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2007.07.17

『ビスマルク号を撃沈せよ!』(1960年)

この作品はルイス・ギルバート監督の海戦物戦争映画です。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
この作品はガキの頃にTVで見た覚えがあってDVDがバーゲン価格だったせいもあり買って見ました。ホトンド覚えていなくて未見のようなものですが何故か英国の轟沈された戦艦の名がフッドというのだけ覚えています。後はビスマルクの艦長の上に位置する例の提督が最後まで救援が来ると信じていたというとこだけです。

1960年 ジョー・ブラボーンズ・プロ/20世紀フォックス 英国作品
原題◆Sink the Bismarck!
DVDにて。画質は非常によいです。
プロット ドイツの戦艦ビスマルクが沈む話しのようです。
音楽 クリフトン・パーカー

キャスト
ケネス・モア→英国海軍のシェパード大佐
ダナ・ウィンター→英国海軍のアン・デイビス士官
ローレンス・ネイスミス→英国海軍の軍令部長
カール・モーナー→ビスマルクのリンデマン艦長
カレル・ステパネク→ビスマルクのリュッチチェンス司令長官

ルイス・ギルバート監督の演出はよいと思います。
この監督はまあまあの腕前のようです。よくいえば職人監督です、悪く言えば凡庸な監督といったところです。

基本的に画面の右からドイツで、左からは英国とアクションの方向はそろえているようです。
船のミニチュアの出来は結構よくて不自然な感じはありませんでした。波の描写も水滴は目立ちませんでした。これはロングショットが多かったのでボロが出にくいせいもあります。モノクロにも助けられていま。カラーですとボロが出やすいのです。この作品はモノクロです。
基本的にロングはミニチュアでクローズアップはライブフィルムの流用のようです。
魚雷の軌跡は合成で描写されています。

ハンブルク 1939年2月14日に戦艦ビスマルクは進水したとニュースが流れます。ここに言われているスペックは間違いだそうです。大げさ過ぎるとのことです。

1941年の英国 ロンドンとなりタイトルがあります。この入り方がいい。鳩が翔ぶのにシンクロしてSink the Bismarck!と出ます。こういうのは好きです。

謎のドイツ軍艦2隻が大西洋にやってくるとなります。
軍艦が航行するシーンはライブフィルムと組み合わせて描写されています。ノルウェーの偵察員が海岸から双眼鏡で見て無線連絡の途中でドイツ兵のサブマシンガンで撃たれます。モールス信号の途中で撃たれる戦争映画の付き物なルーティンな描写となっています。

そんなこんなで航空機からの写真等で結局戦艦ビスマルクと巡洋艦オイゲンと判明します。偵察機でスピット・ファイアが見られます。
英国からは戦艦フッドとプリンス・オブ・ウェールズが向かいます。

ドイツも英国も海軍の制服が似ているで最初はどちら側なのかわからなかったりします。十字のバッジをつけているのがドイツなのかと見てました。ドイツ側も英語を喋っているのでわかりにくいのもあります。
ドイツの司令長官と字幕に出てて英語ではシステムコマンダーと言ってました。

英国海軍省内の作戦室?ではケネス・モア扮するのシェパード大佐が作戦をたてて指揮をとります。部下にはきびしいシェパード大佐ですという描写があります。キャラ紹介といった感じです。

船にはまだレーダーは完備していなく有視界で対処しているようです。
英国のプリンス・オブ・ウェールズはドックから出たばかりで船内にはまだ作業をしている民間人が多数いることになっています。

で、いよいよ最初の見せ場となるビスマルクが英国艦隊と対するシーンになります。
それぞれの軍艦のブリッジの背後の壁に船名のプレートが飾ってありどの船がわかりやすいようにはしています。でもあまり軍艦には詳しくない私にはよくわからん。

軍艦同士の砲撃戦があり、フッドは被弾して大爆発を起こして轟沈となります。
これは見事なシーンでした。続いてプリンス・オブ・ウェールズも被弾し大破してその場を離れて転進します。

この海戦シーンのカット割りはまあまあです。比べたくなる円谷英二が特技監督を担当した作品で年代の設定は違いますが軍艦同士の砲撃戦がある『日本海大海戦』(69年)がありますが見たことがないのでなんともいえない。
『太平洋の嵐』(60年)は見てますがこれは砲撃戦はなくて航空戦ですから参考にならない。ということでわかりません。

英国のラジオニュースではフッド轟沈を流していました。映画のみの描写かそれとも実際に放送したのかはわかりません。
これが戦中の日本の大本営ならだんまりでしょう。2007年現在の日本でも都合が悪くなるとだんまりでけど、それに加えわざわざ別の話題となるニュースを流しているようにも思えたりします。これらは全部権力側の強制ではなく全マスコミの自己規制でやらせているのが凄い。北朝鮮より状況は悪化しているのでは。

ドイツ側は海戦の後でビスマルクの艦長が修理と補給が必要ですと司令長官に進言するが聞き入れられずにそのまま航行することになります。
英国側は首相から電話が入り「ビスマルクを沈めろ」と激が飛び、他の海域での補給船団の護衛にあたっている英国中の軍艦をかき集めることになります。
この首相はチャーチルの筈ですが何故か名前を出さず画面も出ません。

英国は航空母艦から艦載機を飛ばして魚雷攻撃をしかけます。
この攻撃は波状的に何回も繰り返されます。艦載機はまだ使えるのですからいいだろうと旧式な複葉機なのが英国らしい。

ビスマルクはフランスのブレストに寄港するのでは?は予測で作戦がたてられます。

英国空母アーク・ロイヤルから発艦した艦載機が魚雷攻撃をしかけますが友軍のシェフィールドに魚雷を発射してたりします。磁気信管魚雷が上手く作動せずに投下したとたんに爆発する描写もあります。このへんは妙にディテールが凝っています。

ビスマルクは艦載機の波状攻撃で偶然に魚雷が舵に命中して動きがとれなくなりその後英国中の軍艦の集中攻撃を浴びることになります。
それでもビスマルクが砲撃で英国軍のソレントを撃沈するシーンもあります。

ある朝に決戦となり動けないビスマルクに対して集中砲撃が行われビスマルクは被弾します。砲塔を被弾して砲撃出来ず、艦橋も被弾して指揮も取れず、ビスマルクはこれまでとなり集中砲撃を受け続け徐々に沈んでいき最後に軍艦からの魚雷攻撃でとどめさされ沈没します。

英国側はもう少し早くビスマルクの沈没を判断して救援した方がいいような感じもします。それにしても動けない相手に集中攻撃とは英国軍はえげつない。資料の通りでした。

作戦室で働くアン・デイビス士官を演じるダナ・ウィンターは女優さんなのですか。名前から男かと思っていました。ダナ・アンドリュースという男優がいたからそう思い込んでいました。ダナはダイアナの通称なのか?
この作品には出るシーンがあるのか?場違いなのではと思えますが意外と出番は多い。


そんなわけで一方的な描写の普通の戦争映画で、まあまあな作品でした。
女優さんが出てるとは全く覚えていなかった。私が見ていたのは実質70分位の90分での放映だったのかもしれません。



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コメント

はじめまして。
「ビスマルク・・・」
のミニチュア特撮、あなたの紹介で観たくなりました。
CGよりもそちらのほうが大好きなのです。
これからも寄らせていただきます。

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