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2007.07.08

『トゥモロー・ワールド』

この作品はアルフォンソ・キュアロン監督、クライヴ・オーウェン主演の近未来SFサスペンス・アクションのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

2006年 ボニー・キャニオン/東宝東和/ユニバーサル・ピクチャーズ/ストライク・エンターテインメント/ヒット・エンド・ラン・プロ 日本=英国=アメリカ作品
ランニング・タイム◆109分
原題◆Children of Men
プロット◆大切な人物を迎えの船まで送り届ける話しのようです。
音楽◆ジョン・タヴナー

ボニー・キャニオン発売のDVDにて。
画質は普通です。要するにDVDクオリティ。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはワイド。上下左右黒味無し。フルスクリーン。
音声は DTS 5.1chにして見ました。

キャスト
クライヴ・オーウェン→役人のセオ・ファロン
ジュリアン・ムーア→前セオ夫人のジュリアン・テイラー
クレア=ホープ・アシティー→妊娠してるキー
マイケル・ケイン→隠遁のジャスパー・パルマー
フィリッパ・アークァハート→ジャスパー夫人のジャニス
キウェテル・イジョフォー→リーダー格のルーク
チャーリー・ハナム→ロクデナシなテロリストのパトリック
ダニー・ヒューストン→大臣のナイジェル
ピーター・ミュラン→収容所のシド
パム・フェリス→おばさんのミリアム
オアナ・ペレア→協力者のマリカ

この作品は評判がいいので見ました。評判の長回しはあまり気にしないで見ました。

アルフォンソ・キュアロン監督の演出はよいと思います。
この監督の作品は初めて見ましたが結構上手い。

長回しは目立たない方がいい。この作品は目立ちませんでした。これがいいのです。溝口健二監督の長回しがそんな感じ。
溝口健二監督は1シーン1ショットの手法で世界的に有名なのです。当然黒味でつなぐなんてやりません。

長回しの悪い例は見てていかにもがんばって演技していますとわかる撮り方となります。俳優さんの演技持続我慢大会みたいなのはダメです。

この作品の長回しはCGやデジタル合成を使って修正したり違うショットつなげているそうです。普通に見てればまずわかりません。
→アルフレッド・ヒッチコック監督の10分ごと黒味でつないで80分ワンショットをやっていた『ロープ』(1948年)の改良版といったとこです。

プロダクション・デザインがいい。
『ブレードランナー最終版』(1982年/1992年)とは違うそうですが私にはよいバリエーションに見えます。


何故かSF作品にも多く出ているジュリアン・ムーア。ここでは意外と早く退場となっていました。贅沢なキャスティングです。
マイケル・ケインも退場となってしまいます。残るクライヴ・オーウェンが普通の男を熱演するまでなく好演していました。抑え目な熱演といった感じ。
頼りにしてるジュリアン・ムーアとマイケル・ケインが退場となり自分で何とかしなくてはと奮闘するクライヴ・オーウェンです。


著作権のアラート
ポニー・キャニオンのタイトル
東宝東和のタイトル
メニュー画面です。DTSにします。
何故かDTSに付いての説明が入る。要するにお前の機器はDTSに対応出来るのか?です。

Universal Pictures (presents) 音楽が入っていない。
Strike Entertainment
Hit & Run Productions (in association with) (as Hit and Run Productions)

プロローグ。
Universal Pictures (presents)
Strike Entertainment
Hit & Run Productions (in association with) (as Hit and Run Productions)

黒味でニュースの音声から始まります。
コーヒーショップにて。
TVニュースではディエゴなる世界で1番若い男が死亡したと流しています。
長寿の逆になっているようです。最初から世界一若い有名人というのが凄い。
BBCは使えないようでBCCになっています。
ロンドンなのでちゃんと左側通行です。
ニュースを見ているクライヴ・オーウェン扮する役人のセオ・ファロン。コート姿が何となく『ブレードランナー最終版』(1982年/1992年)のデッカードのようです。

ロンドン 2027年11月16日
最初から長回しが全開になって爆弾テロのサプライズとなります。
店を出て歩くセオ・ファロン。
充分にタイミングをとって爆破テロとなります。つい先ほどいたコーヒーショップが大爆発となります。

街中にはスーパーカブにリヤカーを引かせて軽トラもどきがあります。トライクではないと思った。
→ Honda Super Cub これはビックリのちゃんと3輪のトライクでした。

