『ことの終わり』(1999年)
この作品はニール・ジョーダン監督、ジュリアン・ムーア、レイフ・ファインズ、スティーブン・レイ主演のメロドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1999年 Stephen Woolley プロ/コロンビア・ピクチャーズ 英国=アメリカ作品
ランニング・タイム◆101分
原題◆The End of the Affair
プロット◆自分で課した誓いを守る話しだと思ってましたが少し違うようでした。
音楽◆マイケル・ナイマンはいつも同じスコアのような感じがするのは何故でしょう。早い話あまり好きではないのかな。
◆スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。全編ソフトフォーカスがかかっていました。
◆ソニー・ピクチャーズ発売のDVDにて。画質は非常によいです。少しソフトフォーカスで、少し粒子が粗い。スクイーズ収録のフル表示です。画面サイズはワイドで黒味はありません。37TVのフルスクリーンです。
キャスト
ジュリアン・ムーア→ヒロインのサラ・マイルズ夫人
レイフ・ファインズ→作家のモーリス・ベンドリックス
スティーブン・レイ→高級官僚のヘンリー・マイルズ
ジェイソン・アイザックス→牧師のスマイス
ジェームズ・ボーラム→サベージ探偵所の所長
イアン・ハート→探偵のパーキス
サム・ボールド→パーキスの息子で探偵見習いのランス
キャスト、誓いを守るというプロットがよさそうなので見ました。グレアム・グリーンの原作は未読です。
ニール・ジョーダン監督の演出はよいと思います。
批評で話題の階段を登るインサートショットがあります。特に意味はないような。
レイフ・ファインズ扮する作家のモーリス・ベンドリックスの手記をつづる回想になっています。
原作を読んでいなくて予備知識もなしに見たものでシーンがあっちこっちに飛びまくりの演出なので今見てるシーンがいつ頃なのかがよくわからなかったりします。
話しの方も飛びまくりで普通のメロドラマなのかと思っていれば結局信仰的な話しなのかとなります。
作家レイフ・ファインズと高級官僚夫人ジュリアン・ムーアは、
1939年のロンドンで会って、
1944年に情事の最中に爆撃を受けて、
そしてチャーチルのVサインのニュース映画を見ている戦後になっているらしい。
初めて会った時に一目で互いに恋に落ちる2人。
作家レイフ・ファインズの小説が原作の映画を見に行く2人。小説とは違うと批評する作家。小説の映画化ではよくあることです。
映画の後に夫人の自宅でさっそく情事に至る2人。その最中に夫が帰宅したりします。
夫は作家に夫人のことを頼み。夫人は作家に夫のことを頼む。
作家は探偵社に自分と夫人のことを調べるように依頼する。
この設定でアイロニーを効かすのかと思ったらそうでもなかった。どうも話しの焦点が定まらないようです。
情事の時に空襲の最中で爆撃を受けて作家が負傷するシーンでは最初は作家側からのみの描写があり。ここで夫人から別れを告げられてしまい何でそうなるんだと作家はとまどいます。
その後に探偵を使って夫人の日記を盗ませる作家ファインズ。その日記から爆撃を受けて作家が負傷するシーンを夫人側が描写すことになっています。
夫人は自分で課した誓いを全うしようとする。
それは、私が祈ったから彼は助かった。私は全身全霊をかけて祈った、だから私はもう彼とはいられないとなるようです。単に思い込みの激しい人ともいえますが何となく理解は出来ます。
自分を避ける夫人を追い回して日記を返す作家。あまりしつこいので成り行きで夫人は作家と観光地へ逃避行をしてしまいます。
結局この情事は夫人の寿命が尽きて終わりとなります。予想とは違う展開なのでとまどいます。こういう話しだったのかとなります。
イアン・ハート扮する探偵のパーキスの出番は多くて結構な儲け役のようです。この人が夫人を1番理解しているのというか好意を持っていたように思えます。
パーキスの息子で探偵見習いのランスは顔にあざがあります。夫人のキスであざが直ってしまう奇蹟がありました。見てて何となく納得出来たりします。
キャストは英国勢が勢ぞろいでヒロインのジュリアン・ムーアだけがアメリカ人でした。
多分英国での批評はヒロインはミスキャストといわれたでしょう。
何で英国人女優を使わないんだと。これは本『映画術』に載っていた英国の島国根性は云々という典型です。
そのジュリアン・ムーアは見て最初はこの人が英国人?ととまどいますがそのうちに英国の夫人に見えてきます。さすが演技派。
字は左手が書いていました。これはもちろん演技の一環なのでしょう。それとも本人も左利きなのか?
