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2007.07.15

『脅迫 ロープ殺人事件』

この作品はリチャード・フライシャー監督、ブラッドフォード・ディルマン、ディーン・ストックウェル主演の実録犯罪ドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
有名な事件の映画化なので見ました。同じ事件を扱ったアルフレッド・ヒッチコック監督の『ロープ』(48年)は見ています。この比較も興味深いとこです。

1959年 20世紀フォックス アメリカ作品
原題◆Compulsion
スカイパーフェクTV317スター・チャンネルにて。画質 非常によいです。音声はステレオでした。
プロット 試しで殺人をしたが捕まってしまう話しのようです。
音楽 ライオネル・ニューマン

キャスト
ブラッドフォード・ディルマン→強気なアーティ
ディーン・ストックウェル→弱気なジャッド
ダイアン・ヴァーシ→友人のルース
E・G・マーシャル→州検事 ホーン
オーソン・ウェルズ→有名な弁護士 ウィルク
マーティン・ミルナー→友人のシド 記者見習いもやってる。
ロバート・F・サイモン→ジョンソン警部補
エド・バインズ→グローブ紙のトム・デイリー記者
リチャード・アンダーソン→ジャッドの兄マックス

リチャード・フライシャー監督の演出はよいと思います。
製作はダリル・F・ザナックではなく息子のリチャード・D・ザナックです。

斜めのアングルのショットを使っています。斜めになると怪しいシーンとなります。
当時の新聞記者の突撃取材ぶりが描写されています。ちゃんと競争になっています。記者クラブで情報利権を独占してる現在の日本とは違う。

1924年のシカゴが舞台です。
始まったとこでいきなり犯行直後となります。ブラッドフォード・ディルマン扮する強気なアーティとディーン・ストックウェル扮する弱気なジャッドがクルマで逃走中。酔っ払いをクルマで轢きそうになりもめます。ここは手がかりになる?→結局これは手がかりにはならず。
そんなこんなで酔っ払いをもう1回轢き直そうとして未遂に終ったとこでタイトルとなります。出だしは上々です。

主人公の2人はニーチェの超人思想を実践したということらしい。
その後に大学で講義を受ける強気なジャッド。マーティン・ミルナー扮する記者見習いもやってる友人のシドがやってきます。
講義が終ってシドの恋人ダイアン・ヴァーシ扮するルースが紹介されます。この辺はキャラ紹介といったとこです。

記者見習いシドは水路で発見されて死体を取材しに行きます。
ここで証拠品となるメガネを発見する。殺されたケスラーは全く登場しません。生きてるとこも死んでいるとこも出ない。

落としたメガネはジャッドの物だと描写されます。これをどう処理するか2人で無視するか届けるかどっちがいい?と検討しています。

強気なアーティは警察に積極的に協力します。
弱気なジャッドは心配します。とキャラに見合った行動をとっています。

自然公園でルースとデートするジャッド。
事前にアーティとルースをものにすると約束していたジャッドですが出来ず。このシーンは何の意図があるのでしょう。よくわからん。

落としたメガネのことから足が付いてE・G・マーシャル扮する州検事の事情
聴収を受けるジャッド。
シドニー・ルメット監督の『12人の怒れる男』(57年)では感情的ではなく理論的に最後まで反論する陪審員を見事に演じてたいE・G・マーシャルが州検事なので強敵なのです。
ジャッドはアリバイ成立の証人となる名前を言わされてしまい次はその証人のアーティが事情聴収を受ける。
検事は2人別々に聞く戦術を使っていました。証言が一致しないとこを突くのでしょう。ところが途中から事情を察知したアーティが証言を合わせてしまいます。
このまま逃げ切るかというとこでジャッド家の運転手が届け物を持って来たとこで何気ない発言からアリバイが崩れます。肝心のアリバイがある筈の水曜にはクルマは整備中で動いてなかったと。クルマで移動中と証言したのが崩れてしまいます。

2人の身柄拘束となったとこでオーソン・ウェルズ扮する最高の弁護士ウィルクが登場します。三百代言の弁護士のキャラにぴったりと合っているキャスティングです。
オーソン・ウェルズはもうすっかり太って貫録充分です。『上海から来た女』(47年)と比べると随分と変わりましたなとなります。

それで裁判のシーンへと突入し法廷ドラマになります。
ウェルズ弁護士はもっとデタラメなことを言って検事側を煙に巻くと思っていたら意外にまともなことしか言ってません。精神異常と金持ちの息子というのに偏見を持っていて普通なら終身なのにわざわざ吊るそうしているとホトンド正論で裁判は進みます。
長口上の演説が延々と続くウェルズの演技がクライマックスとなっています。

裁判を結審となります。終身では不満な2人を諭すウェルズ弁護士。これでエンドとなります。意外とまともな作品でした。


主役となる2人を誰が演じているのか知らないで見始めたら強気なアーティをブラッドフォード・ディルマン、弱気なジャッドをディーン・ストックウェルとなっていました。これはなかなかいいキャスティングだと思います。両者とは好演していました。
ディーン・ストックウェル子役出身ですがおそらくブラッドフォード・ディルマンも子役出身でしょう。童顔で何というか奇形的なとこがそんな感じ。

同じ話しの『ロープ』(48年)では強気なキャラをジョン・ドール、弱気なキャラはファーリー・グレンジャーが演じていました。2人のキャスティングに関してはいい勝負です。

『ローブ』は全編ワンショットで撮る実験手法の方が有名で当時のカメラは連続して撮れるのが10分なのでリールが変わるごとに黒味のショットにして、その黒味をつないで全編ワンショットに見せかけています。アルフレッド・ヒッチコック監督にしては上出来ではなく実験作の割には面白い程度の作品です。
この2作は手法が違うのであまり比較にはならないようです。ですが法廷シーンがあるので『脅迫 ロープ殺人事件』(59年)の方が面白いかもしれません。

そんなわけで話しの割には堅実にまとまっているよい作品でした。



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