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2007.07.22

『赤い天使』

この作品は増村保造監督、若尾文子主演の戦争ドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1966年 大映 日本作品
地上波TXテレビ東京にて。画質はよいです。地上波放映だと全編に渡り伏せ字セリフだらけとなります。キチガイにカタワ等々。何かバカバカしい感じがします。。それならなんで非国民は伏せ字にならないの?となる。非国民と言う言葉は非人のバリエーションでしょう。ホントにバカバカしいと思えます。
プロット 戦争の極限状態でも職務を越えて尽くす話しのようです。
音楽 池野成

キャスト
若尾文子→従軍看護婦 西さくら
芦田伸介→インポの岡部軍医
川津祐介→負傷した折原一等兵
赤木蘭子→岩島婦長
池上綾子→津留崎看護婦
千波丈太郎→坂本一等兵
喜多大八→野上衛生上等兵
谷謙一→負傷兵
河島尚真→衛生兵
小山内淳→特務曹長
仲村隆→小隊長
竹里光子→看護婦A
松村若代→看護婦B
真杉美智子→看護婦C
有島圭子→看護婦D
三夏伸→兵隊
井上大吾→尖兵中隊の伍長
後藤武彦→負傷兵A
中原健→負傷兵B
荒木康夫→負傷兵C
南堂正樹→負傷兵D
志保京助→中国人ボーイ
飛田喜佐夫→患者
一条淳子→従軍婦A
甲千鶴→従軍婦B
藤野千佳子→従軍婦C
佐山真次→傷病兵
笠原玲子→新人の看護婦


増村保造監督の演出はよいと思います。
演出手法は独特のセリフ回しとしか言いようがない。
乾いている。これも増村保造の特徴です。湿っぽくならないとこがいいのだ。内容はメロドラマだけれど描写は乾いている。ハードボイルド・メロドラマともいえます。

この作品はスプラッタでホラーなドラマでもあります。
骨を切断する効果音が凄い。直接描写では見せてはいないけど結構きています。バケツに突っ込まれた切断された手足のショットも凄い。燃えないゴミ扱いなのかい。

この戦闘では負けたほうの死体は身ぐるみ剥がれます。金目の物を飲み込んでいないか腹の中まで切り裂かれて調べられています。
今回は日本軍がやられていましたが日本軍はやられっぱなしではないし。この手の噂はすぐに広まるからやり返していたでょしう。これは戦争と呼べるのか。
そういえば、本『よい戦争』によるとアメリカ軍兵隊は日本軍兵隊の死体から金歯を取ってコレクションしていたそうです。
何でこうなるんでしょうか。白人同志ではジュネーヴ条約による捕虜協定は守られていたようなのに。白人対アジア人では守られない。と言うより捕虜という認識すらない。アジア人対アジア人ではこれまた捕虜という認識はない。なんでこうなるんだ。わけわからん。

若尾文子はいつも通りでした。
若いって感じがしなくて母親的な感じなのです。
この作品に限らす若尾文子のヌードシーンは全て吹き替えです。それも吹き替えが本当によく分かる撮り方なのです。わざとそうしているのでは思えるほどです。だからかえっていいんではないかい。となる。まあこれも演出がいいからというのが大きいけど。


昭和14年=1939年が舞台。戦時における戦争映画。
東京から中国北部 天津の陸軍病院へ赴任する若尾文子扮す西さくら従軍看護婦。
ここは前線復帰を嫌がって怪我人を装っている兵隊であふれています。
あっちの方のやる気は満々なので集団で強姦される従軍看護婦 西さくら
上司に報告してもしょうがないで済まされています。それでもさすがに主犯格の兵隊は前線送りとなったようです。

深県分院へ赴任する西さくら従軍看護婦。
ここは最前線なので負傷兵が山ほど送られてきます。
治療というか作業というかそれは凄い状態となっています。負傷兵の状態を素早く判断して使えない部分をとっとと切断となっています。凄過ぎ。

芦田伸介扮する岡部軍医と知り合う西さくら従軍看護婦。
実はインポな岡部軍医。特別な関係まで至らず。

勤務交代で天津に戻る西さくら従軍看護婦。
川津祐介扮する両腕を失った折原一等兵と会います。折原一等兵の願いを全部受け入れる西さくら従軍看護婦。
満足したのか絶望したのか投身自殺する折原一等兵。何故こうなるのと納得がいかない西さくら従軍看護婦です。

深県分院へ戻る西さくら従軍看護婦。
戦況は更に悪化しています。

営林鎮部落へと移動の西さくら従軍看護婦。
岡部軍医が行くので無理やり付いて行く西さくら従軍看護婦です。
ここは最前線です。周りは敵軍だらけ。コレラ饅頭も仕込まれ。無線機も故障。少人数で孤立することになります。戦争映画の常道ですが悲惨です。
コレラ饅頭は細菌兵器の類いなのでは?ハーグ陸戦条約はどこへいったという状況になっています。

玉砕の夜に岡部軍医のインポを直して特別な関係となる西さくら従軍看護婦。私が愛しているから大丈夫といった感じです。こういうのは好きだな。

全滅となる最前線の日本軍一個小隊。
負けた日本軍の兵隊や従軍看護婦等の死体は身ぐるみ剥がれます。金目の物を飲み込んでいないか腹の中まで切り裂かれて調べられています。ジュネーヴ条約はどこへいったという状況となっています。
奇跡的に1人だけ生き残った西さくら従軍看護婦。ようやく到着した友軍に身分を名乗り戻るとこでエンドとなります。


そんなわけで負傷兵の治療というか作業はほとんどホラーな模写の凄い作品でした。これを見ると心底戦争が嫌になります。


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コメント

初めまして、名作映画ファンと申します。

>若尾文子はいつも通りでした。
>若いって感じがしなくて母親的な感じなのです。

まったく、その通りですね。
若尾文子そのものが母性のような…

たしかに、湿度の低い、増村演出が良いですね。
その点も共感しました。

また、訪問させていただきます。

名作映画ファンさん、コメントありがとうございます。

増村保造監督は湿っぽくないのがいいですね。
若尾文子も素晴らしいし、ホントにいいコンビでした。
またこのコンビの他の作品を見たくなります。

気長に感想をアップしていくつもりなので、ぜひまた訪問して下さい。

増村保造は大好きで、多分全部見ていますが、この映画は小川徹によれば、肉体と頭脳の二元論、勝新太郎と田村高広だそうです。まあ、そうですが、私は、渥美まり主演の『でんきくらげ』等の軟体動物シリーズが好きでした。
大映最後の『遊び』が最高だと思っています。
要は、彼の映画の本質は、女性の自立であり、その意味では溝口健二の影響を受けています。
最後の『エデンの園』と『この子の七つのお祝いに』は、最低でしたが。

彼は、大映の後、テレビの百恵・友和の「赤いシリーズ」の全体監修等で非常に忙しくて体を壊し、若くして死んでしまいました。

さすらい日乗さん、コメントありがとうございます。

『遊び』(1971年)は傑作なのは同意です。

私が初めて増村保造監督の作品を見たのはTV放映での『音楽』(1972年)で、これは強烈で映画って凄いんだなと感心したものです。

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