ジュリアン・ムーアはイメージからすると聡明な人と思えますが、出演した作品は結構何だかなというキャラが多かったりします。
全く同情の余地がない言動のキャラらしい『ジュラシック・パーク2』(1997年)や、オリジナルと同じカット割りですなんて大嘘をこいてるトンデモ・リメイクの『サイコ』(1998年)とか。他にもありそうです。
調べるとジュリアン・ムーアは『ゆりかごを揺らす手』(1992年)に出てます。
この作品は見たことはあるけど主役のアナベラ・シオラとレベッカ・デモーネイは覚えてるけど、ジュリアン・ムーアはどこに出てた?となります。→どうやらハイライトシーンでおなじみの割れた温室のガラスが全身に突き刺さって死ぬ役のようです。
これはまだサポート専門女優時代の作品なのでしょうがないかも。
ジュリアン・ムーアの相手を務めるレイフ・ファインズとスティーブン・レイは期待通りの演技でした。両者とも熱演でこの点は満足でした。
比べては悪いし、ちょっと違う話しですけど、やはりこの手の作品では最高と思われるデビッド・リーン監督の『逢びき』1945年版よりは少し落ちるとなるようです。
◆DVDにて。
DVDはR指定と最初に出ています。これは日本語です。
タイトル。
タイプライターのクローズアップ。
タイプを打つレイフ・ファインズ扮する作家のモーリス・ベンドリックスが登場。
私小説『憎しみの日記』を書いてるようです。
回想となります。
雨の夜、スティーブン・レイ扮する高級官僚のヘンリー・マイルズと2年ぶりに再会するモーリス・ベンドリックス。
悩んでいるヘンリー・マイルズ。
自宅に送るモーリス・ベンドリックス。
ヘンリー・マイルズの自宅にて。
回想の回想をやっています。ジュリアン・ムーア扮するサラ・マイルズ夫人のことを一瞬だけど回想してるモーリス・ベンドリックス。
話し込みます。サラ・マイルズ夫人の浮気を疑っている旦那のヘンリー・マイルズ。
サベージ探偵事務所の名刺を握りしめてる旦那のヘンリー・マイルズ。
代わりに私が行こうとモーリス・ベンドリックス。
そんなとこにサラ・マイルズ夫人が帰宅します。
この辺でもう話しがごちゃまぜになっています。これでは1回目の感想でとりとめがないとなるわけです。2回目だとこれでいいんじゃないと思えます。
回想となります。
1939年、夏、ロンドン、自宅のバーティにて。
モーリス・ベンドリックスがサラ・マイルズ夫人と会います。
映画を見に行きます。原作モーリス・ベンドリックスが「小説とは違う」と感想を言ってます。原作者が言ってるから説得力があります。
この上映されている映画がわからん。
食事しながら「君に恋をした」なんて言っています。サラ・マイルズ夫人もまんざらではないようです。
帰宅するとメイドのスーザンはいない。そうなるとすぐにやりたくなる2人です。
階段を登りながらもうやっています。
お互いに股間を触っています。これはいいや。ベッドではなくソファでやっています。
そんなとこに旦那のヘンリー・マイルズが帰宅します。
何でもないといった風情で迎えるサラ・マイルズ夫人と挨拶のモーリス・ベンドリックス。
2年後に再開するサラ・マイルズ夫人とモーリス・ベンドリックス。
今度はサベージ探偵事務所に行ってるモーリス・ベンドリックス。
依頼となっています。面白そうな状況でと興味津々のサベージ所長。
電話でパークレンホテルで会うことになります。
1944年らしい。パークレンホテルにて。
サラ・マイルズ夫人とモーリス・ベンドリックス。セックスしています。
おっぱいを見せています。いいな。
バーにて。顔に痣のある少年がいます。そばには探偵の父親がいることになります。
次は久しぶりのレストランに入るサラ・マイルズ夫人とモーリス・ベンドリックス。
旦那の心配をしているサラ・マイルズ夫人。モーリス・ベンドリックスに何かお願いをしています。
このへんでもう咳き込んでるサラ・マイルズ夫人。
で、握手もせずにお別れとなっています。
回想が回想になっていてシーンがあちこち飛んでいます。
モーリス・ベンドリックスのアパートにて。
探偵のパーキスが報告に来ています。モーリス・ベンドリックスは自分のことを報告されていることになります。
それでもサラ・マイルズ夫人単独の場合の報告は貴重です。
それでもモーリス・ベンドリックスはマジで浮気をしていると思っているようです。
ストッキングを履かせて、ガーターで止める、靴を履かせる。
こんなことをやってるモーリス・ベンドリックス。
空襲警報のシーンです。
この空襲のサウンドは5.1chとなっています。
痴話喧嘩と思ったらセックスとなっています。
探偵見習いの少年が出てきます。サラ・マイルズ夫人の自宅に侵入しています。
日記に挟んであるメモをパクってきます。後は誰か男に会っているサラ・マイルズ夫人を目撃しています。これは医者だったようです。
証拠品Aのメモを提出している探偵のパーキス。
別の男の話もしています。サラ・マイルズ夫人は服を脱いでいたとも言ってます。
探偵だからもちろん浮気としています。これでイライラのモーリス・ベンドリックス。
それから外出したサラ・マイルズ夫人はスマイス氏のところへ行ったとも報告しています。これが浮気相手です。親密な行為だって。
