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2007.05.01

『ウィッチブレイド 闇の女戦士』(2000年)

この作品はラルフ・ヘメッカー監督、ヤンシー・バトラー主演のSFアクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
ヤンシー・バトラーが出てるSFアクションということで見ました。この監督の作品も以前に1本見ていました。→『ブレード・スクワッド』(1998年)、下手ではない監督です。

2000年 トップ・カウ・プロ/TNT/ワーナー アメリカ作品のTVムービーです。TVシリーズにしたいためのパイロット版のようです。
ランニング・タイム◆95分
原題◆Witchblade
プロット◆秘密のアイテムに気に入られる話しのようです。
音楽◆Joel Goldsmith
スカイパーフェクTV315スターチャンネルにて。画質はよいです。

キャスト
ヤンシー・バトラー→サラ・ペジーニ刑事
ウィル・ユン・リー→相棒のダニー・ウー刑事
デビッド・チョカチ→次の相棒のジェイク
ケネス・ウェルシュ→上司のジョー
ジョージ・ジェネスキー→組織のボス、ギャロ
アンソニー・シスタロ→社長のケネス・アイアンズ
エリック・エテバリ→社長の部下?イアン
ホイットニー・ウエストウッド→殺されたマリア

ラルフ・ヘメッカー監督の演出はよいと思います。
N.Y.が舞台となっています。2000年製作のこの作品ではTDCビルはしっかりと映っていました。
伝説の剣“ウィッチブレイド"はジャンヌ・ダルクの遺品というわけではなくて他にも色々な女性がいたことになっているようです。

ヒロインを熱演するヤンシー・バトラーはダンス映画の『スィート・ダンス』(1995年)でダンスもこなしていたからアクションもそんなに悪くはないと思って見てました。もちろんスタントはありますが、そのスタントとの落差はありますがまあまあの動きのようです。走る姿があるから、それだけでいいです。
ダンスが出来る女優さんはアクションも出来るのです。

サラ・ペジーニ刑事の相棒のダニー・ウー刑事はアジア系です。
敵方にもアジア系がいました。白人だけど女性で、男性だけどアジア系のコンビでは、白人男性の犯罪者や証言者になめられています。妙なとこがリアルです。

白人の相棒もいます。アジア系のダニー・ウー刑事が殉職した後に相棒に立候補していました。この白人刑事は元サーファーチャンピオンでTVアニメが好きという設定。ルックスはサーファー系でした。それにしても見ていたのは何のTVアニメ?

組織のボス、ギャロに殺されたマリアはヒロインの親友とのこと。その前には父親もギャロに殺されています。
サラ・ペジーニ刑事を伝説の剣“ウィッチブレイド"に導くべきストークするニット帽にヒゲの男イアン。意味ありげなキャラで後はTVシリーズでといった感じでした。
悪役のジョージ・ジェネスキー扮する組織のボス、ギャロは大熱演でヒロインを喰いそうでした。もう少しで誰が主人公だと違う話しとなるとこで危ないとこでした。
このへんが映画のむずかしいとこです。

バイクで出勤のサラ・ペジーニ刑事。
運転の吹き替えはみえみえですがまあいいです。このバイクはビューエルですか?。何で日本のバイクではない。昔はともかく今では映画でバイクといったらカワサキでしょう。私が乗ってるバイクはヤマハですけど。
映画でのバイクの撮り方は結構むずかしそう。下手に撮るとバイクがかわいそうです。発進加速を短いショットをつないで見せていた『孤男寡女 Needing You』(2000年)でのバイクの撮り方はよかったものです。

それにしてもCGは凄い。現代の魔法です。
後から色々と追加出来るようになったので低予算物が市街地ロケに出たら何も起こらないというのがなくなったようです。このメリットは大きいと思います。

合成も多用していました。ここも撮影技術が進んでいます。合成しても全く違和感がなくなっています。
粗末な撮影技術で一発勝負の合成となり、出来上がりは勘と運で決まり,やり直しは出来ない。こんな条件でやっていた円谷英二特技監督が、これなら何でも出来ると羨ましくて化けて出てきそうです。

ヒロインとコマ落としの背景の市街地を合成していました。これは面白い描写です。
ヒロインの顔のクローズアップと奥に見える悪役を画面の左右で並べていました。これはブライアン・デ・パルマ監督がよく使う手法なのです。

ギャロの手下を追って美術館で撃ち合いとなるとこで、サラ・ペジーニ刑事がウィッチブレイドとコンタクトします。
弾丸がスローで見えるのは今流行りのわかりやすい描写でした。
アクションが終わったらその肘まで覆っていたウィッチブレイドの鎧の手の部分が普通のブレスレットになるのはご都合主義でいいです。
このブレスレットをしているとサイコメトリーの能力も発揮出来るようです。殺されたマリアの写真を見ながら犯罪現場を見るサラ・ペジーニ刑事。

手がかりを求めてクラブに行くサラ・ペジーニ刑事。
ここで何故か『原子怪獣現わる』(1953年)の映像が少し入ります。この作品とはあまり関係があるとは思えないので何で?となります。

クライマックスの地下鉄ホームでのアクション。『マトリックス』(1999年)風なのはまあいいのでは?、悪くはないです。
剣で弾丸をはじく描写はTVシリーズ『ルパン三世』(1971年)でもう見慣れていたりします。アメリカ人には受けるかな。弾丸をはじく瞬間はスローモーションよりクローズアップショットの方がいいような気がしますが、どうなのでしょう。

ラストにヒロインの肖像画が出ていますが。アニメ調なのが面白い。アメコミっぽいというか江川達也調なキャラデザインでした。


そんなわけで低予算ですがちゃんと作られているよい作品でした。

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