『らせん階段』(1945年)
この作品はロバート・シオドマク監督、ドロシー・マクガイア主演の障害者サスペンスです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
サスペンス映画でかなり有名なので見ました。
1945年 ドア・シャーリー・プロ/バンガード・フィルムズ/RKOラジオ・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆83分
原題◆The Spiral Staircase
プロット◆劣等感によるシリアルキラーに狙われる話しのようです。
音楽◆ロイ・ウェッブ
パーフェクTV313にて。画質はそれなりに悪い。
キャスト
ドロシー・マクガイア→唖のヒロイン ヘレン
ロンダ・フレミング→ウォーレン教授の秘書
ケント・スミス→パリー医師
ジョージ・ブレント→長男のウォーレン教授
ゴードン・オリバー→次男のスティーブ・ウォーレン
エセル・バリモア→母のウォーレン夫人
エルザ・ランチェスター→女中のオーティス夫人
サラ・オールグッド→ナースのベイカー
ロバート・シオドマク監督の演出はよいと思います。
デビッド・O・セルズニック製作作品。同じ年にアルフレッド・ヒッチコック監督の『白い恐怖』(1945年)も製作してます。
本編では手回し映写機によるサイレント映画を見てました。馬車が通り。ガス灯が点く。1910年代の話しのようです。
ロバート・シオドマク監督の売りは影の使い方で、かなりな描写でした。ロウソクの影がいい。
シリアルキラーの眼のクローズアップショットがありました。その眼に映る被害者達。
何故か意味不明な溶暗があった。これは単なる巻の切り換え?
ロンダ・フレミング扮する秘書をはさんで何やかんやとメロドラマな設定をちゃんと入れてます。これを入れないで客が来るのかといった感じです。ハリウッドって面白いとこです。
この話しは元々舞台劇なのかもしれません。ホトンドが館の中で話は進行してます。
落ちはファザコンのバリエーションでした。これは怖い。
自分に合わないことを強要されてシリアルキラーに至るわけです。亡き父から強い男になれと言われ続け、そうはなれないとわかると自分より弱い者を殺すようになる。これはリアルでした。
同じような設定でロバート・アルドリッチ監督の戦争映画『攻撃』(1956年)でもエディ・アルバート扮する軍人が同じコンプレックスから多くの部下を犬死にさせるキャラを演じてました。これも凄かったものです。
脚本がかなりよく出来てると思います。
当時流行っていたニューロティック・スリラーです。
伏線がわかりやすいこと。
医者がヒロインが口が聞けなった状況をくり返すのはくどいのではなくて見てる観客に説明してるんだ思います。ここは大抵は回想になるんですがそうはならず。コストダウン?と思えました。
結末も予定調和と言ったら失礼かもしれないがそんな感じでした。悪くない。
柵に棒を当てながら歩くシーン。カンカンと音をします。これはよくあるシーンでいい感じ。
知恵遅れをsinple mindと言ってます。怖いくらい、いい得て妙です。英語のよいとこなのか悪いとこなのか微妙なとこです。
そんなわけでヒロインのドロシー・マクガイアも魅力的ないい作品でした。ラストがよかった。
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