『ジャンク・メール』(1996年)
この作品はポール・シュレットアウネ監督、ロバート・シャーシュタ、アンドリーネ・セーテルの巻き込まれサスペンスのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
この作品は少し見て面白かったので見ました。
1996年 ノルウェー作品
原題◆Budbringeren◆Junk Mail (Australia) (video title) (Norway)
スカイパーフェクTV311パワームービーにて。画質はよいです。
プロット ストーカーしてたら事件に巻き込まれる話しのようです。
キャスト
ロバート・シャーシュタ→郵便配達人のロイ
アンドリーネ・セーテル→洗濯屋のヒロイン、リーナ
ペール・エーギル・アスケ→電話をしたきたゲオルグ教授
ポール・シュレットアウネ監督の演出はよいと思います。
全体的に貧乏のディテール描写がいい感じとなっています。
主人公の郵便配達人ロイはさえない小男で配達の途中にトンネル内に入り込み穴の中に郵便物を放り込んでいました。配りたくないかネコババするのかは不明です。
貧乏なディテール描写がこってりとあります。これを始めとしてノルウェーの貧乏ぶりは相当なものです。貧乏臭さで日本に負けていません。
主人公の郵便配達人ロイは配達途中にチンピラ3人に襲われて郵便物の入った「かばんは渡す」と言いながら渡せずに結果的に表彰されていた。けっして職業意識に燃えてそうしたわけではありません。単に成り行きでしょう。他にもアイロニーが効いてる描写がありました。
ヒロインを睡眠薬自殺から救うシーンもなかなかよかった。説明セリフが全くなしで描写していました。
トイレで主人公と怪しい男と自分の名前の入った腕時計と大金の物々交換の図。ここもアイロニーが効いてました。
ヒロインをコーヒーに誘うとこもありました。結構マメではないですか。
中年の商売女に逆恨みされて人違いの図もブラックな感じでした。
主人公が悪知恵を働かしてゲオルグ教授の名を騙り、先に手に入れたカギをでヒロインのアパートを使用したまではよかったが交渉?に失敗して逆恨みされていました。
片思いのヒロインのカギを手に入れたいきさつは丁度ヒロインが中年男に話しかけられていて郵便受けにカギを付けたまま忘れてしまうとなっていた。他にも出来るだけセリフに頼らずに描写している演出はいいと思います。
このヒロインは耳が不自由となっていました。本屋で医学書を万引きしたのは怪我の状態を知りたくてそうしたようです。他にもあったけど伏線が凝ってる脚本です。
カラオケバーはノルウェーにもあるのですか。下手なカラオケの図は見てるほうがこまります。
大金をめぐってヒロインの自殺騒ぎまでありますが何で大金が動いたのかはあいまいなままでした。これは演出意図なのでしょう。
主人公のクルマは借り物のトヨタ・ハイエース。ボロボロのワンボックスカーです。貧乏です。
私から見れば北欧の3国ノルウェーもフィンランドもスウェーデンも同じような国です。向こうから見れば朝鮮の北と南と日本も同じかもしれません。お互い様ですか。
そんなわけで貧乏とアイロニーの組み合わせが秀逸で、何だか貧乏なコーエン兄弟の『ブラッドシンプル/ザ・スリラー』(84/99年)のような感じのよい作品でした。
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