タイトル。
Children of Men

エネルギー省にて。
気分が悪いと早引けして仕事を自宅に持って帰るセオ・ファロン。

帰りの電車にて。
電車内モニタで世界中で英国のみが秩序を保っているらしいとわかります。
『世界中はダメでも英国だけは大丈夫』のプロパガンダCMが流れています。

マイケル・ケイン扮するジャスパー・パルマーと会うセオ・ファロン。
クルマで移動してるけど。これは何だ?、黄色と黒のステーションワゴン。
→ 1986 Citroën CX Estate Série 2
雑談で爆破テロは政府の自作自演だと指摘するジャスパー・パルマー。

関係ないけどどうして日本ではドライブレコーダーが流行らない?。
流行るとこまる人種が多いからでしょう。警察とかやくざもどき。他にもいる。

ジャスパー・パルマーの家に入ります。
林の中。夫人のジャニスは体が不自由。犬がいる。犬の他にネコもいました。トラネコ。
説明セリフは使わずにカメラの動きでジャスパー・パルマーのキャラを紹介しています。この手法が使いこなせるならいい腕前の監督となります。
→アルフレッド・ヒッチコック監督の『裏窓』(1954年)にてプロローグでのキャラ紹介の手法なのです。

雑談です。
ヒューマン・プロジェクトとは?
何故不妊となったのか?
これは状況説明描写のようです。

セオ・ファロンのアパートです。
出勤のセオ・ファロン。いきなり拉致されます。

アジトにて。捕まっているセオ・ファロン。
ジュリアン・ムーア扮する前セオ夫人のジュリアン・テイラーが登場。
交渉となります。
5000ポンドで通行証。これが要求です。

リムジンで移動のセオ・ファロン。
→ 2000 Bentley Arnage Red Label
街はデモ、集会。歌が流れています。

大臣のナイジェルと面会となります。食事です。
室内にはピカソの有名な『ゲルニカ』が飾られています。レプリカだと思うけど。
通行証のことを話しにもちだすセオ・ファロン。
屋外では何故か巨大ブタのオブジェが飛んでいます。音楽ネタらしいけど元ネタがわからない。

パブにて。
組織の男とキウェテル・イジョフォー扮するリーダー格のルークと打ち合わせのセオ。
同伴者必須の通行証。同伴者とはセオのことです。これは面倒です。
キウェテル・イジョフォーの演技はさすがにいい。主演のクライヴ・オーウェンに引けを取っていません。

ドッグレースのセオ・ファロン。
窓口ではなくノミ屋がいるのか。英国らしい。

英国名物の2階建てバスに乗ります。
ジュリアン・テイラーと会うセオ・ファロン。

バスを降りて歩く2人を移動して撮っているカメラ。
クルマに乗ります。クルマは普通の4ドアセダン。
→ 1998 Fiat Multipla 1a serie

乗員は合計5人。
セオ・ファロン。
ジュリアン・テイラー。
リーダー格の男ルーク。
おばさんのミリアム。
黒人女性のキー。
走行中にピンポン玉を口で飛ばして受け渡すお遊びのシーンがあります。
これは実はCGだそうです。でしょうね。あんなに上手く出来るわけがない。とても人間業には見えない。

で、走行中にいきなり襲撃されます。
襲ってくるバイクはメーカー不明なので普通にホンダCRF250か?
それとは別に映画でドゥカティはよく見るけどKTMは全然見ない。
→ KTM 250 EXC これはビックリのKTMでした。

襲ってきたのは正体不明な集団です。
撃たれるジュリアン・テイラー。致命傷です。

その後でお巡り2人に止められますが、お巡りを射殺するリーダー格の男ルーク。
これでセオ・ファロンは引くに引けなくなります。ビリー・ワイルダー監督のフィルム・ノワール『深夜の告白』(1944年)でのたとえで『特急列車と同じで途中下車は出来ない』状態となります。
ここが長回しとは見ていて気がつかなかった。こういう長回しがいいのです。

森の中で小休止のようです。
絶命しているジュリアン・テイラー。
ジュリアン・ムーアが30分も経たないうちに退場になってるのか凄い。
『サイコ』(1960年)と同じパターンです。

少し離れたとこで泣き崩れるセオ・ファロン。いい歳こいた男が泣き崩れる。これはいいシーンです。
リーダー格の男が調達したクルマで移動となります。1人減って4人となります。

