『エル・マリアッチ』(1992年)
この作品はロバート・ロドリゲス監督、カルロス・ガラルド主演の低予算アクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
ロバート・ロドリゲス監督作品で1回見たことがある『デスぺラード』(95年)の元の作品ということで見ました。
1992年 ロス・フーリガンズ・プロ/コロンビア・ピクチャーズ アメリカ作品
原題◆El Mariachi
ソニー・ピクチャーズの『デスペラード』+『エル・マリアッチ』ツインパックDVDにて。画質は結構よい。少しザラツキ気味なので苦心して修正したようです。
プロット 殺し屋と間違えられる歌手の話しのようです。◆マリアッチから殺し屋になる話しのようです。
キャスト
カルロス・ガラルド→エル・マリアッチ
レイノル・マーティネス→ムショ帰りのアスール
ピーター・マルカルド→モーリシオ、通称モコ
コンスエロ・ゴメス→ヒロインのドミノ、バーを持っている。
さすがにキャストの方々にはカネがかかっていないようでごく普通の人ばかりといった感じでした。名前がよく分かりませんでした。
ロバート・ロドリゲス監督の演出はよいと思います。製作、脚本、撮影、編集も担当しているようです。
メキシコのアラーニャという町が舞台です。
『デスぺラード』はこの作品そのままリメイクではないようです。
この作品ではマリアッチが2人で若い本物のマリアッチの男と、太ったムショ帰りの殺し屋アスールがいて、どっちが本物の殺し屋なんだとなっています。ということは間違えられた男のバリエーションなのかとなります。
時々フィルムが早回しなとこがありました。これはギャグか。
不必要な溶暗がところどころにあります。TVのCM用なのかと思えます。
低予算でも出来は悪くなく、多過ぎるかと思えるくらいのクローズアップショットが目に付き、とにかくていねいに編集してあります。
撃ち合いのとこなど目まぐるしくショットを切り返すサム・ペキンパー監督並みの編集でした。カネはかかっていませんが編集の手間は途方もなくかかっているようです。編集は映画の基本的手法なのでカネはなくても編集センスと時間があれば出来るのです。
若いマリアッチは夢を見る。特に伏線でもなかったような描写でした。
ムショ帰りの殺し屋アスールやモコの手下達は貧乏そうに見えるけど丸々と太っています。食うことには困っていないようです。
バイクが出てきます。カワサキのGPZです。排気量は不明。
ロバート・ロドリゲス監督の作品にはチーチ・マリンがよく出ています。
よほどハリウッドでチーチ・マリンに世話になってるのかロバート・ロドリゲス監督。
メキシコのアクーニャという町が舞台です。
ムショに入ってる割りには電話をかけたりしている太っているアスールに白い服の男モコからの刺客3人が迫りますがあっさりと片づけられます。
刺客の使っている銃はM2カービンを銃身を短く引き切ったモデルのようです。
ムショを出るスール。
ヒッチハイクするマリアッチが登場。
冷たいココナッツ水をもらいます。アクーニャへ入ります。
ある店に入り職探しをしますがあっさりと断られます。キーボード1台でフルバンドが出来るデモ演奏の描写があります。
仕事を断られたマリアッチが店を出たら次に殺し屋がやって来て一仕事となります。
3人+1人を片づけます。画面には出ませんがトイレで殺されるとこがいい。
そんなことから黒幕のモコからギターケースを持った黒い服の男を捜せと指令が出ます。
マリアッチは違う店に行きドミノと知り合います。ここはすぐに店を出てホテルに行きます。
ホテルのフロントからタレコミの電話をかけられています。
ホテルのベッドで夢を見るマリアッチ。人間の首が転がる。
目を覚ましたとこで狙われるマリアッチは逃げ切ってドミノの店に入ります。頼み込んで2階にかくまってもらいます。
成り行きで風呂に入りながら恋の歌を歌うマリアッチ。
店でも歌うマリアッチ。
夜になりまた夢を見るマリアッチ。首を持つ少年。
街には黒メガネのヒゲの太ったオッサンが指揮を取ってギターケースを持った黒い服の男を捜索中となります。
殺し屋のアスールが捕まりますがその前に寄った店でギターケースを取り違えて本物ギターが入ってて見逃されます。
次に見つかったマリアッチが追われることになります。
銃撃戦は素早く切り返したりする編集はサム・ペキンパー監督並みです。たいしたものです。
ドミノはモコからバイクをプレゼントされています。これに乗ってやってこいとのこと。
ギターを買いに出かけるマリアッチ。すぐに見つかり今度は捕まります。黄色いトラックでモコの農場へと運ばれます。
ここは人違いということで街に戻されて放置されるマリアッチ。
アスールはドミノに案内させてモコの農場へと向かいます。
それを追ってカワサキのバイクで向かうマリアッチ。
そんなこんなでラストとなります。
ボスのモコが殺されたら手下達は仇を取るのかと思えばそうではなくて手下の1人がモコの死体でマッチをすって俺が新しいボスだといった感じ。サム・ペキンパー監督の『ゲッタウェイ』1972年版並みの描写でした。いい感じです。
この作品を見ると映画はカネだけでは出来はよくなりませんとわかります。
でもカネはかけたほうがいいと決まっているのも事実なので、このへんが映画作りの微妙なとこなのです。
そんなわけで低予算ですがていねいに作られていて『デスぺラード』(95年)の前エピソードといった感じのよい作品でした。
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