『パプリカ』(2006年)
この作品は筒井康隆原作、今敏監督の夢を扱ったSFアクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
筒井康隆原作、今敏監督の新作ということで見ました。筒井康隆の原作は読んだことがあるけどホトンド忘れています。
2006年 マッドハウス/ソニー・ピクチャーズ 日本作品
ランニング・タイム◆90分
プロット◆謎の悪夢を追う話しのようです。
音楽 ◆平沢進 素晴らしいスコアです。歌もいい。
ソニー・ピクチャーズ発売のDVD通常版にて。画質は非常によいです。ドルビーデジタル5.1chは無難な出来になっています。
キャスト→VC
夢のセラピスト パプリカ/千葉敦子研究員→林原めぐみ
島寅太郎所長→堀勝之祐
天才肌の太った研究員 時田浩作→古谷徹
粉川利美警部→大塚明夫
乾精次郎理事長→江守徹
理事長の子分 小山内守雄研究員→山寺宏一
粉川利美警部の友人 あいつ→田中秀幸
市松人形→こおろぎさとみ
犯人?の研究員 氷室啓啓→阪口大助
気が狂った研究員 津村保志→岩田光央
気が狂った研究員 柿本信枝→愛河里花子
レポーター→太田真一郎
奇術師→ふくまつ進紗
ウェイトレス→川瀬晶子
アナウンス→泉久実子
研究員→勝杏里
所員→宮下栄治
ピエロ→三戸耕三
玖珂→筒井康隆(特別出演)
陣内→今敏(特別出演)
今敏監督の演出はよいと思います。
絵はきれいです。これは凄い。見ているだけでいいものです。
以前はアニメが苦手としていたモブ・シーンはもう何でもなくなったようですが、カネと手間は相当かかっているようですけど。
ヒロインのVCは林原めぐみより田中敦子の方が合っているではと思ったが、そうなったら丸っきり押井守監督作品のようになってしまうので無理なようです。
押井守監督作品ではお馴染な大塚明夫や山寺宏一や堀勝之祐が出ているけど。
古谷徹はいつまでたっても上手いとは思えん。未だにイメージは星飛雄馬のままです。「く、く、く・・・」といった感じの苦悩=耐える演技ばかり。九九は八十一でしょうと突っ込みたくなります。
プロローグ。
ピエロです。サーカスにて。
ある男を追っています。捕物のようです。
粉川警部とパブリカ。
列車内アクションは『007 ロシアより愛をこめて』(1963年)のようです。
ギターで殴ったのをカメラマンがもう1回というのはウィリアム・ワイラー監督の『ローマの休日』(1953年)のようです。
ターザン映画は見たことがないので元ネタがわからん。それにこのシーンだけでは見ててもわからん。
続きは?・・・で粉川警部とパブリカが眠りから覚めます。
DCミニについて。
レム睡眠とはと・・・
タイトル。
本編内にクレジットを書き込んである凝ったタイトルです。
ベスパに乗っているパプリカ。
グリーンのスポーツタイプのクルマに乗っている千葉敦子研究員。
と交代となっています。
スクーターはベスパはもうやめて日本のメーカーのスクーターにして下さい。
自分が乗ってるからではないけがヤマハのマジェスティでいいと思うけど。日本のメーカーが特定してしまうとまずいか?そこまで広告代理店の電通に気を使ってどうする?
グリーンのクルマはなんでしょう。3ドア スポーツタイプ。
研究所にて。
エレベーターでスタックしている太った研究員 時田浩作が登場。引っ張り出す千葉敦子研究員。
時田浩作からDCミニが3個盗まれたと知らされます。
島寅太郎所長で話しをしつつ、3人で乾精次郎理事長に報告をします。
この乾精次郎理事長は最初から怪しくてわかりやすい話しのようです。何となくりんたろう監督の『カムイの剣』(1985年)での悪役 天海に似ています。
そんなとこで何だかおかしくなっている島寅太郎所長。やられたらしい。喋っている無意味な言葉の節回しは都々逸なの?