居眠りしてる探偵見習いの少年はサラ・マイルズ夫人に声をかけられて駅まで送ってもらいます。
スマイス氏の自宅に突撃するモーリス・ベンドリックス。
息子の具合が悪いと入ります。
帰宅したスマイス氏は違う用件ということに気がついているようです。
スマイス氏は神父なので顔を覚えるのが仕事なので少年に見覚えがあるようです。
そんなこんなで帰ってくれと言われるモーリス・ベンドリックス。
モーリス・ベンドリックスはマジでスマイス神父を疑っているようです。
散歩中のヘンリー・マイルズを捕まえてバーに行くモーリス・ベンドリックス。
スマイス神父のことを喋っているモーリス・ベンドリックス。嫉妬に狂ってるらしい。
バーを飛び出すヘンリー・マイルズ。
雨のベンチにて。
ヘンリー・マイルズとモーリス・ベンドリックス。
ここから空襲警報のシーンに回想となります。
この2人は昼間からセックスしているようです。
ここで空襲で直撃を食らいます。階段下に飛ばされるモーリス・ベンドリックス。
サラ・マイルズ夫人はベッドで無事でした。
何とか自分で起き上がって寝室に戻るモーリス・ベンドリックス。サラ・マイルズ夫人はベッドで祈っていたようです。
戻ってきたモーリス・ベンドリックスを見て驚いています。サラ・マイルズ夫人が見に行った時は死んでいたとのこと。
愛しているからお別れといった感じのサラ・マイルズ夫人。
雨のベンチに戻ります。
サラ・マイルズ夫人の自宅にて。
パーティに紛れ込む探偵のパーキス。咳き込んでるサラ・マイルズ夫人。
で、探偵のパーキスは日記を黙ってゲットしています。
これで調査は終わりとか言ってる探偵のパーキス。
モーリス・ベンドリックスに灰皿をプレゼントしてます。情事の目撃者なんだと。
日記を読んでるモーリス・ベンドリックス。
回想となります。空襲警報のシーンをサラ・マイルズ夫人から見た回想です。
言ってる通りすぐに見に行ってたようです。モーリス・ベンドリックスは死んでいます。
「もし生き返れば彼には2度と会いません」と誓うサラ・マイルズ夫人。
戦争を終わってチャーチルがVサインをしています。
日記によるとモーリス・ベンドリックスは諦めるとなっています。
教会でスマイス神父に告白してるサラ・マイルズ夫人。
かなり面白い構成になっています。2回目の方が面白い。
少年に会ったとこも日記に書いています。
痣が消えるようにと少年の顔の痣にキスをしたようです。そんなことまでやっていたのた。ところで左手で字を書いてます。
旦那のヘンリー・マイルズに一緒にいてくれと言われてます。
タクシーで外出するサラ・マイルズ夫人。
走って追うモーリス・ベンドリックス。びっこを引いてます。そういえば脚にケガをしていました。古傷です。
映画館から教会にまで追っかけてるモーリス・ベンドリックス。立派なストーカーです。
日記を返しています。普通ではないモーリス・ベンドリックス。
モーリス・ベンドリックスのアパートにて。
またセックスしています。
ヘンリー・マイルズが訪ねてきます。居留守のモーリス・ベンドリックス。
このままブライトンへ行こうとなっています。静養というかほとぼりを醒ますというか・・・。
ブライトンにて。
気ままにしているサラ・マイルズ夫人とモーリス・ベンドリックス。
海岸で咳き込んでるサラ・マイルズ夫人。
探偵のパーキスがまだ見張っています。誰が依頼人?
探偵のパーキスにコンタクトのモーリス・ベンドリックス。
離婚の証拠品をどんどん渡しています。後は写真が必要か?なんて言っています。
で、窓際でキスしているとこを写真に撮っている探偵のパーキス。
ある日ヘンリー・マイルズがやって来ます。
離婚に3ヶ月とモーリス・ベンドリックス。半分だとヘンリー・マイルズ。
医者の診断を結果を持ってきたのが用事でした。結果は悪い。半年の命のサラ・マイルズ夫人。
3人は電車で帰るようです。
ヘンリー・マイルズの自宅にて。
サラ・マイルズ夫人を一緒に看取ってくれとヘンリー・マイルズの願いで3人の同居生活となります。
スマイス神父が面会にやってきますが、これを追い返すモーリス・ベンドリックス。
そんなこんなでついにサラ・マイルズ夫人の最後の日がやってきます。
モーリス・ベンドリックスを呼ぶヘンリー・マイルズ。
スマイス神父がやって来て、3人で話し込むことになります。
ここで取り乱すモーリス・ベンドリックス。嫉妬の次は憎しみとなっています。
火葬場にて。
火葬されたらしいサラ・マイルズ夫人。モーリス・ベンドリックスがいます。
探偵のパーキスがいます。話しを聞くモーリス・ベンドリックス。
息子の顔の痣が消えて話しをしています。挨拶する息子。
ヘンリー・マイルズの自宅にて。
サラ・マイルズ夫人が死んだあとも男2人で暮らしているようです。
モーリス・ベンドリックスの私小説は『憎しみの日記』ではなくなったようです。
エンドとなります。
後タイトルでは歌が入っています。
予想とは少し違う話しでした。話しの焦点がイマイチはっきりしていないような。それでも主役キャスト3人の魅力でもってしまいました。映画とは不思議なものです。
そんなわけでメロドラマのよい作品でした。
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