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2007.06.19

『青い戦慄』(1946年)

この作品はジョージ・マーシャル監督、アラン・ラッド、ベロニカ・レイク主演のフィルム・ノワールです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1940年代のフィルム・ノワール物でアラン・ラッドとベロニカ・レイク主演ということで見ました。

1946年 ジョージ・マーシャル・プロ/パラマウント アメリカ作品
原題◆The Blue Dahlia
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
プロット 殺人事件に巻き込まれる話のようです。

キャスト
アラン・ラッド→ 元軍人のジョニー・モリソン
ベロニカ・レイク→ヒロインのジョイス・ハーウッド
ウイリアム・ベンディックス→ジョニーの部下バズ
ヒュー・ビューモント→ジョニーの部下ジョージ
ドリス・ドーリング→ジョニーの奥さんヘレン
ハワード・ダ・シルバ→ブルーダリアのエディ・ハーウッド
ドン・コステロ→ブルーダリアのマネージャー、レオ
ウィル・ライト→ホテル付きの探偵ニューウェル
トム・パワーズ→ヘンドリクソン警部
ハワード・フリーマン→安ホテルのコレリ

ジョージ・マーシャル監督の演出はまあまあだと思います。
特に変わったとこはありません。ごく普通の出来となっています。

アルフレッド・ヒッチコック監督の『見知らぬ乗客』(51年)や、ビリー・ワイルダー監督の『深夜の告白』(44年)の脚本では上手くいかなかったハードボイルド作家レイモンド・チャンドラーのオリジナル脚本です。
主役2人のとりとめのない会話が延々と続きます。これがレイモンド・チャンドラーのスタイルのようです。

とりとめのないといえば『大いなる眠り』の映画化『三つ数えろ』(46年)も同じなのですが話しよりハワード・ホークス監督の見た目の面白さに徹した演出で出来がよかったたします。主演のスター2人、ハンフリー・ボガート、ローレン・バコールのおかげもあって『青い戦慄』より『三つ数えろ』の方が有名です。

始まってハリウッド行きのバスが到着して3人の男が登場します。
アラン・ランドに戦争中の部下だった2人です。アラン・ラッドは2人と別れて奥さんに会いに行きます。
奥さんはパーティー三昧でブルーダリアのオーナー、エディ・ハーウッドといい仲になっています。これもあるけど口論となります。

それで27分頃にベロニカ・レイク登場。偶然にアラン・ラッドを雨の夜にクルマに乗せることになります。
朝になると口論して別れた奥さんヘレンが殺されていた。当然旦那のアラン・ランドは疑われることになります。
ホテル付きの探偵はヘレンと関係していた容疑者エディ・ハーウッドをゆすりに行く。

そんなこんなでラストに意外な犯人となります。
人の出入りが多くて怪しい人間が山ほど出ていて伏線もないので、これでは犯人は誰にもわかりません。まあいいけど。

アラン・ラッド扮する元軍人のジョニー・モリソンは戦争では爆撃機B24に搭乗していたとなっています。
背の高さと合わせているわけではないと思えますが低い声でした。
アクションも適当にこなしていました。当時としては結構激しいアクション描写だと思えます。

ベロニカ・レイクはこの作品では1940年代のフィルムノワール物によくあるファムファタールというわけではなく普通の奥さんの役でした。クールではなくて意外と可愛く撮れています。黒のヘアバンドに黒い服がいいです。
ベロニカ・レイクは小柄です。アラン・ラッドと並んでも低い位です。まあこれは背の高くないことで有名なアラン・ラッドが見えないとこで台に乗っているかもしれませんが。
ベロニカ・レイクのキャリアは本当に1940年代のみのようです。これはまた潔いというか不器用というか凄いものです。

ウイリアム・ベンディックス扮する戦争中はジョニー・モリソンの部下バズは負傷して頭に金属片が入ってて物忘れが激しく何かの拍子に発作を起こすキャラです。
他の作品でもウイリアム・ベンディックスはこのようなキャラばかりではないですか。『救命艇』(44年)でもそんなキャラでした。
ということは『探偵物語』(51年)のような普通の刑事は珍しいようです。

ホテル付きの探偵ニューウェルは出番が多い。この爺さん探偵は調べるだけではなくゆすりをやっていたりと奮闘していました。
ギャング達に殴打用の凶器ブラックジャックが多用されていました。大藪春彦の小説でおなじみでした。


そんなわけで標準的フィルム・ノワール物のよい作品でした。



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