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2007.06.30

『悲恋』

この作品はジャン・コクトーの脚本、ジャン・ドラノワ監督、ジャン・マレー、マドレーヌ・ソローニュ主演のトリスタンとイゾルデ物のメロドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
少し見てよかったので見ました。この邦題からすると安いメロドラマかと思えて見る気がしませんでしたが実際に見るとよいとわかりました。紹介によると話しは『トリスタンとイゾルデ』からとなっていますが、『トリスタンとイゾルデ』って何ですか?という状態の私です。

1943年 フランス作品
原題◆L'Eternel Retour
プロット わけあって死に至る2人の話しのようです。
スカイパーフェクTV260シネフィル・イマジカにて。画質は悪いです。

キャスト
ジャン・マレー→トリスタンのパトリス
マドレーヌ・ソローニュ→イゾルデでブロンドのナタリー
イボンヌ・ド・ブレー→アシールの母ゲートレード
ジュニー・アストル→ブルネットのナタリー
ローランド・トーテイン→ブルネットの兄リオネル
アレキサンドル・リグノールト→酔っ払いのモロ
ジャンヌ・マルカン→ブロンドの育ての親アンヌ

ジャン・ドラノワ監督の演出はよいと思います。
私でも知っている有名な芸術家ジャン・コクトーの脚本です。どの方面の芸術なのかはよく知りませんけど。芸術家にしては珍しく映画に結構熱心な人という印象があります。
ジャン・コクトーとジャン・マレーはゲイの仲とどこかで読んだ覚えがあります。つまらないゴシップは知っていたりします。

微妙に斜めの構図を多用しています。これ以上斜めにすると不自然にあざとくなる手前の微妙なとこでした。
昔の話しですが時代設定は現代になっています。

同じ城に住んでいる親類のジャン・マレー扮するパトリスと小人のアシールは仲が悪い。対比のようですもあります。これはジャン・コクトーの趣味?差別しているようで差別していないようなこの2人の関係も興味深いものです。
夕食にてカメラが一周してこの城に住んでいる人達の紹介をしていました。
で、パトリスは城主の叔父の花嫁を捜しに城から領地の島へと行きます。

ジャン・マレー→24才のパトリス
マドレーヌ・ソローニュ→22才のナタリー
ニットにスカートで登場のマドレーヌ・ソローニュがいいので見たようなものです。クールビューティーといった感じでした。いいな。

叔父と結婚したブロンドのナタリー。
ここからナタリーとパトリスの逢う現場を押さえるのだと小人の居候一家が見張るという設定。悪役はこの一家が引き受けています。

小人さんが出ずっぱりでした。パトリスを陥れようと色々とやってくれます。
毒とビンに表示しているが実はほれ薬の薬草酒を2人に飲ませたのも小人です。殺そうとして経過はともかく結局その通りになります。
飲んでしまったのねとヒロインだけが気付いているらしい設定になっていました。
描写バランスは意地が悪いようでそうではなく、趣味が悪いようでもそうではない。これがエスプリというものか。

2人は逢瀬のとこを見つかってクルマで逃げ去り、山小屋に入りますが叔父がやってきてヒロインを連れ戻します。何か唐突な感じでしかもお供も連れずに1人で叔父は来たりしています。これは象徴的に描写しているからだと思われます。

その後パトリスは知り合いのクルマ屋に世話になります。その妹のブルネットのナタリーと知り合います
そんな感じで普通の心中物かと思って見ていたら結構話しの展開は凝っていました。

酔っ払いのモロの顛末もなかなかの物。
主役ではないので映像はなく話しだけで酒場の常連によると、あいつは乱暴者だけど一目置いていた。みんなあいつを見に酒場に来ていた。あいつが海で溺れていた時は誰も助けなかった。次の日はみんな悲しんだ。となっていました。
これがエスプリというものか。『トリスタンとイゾルデ』の勇猛な騎士が酔っ払いの乱暴者になるのもなかなかアイロニーが効いてます。

インターネットで『トリスタンとイゾルデ』を調べたらこの有名らしい話しをかなり忠実に映画に置き換えられているとわかりました。
2人のナタリー。
ナタリーが来たら白いスカーフを上げてくれ。
等々、これは上手いです。脚本のジャン・コクトー、才能のある人はいるものだと感心します。

こういう終わり方なのですか。思わずもらい泣きしました。
そんなわけでメロドラマのよい作品でした。



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コメント

はじめまして。悲恋は素晴らしい映画ですね。
拙ブログでも裏話を含めたエピソードを紹介していますので、おひまなら遊びに来てください。
トラバも大歓迎です。

Mizumizuさん、コメントありがとうございます。

Mizumizuさんのブログを拝見しました。
ジャン・コクトーとジャン・マレーが特別な関係というのは有名なので私も知っていましたが,こういう感じだったのですか。実に興味深く読ませてもらいました。。
ジャンコクトーの手紙が大量に残されているとのことですが、現在なら携帯電話がつながりっぱなしとなるのかな?と思えました。


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