調査する千葉敦子と時田浩作。
犯人では?と研究員の氷室啓の名が出てきます。誰ですか?とさっばりわからん。
若い男 小山内守雄研究員も登場。唐突に出てきます。
千葉敦子と時田浩作と小山内守雄の3人で氷室啓のアパートに入ります。
家捜しをして秘密の入り口に入る千葉敦子。
そこは遊園地です。市松人形がいます。これは夢で危うくアパートのベランダから飛び降りるとこだった千葉敦子です。
レストランにて。
相談の千葉敦子と時田浩作と小山内守雄の3人。
ひたすら喰う時田浩作。
研究所にて。
島寅太郎所長の夢は悪化しています。治療するパプリカ。
正気に戻った島寅太郎所長。
パプリカと話しのする千葉敦子。
警察にて。粉川警部。
ネットの世界へと入ります。バー ラジオクラブでパプリカと会います。
バーテン2人のVCが監督と原作の人なのか。
映画館街へ、映画は嫌いだと粉川警部。これは伏線でした。
この映画館街は浅草のようです。
研究所にて。
また異常者が2人出ます。普通の研究員の男女。
この件でDCミニの開発は中止だと乾精次郎理事長。
ロボットドリームランドへと千葉敦子と時田浩作。
階段に市松人形がいます。
犯人だと思われる氷室啓が落ちてきます。死んではいない。
研究所にて。
粉川警部、島寅太郎所長、時田浩作、遅れて千葉敦子。
この件について。
粉川警部はパプリカとは会っているけど千葉敦子とは初対面。
クルマで移動中の粉川警部。
めまいだか発作をおこしています。
研究所にて。
氷室啓の夢に入ろうとする千葉敦子。
DCミニはあと2つ。
時田浩作の私室にて。
千葉敦子と時田浩作。
氷室啓についての話から口論となっています。
ここはもう少しロマンティック・コメディのようなマシンガントークになっていればもっとよかった。VC古谷徹では無理か。
→ロマンティック・コメディのマシンガントークとはどんなのかと知りたければハワード・ホークス監督の『ヒズ・ガール・フライデー』(1940年)を見ればこんなのかとわかります。
粉川警部の夢に入るパプリカ。
サーカス等の繰り返しとなります。
エレベーターにて。17階はダメと粉川警部。
17階は担当中の殺人現場でした。
時田浩作は氷室啓の夢に入ります。
パレードです。
夢ではブリキのロボット玩具になってる時田浩作です。
実は映画好きな粉川警部の夢です。
ここに時田浩作が出てきますがおかしくなっています。
研究所にて。
千葉敦子と島寅太郎所長。
時田浩作と氷室啓 2人の夢にダイブするパプリカ。これはいいシーンです。
モニタしている島寅太郎所長。
パレードです。
何となく押井守監督の『イノセンス』(2004年)が入ってるような。
薄暗い路地へ入るパプリカ。時田浩作人形がいっぱいあります。
妖精となるパプリカ。
夢の内部深くに入ります。
危ないとこで眠りから覚める千葉敦子。
クルマで移動中の千葉敦子と島寅太郎所長。
これは氷室啓の夢ではないとなります。
乾精次郎理事長にて。
温室の乾精次郎理事長。これはハワード・ホークス監督の『三つ数えろ』(1946年)ではないか。いいじゃん。
実は乾精次郎理事長が黒幕で手下は小山内守雄研究員でした。
これも夢?
盗まれたDCミニの残りは2つ。これで乾精次郎理事長と小山内守雄研究員は夢に入り込むことが出来るようです。
逃げるパプリカ。
スフィンクス→人魚→パレードでのピノキオ→孫悟空となるパプリカ。
いつのまにか捕まって標本状態のパプリカ。
これはウィリアム・ワイラー監督の『コレクター』(1965年)のようです。そのままではないのがいい。
小山内守雄研究員がパプリカに迫ります。
ネットの世界でのバーにて。
待っている粉川警部。パプリカは来ない。
バーテン2人と映画の話をしています。もう1人の俺だった・・・
17歳の頃、自主映画を撮っていた。
刑事は犯人に扮しての追っかけのみ。フラッシュバックも使っていたと。
粉川警部の友人のあいつとは?
パプリカの股間から手を入れてお腹をかき回して顔に抜け変装を剥がす小山内守雄研究員です。パプリカの変装を剥がされて全裸の千葉敦子。ここはかなりエッチでいい感じ。R指定になってしまうのではと余計な心配をする。
これからというとこで乾精次郎理事長が乱入してきて小山内守雄研究員と痴話げんかのようなことを始めます。
「私がいるのに女になんか手をだして・・」(かなり意訳)といった感じです。
モニタしている筈の島寅太郎所長は寝ています。夢を見ているか?
目が覚めるとモニタしてる夢に粉川警部がいたりします。とりあえず千葉敦子救出と逃走を指示する島寅太郎所長。
そんな感じで痴話げんかの隙に違う夢から入り込んだ粉川警部が全裸の千葉敦子救出となります。
何だかんだで夢から覚める千葉敦子です。
夢では粉川警部に撃たれた小山内守雄研究員は消えます。
巨大市松人形が研究所に迫ります。
現実と夢が交錯しているのか?
パレードです。これは現実なのか?
このパレードには夢の世界での定番アイテム ピンクの像が出てたりします。これはいいな。→ダシール・ハメットのハードボイルド小説『マルタの鷹』で主人公の探偵サム・スペイドがない物のたとえ話でピンクならぬ紫色の像のことを言ってます。→参考で映画の感想『マルタの鷹』(1941年)
千葉敦子が存在しているのにパプリカも同時に出てきます。
色々と口論している千葉敦子とパプリカです。
巨大ロボット玩具になってる時田浩作を助けに向かう千葉敦子。
それを確認したパプリカは島寅太郎所長と移動となります。どこへ?
巨大ロボット玩具になってる時田浩作と巨大千葉敦子。
これはいいシーンです。TVシリーズ『ウルトラマン』(1966年)の『禁じられた言葉』での巨大フジ隊員のようでいい感じ。
街に巨大な穴が空いています。
黒塗りの巨大乾精次郎理事長が出現します。
巨大乾精次郎理事長対巨大な赤ん坊となります。
夢を飲み込む女の子のパプリカ。ではなく千葉敦子?
何だかんだで収まったようです。意外とわかりやすい展開とオチでした。
エピローグ。
目が覚めた時田浩作と千葉敦子。
島寅太郎所長と粉川警部。許される粉川警部。
バー ラジオクラブにアクセスする粉川警部。メッセージがあります。
映画『夢見る子供たち』を見に行く粉川警部。
エンドとなります。
これは傑作。私は新作の日本映画はアニメしか見る気になりません。
そんなわけで夢を扱ったよい作品でした。
夢を扱った作品となると・・・
マルセル・カルネ監督の『愛人ジュリエット』(1950年)
ルネ・クレール監督の『夜ごとの美女』(1952年)
押井守監督の『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984年)等があります。
どの作品もまた見たくなります。
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