『ガルフォース エターナル・ストーリー』(1986年)
この作品はアートミック製作、秋山勝仁監督の本格的な戦争アクションのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1986年 アートミック/ムービック/ソニー 日本作品
ランニング・タイム◆86分
原題◆がるふぉーす えたーなる・すとーりー
プロット◆普通の戦争をしてるはずがそうではなかった話しのようです。
音楽◆瀬尾一三
キャスト→VC
リーダーなエルザ→川村万梨阿
まじめなラビィ→松井菜桜子
よくわからない性格なパティ→原えり子
勝手なルフィー→鶴ひろみ
気弱なポニー→富沢美智江
幼いラミィ→山本百合子
冷静なキャティ→渡辺菜生子
コンピューターのOX-11(オー・エックス・イレブン)→古川登志夫
コンピューターのエクザノン(XOANON)→富山敬
ロボットのトイル(Toil)→鈴木富子
ロボットのアイル (Ail)→羽村京子
少年→菊池英博
総司令→鳳芳野
親衛隊長→弥永和子
女クルー→中野聖子
女クルー→安藤ありさ
コマンダー→屋良有作
副官→小滝進
副官→小林道孝
秋山勝仁監督の演出はよいと思います。
全体的にどこかで見たようなシーンが多い。他の作品の数10本ぐらいは引用というかコピーしています。あちこちからの寄せ集めのショットばかりですが、それにしては上手く出来ています。
セリフがもう少し書き込めばもっとよくなっていたのではと惜しい気がします。「ゆだねる」というセリフが妙に印象に残る。
アニメの脚本家にそこまでは無理ですか。大体脚本家はアニメなんか実写への踏み台程度にしか考えていないのではと思えるので期待するのが無理かも。
互いに全く違う種族なので問答無用で戦うしかないとなっています。
どこかである設定です。別に構いませんけど。それで普通の戦争かと思ったら軍上層部では全く別のとんでもない計画が進行したとなっています。
その計画は全く違う種族を融合するという計画で兵隊を実験をどんどんとやっていた。
戦闘で1艦だけが孤立する。
その1艦に人員が7人だけになって、1人1人減っていく設定になっています。これは戦争映画によくある設定ですがいい感じ。
何となくおままごとのような軍隊です。見ててイライラする。
勝手なキャラ、気弱なキャラ、幼いキャラ、しっかり者のキャラ、等々一通りそろえてあります。
大まじめなのは結構なんですがウェットなのがイマイチです。
メインコンピュータを説得してしまうとこがあります。
ですが、話し合いでコンピュータはを説得出来るものなのか。どういうロジックなのかい。ウェットな涙で回線がショートしたのかと思えてしまいます。と、いうよりどうせ死ぬ人だから言っても構わないとなったのか?