トマシュの農場へと入ります。
ここまででまだ30分しか経過していない。濃過ぎる内容です。
ここは組織のアジトです。
ポーランドからの移民で娘婿らしいトマシュ。僕は戦争花嫁なのか。
→ハワード・ホークス監督のロマンティック・コメディの感想です。『僕は戦争花嫁』(1949年)
農場にある4WDはミツビシ・パジェロです。
→ 1982 Mitsubishi Shogun [L040]

乳牛の牛舎でキーと話すセオ・ファロン。
妊娠しているとキー。トゥモロー号の話しになってます。
ジュリアンはあなたに話せと言った・・・

母屋にて。
組織の面々が集まって打ち合わせとなります。
キーを迎えの船トゥモロー号まで送るか、この農場にとどまるか。
公表しろとセオ・ファロン。回り面々が固まってます。
関係ないけどセオ・ファロンの脚に猫がじゃれついています。印象に残ります。
キーはトゥモロー号の話しをしています。漁船に偽装している等・・。

BCCのニュースです。
テロ組織フィッシュのリーダーのジュリアンが射殺されると流れています。
黒人の新リーダーを演じるキウェテル・イジョフォーは熱演しています。
キーはここで生んでからプロジェクトに行くと主張して、それでいくことになります。
これがそうはいかなくなります。

夜中になってバイクの男が逃げ込んできます。
バイクのロクデナシ、パトリックが夜中に戻ってきたのです。
日本語字幕ではオートバイと出てますが英語ではファッキングモーターサイクルと言ってます。

隠れて立ち聞きのセオ・ファロン。
新リーダーのルークとパトリックの会話によると・・
リーダーだったジュリアンを片づけてフィッシュの新リーダーを選ぶとかなっています。内ゲバかい。そうなんです。新リーダーに乾杯とやっています。
理想主義者のジュリアンが煙たかったルーク。そんな感じです。内ゲバしてる場合ではないと思うが実際でもこんな感じなのでしょう。
で、セオ・ファロンは移動が済んだら殺すと言ってるルーク。

どうやらセオは片づけられる予定のようです。
そんなわけで、キー、おばさんのミリアムを連れて逃げるセオ・ファロン。
その前に他のクルマのキーや点火ケーブルを抜いています。

逃走用のクルマのエンジンがかからずに悪戦苦闘します。
→ 2002 Renault Avantime [D66]
これがまたスリル満点。クルマのエンジンがなかなかかからん。
下り坂を空走して下ったとこで押しがけをやってます。
何とかエンジンがかかって無事に逃亡となります。
実はこの判断が結構まずかったような感じ。それにしてもどこから足がついたのかがわからん。

ジャスパー・パルマーの家に入る3人。
ジャスパー・パルマーと夫人が死んでいると思わせるシーンがあります。
『白い恐怖』(1945年)でもこんなシーンがありました。
食事ですが何で箸を使っている?

ジャスパー・パルマーは収容所経由で外へ出た方がいいと手配します。
もしかしてここから足がついたのか?
セオ・ファロンとジュリアン・テイラーの話をしているジャスパー・パルマー。
息子のディランのこと。
物陰で聞いているセオ・ファロン。
迎えのトゥモロー号は漁船に偽装していると話しが出ています。
しばし寛ぎの時間となるが、追っ手が来る。アラートが鳴ります。

組織の追手達がやってきます。
ジャスパー・パルマーは残る。で、組織に惨殺されるジャスパー・パルマー。
すでに夫人と犬はジャスパー・パルマー自身で死なせていたらしい。もう自分の運命を決めていたようです。自分の命を使う時だと判断したのか、至高の行動と思えます。

逃走して廃校に入る3人。セオとキーとミリアム。
中には鹿が歩いてたりする。これはビックリ。
ミリアムの話しです。元助産婦だった・・・。
話しの進行からこの人は赤ん坊が生まれるまでは死なないと思ったが・・・

ジャスパー・パルマーの手配の通り収容所のシドがやって来ます。
迎えの収容所のクルマは装甲車もどきの変なクルマです。
→ Made for Movie on Range Rover chassis
シドから合言葉の言えと言われる図。合言葉は「ファシストのブタ」
で、マリカに会えとシド。

収容所へと。パスに乗ります。
バスでミリアムと話すセオ。
トゥモロー号の組織と連絡を取っていたのはジュリアンだけ。

ベクスリル収容所への途中にて。
バス内で産気ずくキー。これはこまった状態となります。ここは失禁したと言って何とか切り抜ける。
収容所に入るところでミリアムが捕まって退場となってしまいます。見ている方は赤ん坊はどうするんだ?となります。

