『ギルダ』(1944年)
この作品はチャールズ・ヴィダー監督、リタ・ヘイワース、グレン・フォード主演のフィルム・ノワールのようなメロドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
リタ・ヘイワースが出てるので見ました。有名な手袋を脱ぐダンスのシーンがお目当てです。それ以外はあまり期待せずに見ました。
1946年 コロンビア・ピクチャーズ アメリカ作品
原題◆Gilda
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
プロット 結局は仲直りする話しのようです。
キャスト
リタ・ヘイワース→アメリカから来た女ギルダ
グレン・フォード→アメリカから来た男ファレル
ジョージ・マクレディ→カジノオーナーのマンスン
ジョセフ・カレイア→正体不明の男オブルマン
スティーブン・ゲレイ→カジノの執事ピオ
ジョー・ソウヤー→用心棒のケイシー
ロバート・E・スコット→若いツバメのゲイブ
ローザ・レイ→小間使いのマリア
ジェラルド・ムーア→デルガドという名で出ているらしい。
チャールズ・ヴィダー監督の演出はよいと思います。この当時の職人監督という印象があります。ですが、あまり上手いほうではないと思っていました。
グレン・フォードのナレーションで話しは進行します。フィルム・ノワール調になっていますが話しの方は普通のメロドラマです。
アルゼンチンが舞台になっていますがロケではなく全編セットのハリウッド製のアルゼンチンです。
細かいエピソードをつなげていく脚本は上手い感じです。こういうとこは昔の作品の方が上手いようです。
グレン・フォードはいかさまで儲けた金を強盗されそうになったとこをジョージ・マクレディに助けられてカジノに世話になることになります。このへんはあっという間に進みます。
音楽があまり流れていない。これはリタ・ヘイワースの歌を目立たす方法なのか。
リタ・ヘイワースの登場はなんというか面白いものです。スターの特権か、さあお待たせしました出ますよといった感じです。
会話シーンでの切り返しはやっていません。ヘイワースを見せるのが最優先で作られているようです。
ショルダーレスのドレスが2態。グレイと黒のようです。黒は分かるけどグレイはどうだかわからん。
お目当ての歌のシーンですがおそらく吹き替えでしょう。
有名な黒いショルダーレスのドレスで歌って手袋を脱ぐシーンはラストにようやく登場です。ロングの手袋を片方だけ脱いだスタイルはなかなかいいものです。アンバランスな感じがいいのです。
ジョージ・マクレディの妻として登場したリタ・ヘイワース、実はグレン・フォードとは深い仲だったという設定です。
ダンスをした男に電話番号を教えるヘイワース。なるほど昔からそうなっているのか。
カジノ内で発砲するシーンがありました。ここは『カサブランカ』(42年)調のようです。
仮面舞踏会があります。
ここから話しが急転してジョージ・マクレディは死んだことになり2人は結婚してしまいます。それで、めでたく結婚したのにグレン・フォードはリタ・ヘイワースを家に閉じこめたも同然の仕打ちをしてヘイワースはそれでも出歩くとなっています。訳はわかりませんがそんなものでしょうと見ていました。
で、ラストになったら何の伏線もなくお互いに悪かったと謝りあっていました。これはもしかしたら脚本の1番悪い例なのでは。こまったものです。
まあこの作品はリタ・ヘイワースを見せるのが最優先なのでそんなものでしょう。突然ジョージ・マクレディが戻ってきた一波乱があったりと少しひねってありましたし。
グレン・フォードは無難にリタ・ヘイワースの相手役を務めていました。まあ誰でもいい役ですけど。
ジョージ・マクレディ扮するカジノオーナーのマンスンですがステッキに仕込みがあって先からナイフが飛び出します。タングステンのカルテルが関係している設定。
ジョージ・マクレディとジェラルド・ムーアは『探偵物語』(51年)に出ています。
そんなわけで、これはフィルム・ノワールではなくメロドラマでリタ・ヘイワースのスター映画のまあまあな作品でした。
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