瀬尾一三の音楽が非常によいです。
カット割りとシンクロした音楽になっています。それで音楽にシンクロしてるアクションシーンが見どころで戦闘シーンは結構見せてくれます。
SME・ビジュアルワークス発売のDVDにて。
画質はまあまあ。DVDクオリティ。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声はドルビーデジタル2.0ch
プロローグ。
宇宙です。艦隊戦が始まります。
友軍艦隊に遅れているらしい主人公達が乗船しているスターリーフ。艦長は旗艦へ出かけて不在です。
戦闘が始まり大破するスターリーフです。これで少人数だけが生き残ることになります。
そんなとこに札付きの戦闘機パイロットが乗り込んで来ます。
お気楽に始まります。
スターリーフの残りが全員集合となります。計7名。
ワープとなります。
タイトルです。
ワープ中のスターリーフ艦内の風景が入ります。
ワープが終わります。
スターリーフはGキャンセラーが故障ですとコンピューターOX11から報告が入ります。
この辺はセリフはもう少し洗練してほしいものです。
修理に向かいます。5名。
宇宙服が着れないポニーの描写が入る。
減圧室のドアをちゃんと閉めて圧を抜きましょうというトラブル。この調子だったら、全員すぐに退場となりそうで見ててイライラします。
悪役のパラノイドが登場。
こちらは男性形態というわけではなくて液体形状で用途に応じた擬体に入り込んで活動する設定となっています。
修理に向かう5名はワイヤーを張って移動します。
ここでポニーがパニックを起こして一騒動となります。普通はこれで死んでるのでは・・・
パラノイドは接近中。
ソルジャーを出します。これが結構多い。中隊ぐらいの規模なのかも。
正体不明の通信をキャッチします。
ここで予感があるらしいエルザとパティ。
修理の5名はGキャンセラーを調査中。
調査の結果はかなり悪い状態です。
パラノイド接近を補足するエルザ。
迎撃体制を取ります。
ルフィとラビィが迎撃担当となります。残りは修理を続行となります。
ルフィとラビィで一悶着の会話となります。
で、ルフィの独断で戦闘機が出ることになってラビィも戦闘機で同行します。
戦闘機だけではなくガードロボットも数体出ています。
ここの一連のアクションは見事です。音楽もいい。
被弾して「これまでか」のセリフからパワードスーツ装着のルフィ。
早く戻ってはいいけれど互いにもたもたしていると共倒れになるのでは思わせます。余計な心配をさせるなよとなります。
パラノイドは当初の目的は達成したようです。
カプセルをスターリーフに打ち込むことには成功しています。
スターリーフのGキャンセラーが直り2回目のワープへのカウントダウンとなります。
ルフィはスターリーフに戻れず。脱落となります。
ワープとなります。目的地のカオスに向かっているらしい。
ワープ中の艦内の風景。
歌が入ります。鈴木聖美の歌はそんなによくない。
トイレやシャワーのサービスシーンがあります。
やたらおっぱいが見えてます。これではアメリカだとR指定になりそう。
まだワープ中らしいが外部からの侵入者がとアラートです。
調査に向かいます。撃ち込まれていたカプセルの中は空っぽです。
となるとすでに何者かがスターリーフ内部に侵入したことになります。2人1組でカプセルが撃ち込まれたEブロックを調べます。
パティとラミィ組が怪物と遭遇します。逃げます。逃げ足は速い。
ドアを開けて怪物を迎え撃つとこで銃口の前に出てしまうエルザは不自然でした。普通は後方からの暴発が危ないので出ないと思える。
その後エルザとキャティ組が怪物と遭遇します。エルザがやられます。
この直後にパティが怪物と遭遇したらしい。一応伏線になっています。
ラビィが重装備をして怪物を船外に放り出して片づけます。
エルザは意味あり気な言葉を残し死亡となります。
一緒にいたキャティは「わからない」と証言。「わからないはないでしょう」とブチ切れ気味なラビィです。このあたりから何だか普通のお気楽戦争物とは違う雰囲気ななっています。
エルザの遺体はカプセルで船外に放出されます。何だか怪物と扱いが同じような。
キャティの履歴を調べるラビィ。履歴はありません。怪しい。
で、キャティを詰問するラビィ。キャティは意味あり気な言葉を残し逃亡します。
船のメインコンピューターOX11と話し込むポニー。
ここで唐突にOX11はアラートを発します。スターリーフは爆発するので脱出艇ブロッサムで脱出せよとなります。
脱出艇ブロッサムに乗り込むとこでポニーが残ります。
