『暗い鏡』(1946年)
この作品はロバート・シオドマク監督、オリヴィア・デ・ハヴィランド主演の双子サスペンスです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
この作品はプロットとオリヴィア・デ・ハヴィランドで見ました。20世紀フォックスのボス ダリル・F・ザナックお気に入りの脚本家で、映画批評家の双葉十三郎には嫌われている、ナナリー・ジョンソンが製作脚本とは知りませんでした。で、この作品は当然双葉十三郎の『ぼくの採点表』での評価はよろしくないです。
1946年 ナナリー・ジョンソン・プロ/NTAピクチャーズ アメリカ作品
原題◆The Dark Mirror
プロット 双子に振り回される話のようです。
スカイパーフェクTV260シネフィル・イマジカにて。画質はそれなりに悪い。でもモノクロの絵はきれいです。
音楽 ディミトリ・ティオムキン
キャスト
オリヴィア・デ・ハヴィランド→双子のテリーとルース
ルー・エイヤーズ→心理学者エリオット
トマス・ミッチェル→警部
ロバート・シオドマク監督の演出はよいと思います。
当時流行っていたニューロティック・スリラーの1本。精神分析がポイントとなります。
トマス・ミッチェル警部の「中国の音楽はわからん」のセリフに合わせて中国風の音楽が流れるお遊びがありました。
ロールシャッハ・テストのシーンがありました。
意味不明な対象の絵を見て何を連想しますか?となりよどみなく答えが出ます。これは映画ならではです。このテストは現在も使われているのかな?
嘘発見器のシーン。嘘をつくと振れる針とこれもわかりやすい。
14分で双子とわかります。話しは早い。ここで双子の有利さが強調されます。
テリーとルース、強気のテリーに弱気のルース。オリヴィア・デ・ハヴィランドは一応演じわけています。
2人とも大きく名前の入ってるネックレスやTとRのブローチを付けて登場するのでどちらが出てるのかハッキリさせたい時は見てすぐにわかるようになっています。親切なことです。
当然2人がどちらだかわからないことがサスペンスになる時はつけていません。わかったらサスペンスにならないので当然の処置です。
不利な状況になったテリーが私は「ルースなのよ」と主張するシーンはなかなかのものでした。その後ルースが映った鏡を割るショットはショックシーンになります。見てて実際ビックリしました。当時はこれが受けたでしょう。
ルー・エイヤーズは『西部戦線異状なし』(30年)以外にも出演作があったんですね。誰かと思った。本編中自称ロバート・テイラーとしてましたが、実際はあまり冴えずくたびれた感じのロバート・テイラーといったとこです。
双子の有利さはガキの頃に読んだ、江戸川乱歩翻訳のジョンストン・マッカレーの本『第三の恐怖』で知りました。主犯と従犯が双子のどちらなのか証明出来ないと罪にならないとのことでした。
そんなわけでニューロティック・スリラーのクラシックのよい作品でした。
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