『上海から来た女』(1947年)
この作品はオーソン・ウェルズ監督/主演、リタ・ヘイワース共演のフィルム・ノワールです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
有名なフィルム・ノワールなので見ました。もしダメだったらリタ・ヘイワースだけを見ていましょう。
1947年 コロンビア・ピクチャーズ アメリカ作品
原題◆The Lady from Shanghai
スカイパーフェクTV312にて。画質はそれなりに悪い。
プロット 気がついたら犯罪に巻き込まれていたという話しのようです。
音楽 Heinz Roemheld
キャスト
リタ・ヘイワース→バクスター夫人のエルザ
オーソン・ウェルズ→船員のマイケル・オハラ
エベレット・スローン→弁護士のアーサー・バクスター
グレン・アンダース→弁護士のジョージ・グリスビー
テッド・デコシア→バクスターの執事ブルーム
ガス・シリング→船員仲間のゴールディ
ルイス・メリル→船員仲間のジェイク
カール・フランク→地方検事のギャロウェイ
オーソン・ウェルズ監督の演出はまあまあだと思います。
タイトル名にある上海のシーンはありません。セットもロケもありません。
予想が外れました。
会話シーンの切り返しはやっていません。
オーソン・ウェルズは映画会社側ともめて監督家業がスポイルされていたとのことですが、その程度で作品の出来が悪くなるのはそもそも監督としての能力がないのでは?と思えたりします。能力があればマイナスをプラスに転化して作品の出来がよくなるはずです。
N.Y.にて、オーソン・ウェルズのナレーションで始まります。フィルム・ノワールになっています。
馬車で散歩中のリタ・ヘイワース扮するエルザと知り合います。この作品のヘイワースは金髪でショートヘアです。違和感がありすぎです。
チンピラ達に絡まれているエルザをオーソン・ウェルズ扮する船員のマイケル・オハラがカッコよく助けます。
船員の斡旋所にて。
エベレット・スローン扮する弁護士のアーサー・バクスターがやって来てオハラを呼び出します。そんなこんなでオハラは船員仲間のジェイクと一緒にバクスターの豪華ヨットの船員に雇われることになります。
豪華ヨットでカリブ海巡りとなっています。フィルム・ノワールにしては船のシーンがやたらと長かったりします。まあいいけど。
小型ボートに乗って白い服の男、グレン・アンダース扮する弁護士のジョージ・グリスビーがヨットにやってきます。意味深なことを言います。執事は実は探偵だとか。
弁護士のバクスターは夫人のエルザがオハラといい仲なのかもしれないと疑っていたりします。
ヨットのシーンが結構長いのでこの作品はヨットでカリブ海巡りをする話しかと思ってしまいました。
オハラは弁護士のジョージ・グリスビーから自分を殺してくれたら5000ドルを払うと依頼をされます。さてどうすると話しは進みます。
ヨットは10ヶ月かけて東海岸のS.F.に着きます。そういえばパナマ運河を通るとかセリフがあった。
パナマ運河通過のシーンはありません。これは見たかったような。
弁護士のジョージ・グリスビーから自分の告白書にサインをしてくれとなりサインするオハラ。
その後で水族館でエルザと駆け落ちの相談をするオハラ。この水族館のシーンは有名です。
一方ではブルームに強請られるグリスビーはブルームを撃ちます。なんだかんだとよくわからない話しとなっています。よくわからない話しというのはフィルム・ノワールにはありがちですけど。
結局オハラがグリスビー殺しの犯人となり、被告オハラの裁判のシーンとなります。
地方検事役の俳優さんが熱演していました。オハラの弁護をするパクスターと熱演合戦となっています。こういうのを描写バランスがとれていないといいます。
オハラは裁判所から逃走します。
中国の京劇?の劇場に逃げ込み、エルザの連絡で来た中国人リーとその手下に捕らえられて休園中の遊園地へと運ばれます。
遊園地のクレイジーハウスの滑り台を滑り落ちるとミラーハウスへと至ります。
ここで有名な鏡のシーンとなります。鏡の効果だけではなく合成も多用しています。これは意外でした
突然悪女になるエルザのキャラと合わせてこのミラーハウスのとこは変なシーンです。
正直言ってオーソン・ウェルズはファムファタールに迷わされる主人公にはミスキャストだと思われます。どちらかといえばオーソン・ウェルズははだます方のキャラが合ってます。
まわりのキャラをエキセントリックにしてオーソン・ウェルズを被害者のように見せるようにしてバランスを取っているように思えますがあまり効果は上がっていないような感じ。
ヨットにてリタ・ヘイワースは歌を披露しています。多分吹替?
ブロンドでショートヘアのリタ・ヘイワースですが随分と印象が変わります。まあまあのヒロインぶりでした。
そんなわけで有名だけど普通のフィルム・ノワールのまあまあな作品でした。
« 『青い戦慄』(1946年) | トップページ | 『フォーン・ブース』(2002年) »
「映画」カテゴリの記事
- 『彼らは忘れない』(1937年)(2022.02.27)
- 『ギャングを狙う男』(1953年)(2022.02.26)
- 『ブラック・リッジ』(2020年)(2022.02.20)
- 『フローズン・ストーム』(2020年)(2022.02.19)
- 『私は逃亡者』(1947年)(2022.02.13)
「1940年代」カテゴリの記事
- 『私は逃亡者』(1947年)(2022.02.13)
- 『生きてる死骸』(1941年)(2022.01.30)
- 『いのち短かし』(1947年)(2022.01.29)
- 『Gメン対間諜』(1945年)(2022.01.16)
- 『密輸空路』(1946年)(2022.01.15)
コメント