OX11と心中するポニーです。それにしてもコンピューターって説得出来る物なのか?ロジックが通らないと答えが出ないと思いますけど。
一応真相らしきことがわかります。キャティはアンドロイドで上層部より送り込まれて来たとのことです。
脱出艇ブロッサムですがカタパルトがトラブルで発進出来なくなります。
ここでキャティが身を挺してカタパルトを開けて無事に脱出となります。
アニメ浪花節が全開といった感じです。あまりロジカルとは思えませんがまあいいです。
ところでワープがいつ終わったのかがわからん。
脱出艇ブロッサムは木星を通過。
歌が入ります。これもイマイチ。
夢を見る3人。これが同じ夢です。
カオスに到着します。大気圏に突入となります。
衛星カオスに惑星ティアとなっているようです。要するに月と地球です。
ベースキャンプを張ります。というかシールドを構築します。
パラノイドが追って来ます。
偵察なのか3体を送り込みます。
水浴中の3人が襲われてアクションとなります。
ここは『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』(1983年)からのスピーダーバイクのアクションそのままです。
パラノイドの話しから真相らしきことが明かされます。
融合して新しい種族となるはずが分離されて予定が狂ったとなっています。
それでも新しい個体は何かに役にたつだろうとなっています。
倒れたパティは検査中。
コンピューター エグザノンに質問をするラビィ。
真相はこれだとなります。パラノイドの話しと同じです。
パティから分離されて物体は赤ん坊になります。
何も覚えていないパティ。赤ん坊はあっというまに若い男になった。
そんなわけで新しい個体とその母になったパティの争奪戦となります。
パラノイドと到着したソルノイドの旗艦アコンカグヤの艦隊の戦闘となります。
融合計画でパラノイドとはとりあえず友軍の筈のソルノイド親衛隊の戦艦コーカサスが出現しパラノイド攻撃に参加します。
ダメージを受けたパラノイドはシールドで守られたカオス大気圏に強行突入となります。
次は友軍同士の筈のアコンカグヤの艦隊と親衛隊の戦艦コーカサスの戦闘となります。
コンピューターのエグザノンを詰問するラビィ。
真相を知って激怒してコンピューターを破壊するラビィ。あまりロジカルとは思えませんが少なくとも気は済んだようです。
地上へと到達したパラノイドは変形して怪獣ディノサートとなります。
ブロッサムに向けて進攻します。何故かディノサートの鳴き声がガメラの流用なのです。なんでそうなる?。
味方の筈のソルノイド親衛隊の戦艦コーカサスは地上にパワードスーツの機動歩兵部隊を送り込みます。
ラビィとパティ。ブロッサム内では最後の打ち合わせとなっています。
どうやらラミィと新固体の若い男をティアに送り込むつもりらしい。
ラビィとパティは残ります。もう後はない。パラノイドと味方だったソルノイドの両方を相手にするつもりのようです。少しでも時間を稼ぎたいだけなのかも。
で、ラストのアクションとなります。
長めの溶暗からエピローグ。
現代の地球の風景。転生したのかあちこちにおなじみキャラがいます。
後タイトルとなります。
この歌はいいです。小比類巻かほるの『両手いっぱいのジョニー』は最高にはまっています。歌詞はこの作品と全然関係ないですけど・・・
そんなわけで女性キャラがゾロゾロ出てるだけのしょうもないお気楽戦争物かと思っていたらロバート・アルドリッチ監督の戦争映画『攻撃』(1956年)並みのテンションを保っている出来なんです。これはよいサプライズでした。
エポックメイキングな設定だと思います。
女性型しかいない種族にしているのがポイントです。性別がないのだ。
これで男が絡んだ場合のセックス絡みの差別、または不自然な描写バランスが解消されたのです。でもこれはたまたま、こうなっただけだと思うけどね。多分女性キャラを出したいだけだったのでしょう。
どこかで見たようなショット、設定が盛り沢山でそれらが組合わさって非常によい出来になっているのです。寄せ集めの優れ物となっています。
1986製作のこの作品、ビデオ作品となった2と3以降は忘れましょうとなります。この作品限りにすればホントはよかったのに残念なことです。
キャラ設定が陳腐でショットは引用だらけなのに全編に渡り妙にテンションが高いのが不思議なとこです。映画は演出が1番というのをよく表している?
そんなわけでお気楽とウェットだけで終わる筈が偶然に出来がよくなった奇跡のような作品だと思えます。これは佳作です。
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