
シカゴ・ホワイトソックスの勝敗は・・・。
第1戦 at Cin●
第2戦 at Cin●
第3戦 at Cin○
第4戦 at Chi●
第5戦 at Chi●
第6戦 at Cin○
第7戦 at Cin○
第8戦 at Chi●
結局シカゴ・ホワイトソックスはシリーズに負けます。八百長ですが、試合も賭けの方も何だかわからん状態となっていたようです。

ジョー・ジャクソンに対する八百長の誘いも、裁判の証言教唆?が、全く同じやり方てのはアイロニーがあります。状況は同じなのが悲しい。
で、この裁判は茶番だったようです。本気で心配している一部の選手を見ているとなんか身につまされるような。

ジャッジ・ランディス登場。コミッショナーを引き受ける条件は全権=Absolute Powerでした。そして生涯任期=Lifetimeときます。MLB初代コミッショナーとなります。
この人が恐ろしい決断をするわけです。
ジャッジ・ランディスは本物そっくりです。この凝りようはたいしたものです。ふざけた登場の仕方ですが私は顛末を知っていたので恐ろしい奴なんだと見ててアイロニーを感じました。

エピローグ 1925年 ニュージャージーにて。
三塁打は飛ばないボールの時代の花でした。ラストはその三塁打で締めます。
野球を捨てきれなずセミ・プロ・リーグでプレーしているジョー・ジャクソンが三塁打を放ちます。これを見ているバック・ウィーバー。
エンドとなります。


キャストで・・・
D.B.スウィーニー扮するジョー・ジャクソンはスティルのイメージから少し違いますがそれでもいいのです。その他の選手もそっくりではなく俳優の個性で見せてます。

劇場公開当時はチャーリー・シーンが1番売れててメインに出されてたけど本編ではサポートの1人です。あまりいい売れ方ではないけど。
フライを追ってフェンスに激突して好補したのを見た記者連中が「あいつらには頭は必要ないのさ」と言っててチャーリー・シーンが演じてるので妙に説得力がありました。

ジョン・セイルズも話の進行役で出ていてルックスは大体私のイメージ通りでした。どこかで知っていたのかな。

女優さんも多数出ていますが彩りではなくサポートとなっています。主に選手の夫人役でした。


日本のプロ野球でもモデルになる選手はいます。(わざわざ八百長事件の話しにする必要なない。)人材はあるのに出来ない。ホント残念なことです。
シューレス・ジョー・ジャクソンがアメリカにいれば、日本にもザ・ナチュラルな宇野勝がいました。
この人のナチュラルなところはアドリブに物凄く強いのです。今までやったことのないプレイをごく普通に簡単にやりとげてしまうのです。これは凄いことです。
ショートがベースに入るタイミングの合わないゴロを取りセカンドベースを踏んでファーストに送球するダブルプレイ等を自然にこなします。普通の選手がステップが合わずにあたふたするとこをアッサリとやってしまうのです。
でも、宇野勝は死ぬまでフライをヘディングした間抜けなショートというレッテルが貼られたままでしょう。しょうもないマスコミだからです。
しょうもないマスコミの一例で「鉄人、衣笠です」で「デッドボールでも平気です」と紹介する、ユーモア?ホンキ?このレベルの方々が牛耳っているのがマスコミの現状なのです。


そんなわけで実によく出来た野球ドラマの佳作だと思います。


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