ベクスヒル収容所にて。
ここは塀に囲まれた町といった感じです。
街に出るセオ・ファロンとキー。
犬を連れたマリカとコンタクトします。建物の1室に案内されます。
ここで赤ん坊を出産するキー。セオが大変なんですが何とかしてる。

翌朝シドがやって来て一騒ぎとなります。
2人にかかっている賞金に目がくらんでいるシド。で、カネになりそうな赤ん坊もいるし。
シドはフィッシュが入り込んでいると情報も持ってきます。
何だかんだで何とかシドを片づけるセオ・ファロン。素人なので大変です。
シドはマリカに棍棒でめった打ちにされています。いままでに相当恨みを買っていたようです。

逃げ出すセオ・ファロン、キーと赤ん坊。マリカ。
で、足をケガしてるセオ。もう嫌って感じ。
逃げながらマリカにボートを手配してくれと頼んでるセオ。
街中はデモと発砲騒ぎとなっています。

マリカのアパートにて。
マリカの案内で部屋へ入ります。
ここでしばしの休憩といった感じになります。赤ん坊は大事にされてます。
この辺から赤ん坊が無限へのパスポート状態になってます。
1時間後にボートを用意するとマリカの旦那に言われます。
これまでゴム草履だったセオはようやくスニーカーが手に入ります。
それはいいけど向かいのビルの屋上には兵隊がいるしアパートの下には戦車が走ってます。

街中に出るセオ・ファロン、キーと赤ん坊。マリカと旦那。
ここでよりによってパトリックに見つかってます。バイクに乗っていたチンピラがセオ・ファロンに対して逆恨みな復讐に燃えています。
キーと赤ん坊は組織に拉致されます。
マリカの旦那を遊び半分で処刑してるパトリック。そんなとこで戦闘状態になる。
この隙に逃げるセオですがキーと赤ん坊を取り返さないといけない。
必死で逃げまわるセオ・ファロン。弾丸が当たらないのは運がいいだけです。
このへんは超絶な長回し撮影になっています。

権力側は戦車まで出動させています。組織側の旗色が悪い。
そんな感じで組織側の全滅も間近なようです。
この戦闘状態の中を移動してるセオ。これは大変。

建物内を赤ん坊の泣き声を頼りに移動のセオ・ファロン。
で、セオはキーと赤ん坊を取り返す時にルークに撃たれたようです。
キーと赤ん坊を連れて3人で移動となります。
赤ん坊に手を差し伸べる一般市民の人達。
赤ん坊を見て射撃中止の兵隊達。
そんな中をフリーパス状態で移動のセオ・ファロン、キーと赤ん坊。
ここをどうやって離れると思ったら戦闘状態が再開してその隙に逃げてます。

マリカが地下水路のボートへ案内してくれます。
マリカは旦那を殺されてもまだ協力している。もうカネだけではなくなっているのか?どういう心境なんだ?
それでトゥモロー号はホントに来るのか?。迎えはまだか?状態になったらどうするの?と見ている方が心配になります。

ボートを出ます。
マリカは残る。

海上へと漕ぎ進みます。上空は戦闘機が飛び交ってます。
ボートで漕ぎ出て目印のブイへ到着します。意外と簡単に辿りついてます。
ここで実は撃たれていたセオ・ファロン。もう動けない。普通の男が全身全霊を尽くしたので悔いはないと思えます。

迎えのトゥモロー号がやって来ました。トゥモロー号は漁船を装っています。
そんな話しを前にしていました。ようやくわかった。
トゥモロー号が来たのはいいが、これからどうなることやらと思えます。

そんなこんなで唐突にエンドになっています。まあ凄いものです。
Children of Men
後タイトル。この歌は何だ?。


そんなわけで、これはまた壮絶な近未来SFサスペンス・アクションのよい作品でした。

多少のSFを見ても、この国の奇妙な現実の方がぶっ飛んでると思えます。
この国は年間30000人の自殺を放ったらかしにしておいて、何かやるのかと思えば要するに、自殺のサインを見逃すな=自殺しないように見張れとくる。奇妙な現実となっています。
いざ戦時になればすぐに統制となって、ヤンキー、チンピラ、ヤクザ等が、権力の手先 憲兵となって、いわゆる国民達を絞り上げる嫌な世の中になりそうです。傭兵気取りで冗談半分に非国民を撃ち殺すパターンが多くありそうです。


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