『マッチ工場の少女』(1990年)
この作品はアキ・カウリスマキ監督、カティ・オウティネン主演の風変わりなメロドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
この監督の評がいいので見ました。どんな監督なんだろうと興味深い。
1990年 フィンランド=スウェーデン作品
原題◆Tulitikkutehtaan tyttö◆Flickan från tändsticksfabriken (Sweden)◆The Match Factory Girl (USA)
パーフェクTV311にて。画質はまあまあ。
プロット 悲しいけど逆恨みする話しのようです。
キャスト 誰が誰だかわからん。
カティ・オウティネン→ヒロインのイリス
エリナ・サロ→イリスの母
エスコ・ニッカリ→イリスの継父
ヴェサ・ヴィエリッコ→
シル・セッパラ→Aarne
レイヨ・タイパレ→歌手
アキ・カウリスマキ監督の演出はよいと思います。
独特のテンポで演出しているようです。
溶暗が使われてました。くどくなりそうなとこの省略が上手です。
ハードボイルド・メロドラマでしょう。ラストも簡潔でよかった。
プロローグ。
ヒロインがマッチ工場に勤めてから帰宅して夕食に支度をしてダンスホールに出かける。このいつもの1日を13分使って説明セリフが全くないサイレント映画のように描いてます。このシーンを見ただけでこの監督の腕前はいいと思いました。
セリフが少ないこと。
登場するどのキャラも全編に渡って最低限必要なセリフしか喋りません。
始まって14分ぐらい全くセリフがありませんでした。ここで初めてヒロインが喫茶店で注文のセリフがあった。会話になるのは24分頃からでした。
要所要所で歌が流れます。これでセリフに代わり心情を描写してるようです。歌詞がわからんのがこまったものです。
ダンスホール、ジュークボックス、ラジオ等。このラジオからの歌がシーンが変わっても流れてました。
劇中TVニュースではあの有名な1人で戦車を止める天安門事件のニュースが流れてました。この映像に本編が負けてないのは大したものです。ヘタクソな腕前だと映画の方が見られなくなるから。
フィンランドでは買物は買物袋持参のようです。ケチというか合理的なヨーロッパならどこでもそうなのかもしれません。
ダンスホールで壁の花の図。帰宅して着替えるのは流れをよくするためか何故か省略していました。
映画館ではハンフリー・ボガートのブロマイドが飾ってあった。女性スターの方は誰かわからず。
大薮晴彦の小説『狼は復讐を誓う』の中でフランス人の若い女性は貧しいがシックと書いてました。この表現はいいと思った。でも貧しいがシックなのはいいけど、貧しくて貧乏臭いのは惨めだ。この作品だけのことではないけど。→貧しくて貧乏臭いのは日本の現実のことです。
アキ・カウリスマキ監督ですが確かに個性的な監督なようです。
そんなわけで少し悲しいけど風変わりなハードボイルドな描写がさえるよい作品でした。
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