『追跡』(1947年)
この作品はラオール・ウォルシュ監督、ロバート・ミッチャム、テレサ・ライト主演のウエスタンのようなメロドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
ダリル・F・ザナックの下で働いていたミルトン・スパーリングが製作というのも興味深く見ました。
1947年 ミルトン・スパーリング・プロ/ユナイテッド・ステーツ・ピクチャーズ・プロ/ワーナー アメリカ作品
原題◆Pursued
スカイパーフェクTV310衛星劇場にて。画質はよいです。
プロット しつこく追われる話しのようです。
音楽 マックス・スタイナー
キャスト
ロバート・ミッチャム→回想するジェブ・ランド
テレサ・ライト→ソー・キャラム
ジュディス・アンダーソン→母のキャラム夫人
ディーン・ジャガー→執念深いグラント・キャラム
ジョン・ロドニー→アダム・キャラム
ハリー・ケリーjr.→郵便局のプレンティス
アラン・ホール→カジノのオーナー ディングル
ラオール・ウォルシュ監督の演出はよいと思います。
製作ミルトン・スパーリングの趣向もかなり入っているようです。
しつこくフラッシュバックを入れたり、異常心理を扱ったニューロティック・スリラーも入っています。普通のウエスタンではないようです。
モノローグが多い。全編ジェブのモノローグとなっています。フィルム・ノワール調なのか?。
テレサ・ライトやジュディス・アンダーソンはアルフレッド・ヒッチコック監督作品でお馴染です。
テレサ・ライト→『疑惑の影』(43年)
ジュディス・アンダーソン→『レベッカ』(40年)
ロバート・ミッチャムはいつもと変わらん。
ディーン・ジャガーが悪役とは随分と地味な感じです。
プロローグ。
馬に乗って登場する女性。テレサ・ライト扮するソー・キャラムです。
ロバート・ミッチャム扮するジェブ・ランドの隠れ家に入ります。
ジェブは北へ、ソーは残る。
どうしてこうなったのか説明するジェブ。
回想となります。
ジュディス・アンダーソン扮するソーの母キャラム夫人に助けられる子役のジェブ。
連れていかれた家にはアダムとソーがいます。
馬車で夜逃げする4人。
追っ手が2人来ます。
ディーン・ジャガー扮するグラント・キャラムともう1人。
7年経ちます。
馬に乗っているとこを撃たれる子役のジェブ。
帰宅してアダムとケンカとなります。
町で出かけてグラントに話しをつけにいくキャラム夫人。
左腕がないグラント。
帰宅してジェブと話しをするキャラム夫人。
拍車の光とブーツだけを覚えているジェブ。
ジェブ・ランドと名乗りたいと言ってるジェブ
回想から戻ります。
また回想となって町に出るジェブ。
ハリー・ケリーjr.扮する郵便局のプレンティスが登場。
偶然にグラントと会うジェブ。
スペインとの戦争で志願兵を集めています。
志願兵になれとグラント。
牧場に戻るジェブ。
志願兵になるのはジェブかアダムかをソーがコインで決めます。
ジェブとなります。
戦争です。モンタージュとなります。
撃たれるジェブ。これで故郷に戻されることになります。
町です。
歓迎されるジェブ。
グロリエンタのランド家の記録を調べればいいとアダムをたき付けているグラント。
サンタフェの検事をやってるらしい。
4人で牧場に帰ります。
何となく大河ドラマのような感じになっています。このへんでようやくこれは普通のウエスタンではないと気がついた。
オルゴールに合わせて歌うジェブ。
ソーに今夜町で結婚しようとジェブ。これはうやむやとなります。
遠乗りで隠れ家となった朽ち果てたベアパウ・ビュートの家へとジェブ。
帰宅してキャラム夫人に聞くジェブ。
このベアパウ・ビュートの家が何があった?話しは進む。
アダムと口論になるジェブ。
どちらが出て行くかコインで決めようとジェブ。
ジェブが出て行くことになります。で、乱闘となります。
牧場を出て行くジェブ。
町にて。
カジノのジェブ。派手に儲けています。
アラン・ホール扮するカジノのオーナー ディングルに一緒に仕事をしないと誘われるジェブ。この仕事を受けるような感じです。
荒野にて。
馬で移動のジェブ。歌っています。
突然撃たれるジェブ。撃ちかえします。打った相手を仕留めます。
死んでいたのはアダムでした。
アダムの死体を町に運ぶジェブ。
キャラム夫人とソーがやって来て裁判となっているようです。
張り切っているグラント。
で、評決は無罪となります。
キャラム夫人から絶遠を言い渡されるジェブ。
カジノの仕事に収まるジェブ。
ダンスパーティとなります。
ソーをダンスに誘うジェブ。これはエスコートしてきたプレンティスへの侮辱だと煽るグラント。
こうなってくるとウエスタンではなくてメロドラマのようです。だんだんと予想とは違う話しの展開となっています。
ジェブを撃つプレンティス。
ですが腕前が違うので逆に撃たれてしまいます。死に至るプレンティス。
プレンティスを演じるハリー・ケリーjr.はいつも死ぬ役のような。ハワード・ホークス監督の『赤い河』(48年)、ジョン・フォード監督の『捜索者』(56年)でも死んでいたし。
これで悪名が高くなるジェブです。
牧場に来るジェブ。
ソーと話しとなります。
オルゴールから何となく気まずい2人です。。
キャラム夫人と話しのソー。
復讐するつもりでジェブと結婚するとソー。
結婚式となります。
誰も祝福してくれない結婚式のようです。
まだグラントは小細工に励んでいます。
あくまでも地味なディーン・ジャガーです。
売りに出ていた牧場を買っていたジェブ。
花嫁を案内します。
初夜となります。リボルバーを向けるソー。
そんなこんなで結局いい仲になるようです。
追っ手が迫ります。これが誰だかよくわからん。→グラントがやってるようです。
脱出してベアパウ・ビュートの隠れ家に向かうジェブ。
チェイスシーンがあります。ようやくウエスタンらしくなります。ここだけかい。
プロローグに戻ります。
追っ手が来ます。
昔をことを思い出すジェブ。
拍車とブーツは父だった。父は殺された。これがオチかい、まあいいけど。
何だかんだジェブを吊るそうとるグラント。
キャラム夫人が改心してグラントを撃ちます。これがあっけなく争いは終わりとなります。
これで牧場に戻るジェブとソー。
エンドとなります。
本物の職人ラオール・ウォルシュ監督にしては何かアクションがもたもたしていててアクションの各駅停車といった感じがしました。製作ミルトン・スパーリングの趣向が色濃く入っていたせいだと思われます。
この作品はおそらくデビッド・O・セルズニック製作のウエスタン大作『白昼の決闘』(46年)の便乗作なのでしょう。ワーナーにしてみれば共倒れを狙っていたのかも。
そんなわけで意外と地味でアクションも少なめなウエスタンのまあまあな作品でした。
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