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2007.04.17

『ラビナス』(1999年)

この作品はアントニア・バード監督、ガイ・ピアース主演のウエスタン風の異色ドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
少し見て面白かったので見ました。

1999年 20世紀フォックス アメリカ作品
原題◆Ravenous
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
プロット 人食いを勧誘される話しのようです。

キャスト
ガイ・ピアース→へなちょこなジョン・ボイド大尉
ロバート・カーライル→謎のコルホーン/件のアイヴス大佐
ジェフリー・ジョーンズ→砦のハート大佐
スティーブン・スピネラ→砦のノックス少佐
ニール・マクドノフ→砦のライク2等兵
ジェレミー・デービース→砦のトフラー2等兵
デビッド・アークェット→砦のクリーヴス2等兵
シーラ・トゥーセイ→砦の先住民のマーサ
ジョゼフ・ランニングフォックス→砦の先住民のジョージ

アントニア・バード監督の演出はよいと思います。
スタッフは英国勢が多いようでそんな感じに仕上がっているようです。何となく普通のウエスタンには見えないのす。アメリカ人ならウエスタンをこんな風に撮ったりはしないでしょう。
編集は凝っています。見てて気持ちいいカット割りです。

1847年のアメリカとメキシコの戦争にて。
戦いが嫌で死んだふりをしたら結果的に手柄をたてたことになったガイ・ピアース扮するジョン・ボイド大尉ですが、表彰パーティでの食事でボロが出てしまい、辺境にあるカリフォルニアのスペンサー砦にとばされて話しは始まります。

ジョン・ボイド大尉が派遣されたシェラ・ネバダの山中にあるスペンサー砦は、砦とは名ばかりの小さな集落といったとこです。
そこにロバート・カーライル扮するボロボロの謎の男コルホーンがやってきて遭難しという話しを聞きます。で、救出隊を編成して件の洞窟へ徒歩で向います。ウエスタンなのに馬ではなく徒歩なのかいと思った。このへんから外しています。

実は人肉を食したロバート・カーライルの謎の男コルホーンはホトンド不死身になっています。重症を負っても人肉料理を食べると回復するとなっていました。
更に人の肉を喰うと強くなるとなっています。重症が直り強くなり不死身になるetc...というとんでもない設定となっています。これはSFなのかい。

この作品は最初は実録生還物かと思って見てたら、途中からそんなこんなで、どういうこと、そんなのありな展開となって話しは進みます。
何しろロバート・カーライルがガイ・ピアースに人肉を食うのを認めなさいと説得するのです。これがゲイなら「自分を偽るな」となるとこです。
ガイ・ピアースもへなちょこな性格なので思わず人肉を食べてしまったりと色々とあります。それでも主人公かと突っ込みが入れたくなるとこです。

ロバート・カーライルの謎の男コルホーン、実はシェラ・ネバダの食人鬼ぶりが見どころでした。
カーライルは元々アイヴス大佐?よくわからん。コルホーンの話しは嘘の回想だったのかとまたよくわからん。そのへんも気にならない怪演ぶりでした。
そにれ対比してガイ・ピアース扮するへなちょこなジョン・ボイド大尉のもたもたぶりは見ててイライラします。これも見どころのようです。

謎の男コルホーンに追われて崖から飛び降りても何とか助かるジョン・ボイド大尉の図。
まるでビルから飛び降りても平気だった『太陽を盗んだ男』(79年)みたいでした。
で、前の戦争と同じ行動をとって、また隠れて助かるもたもたぶり。ここでは月の満ち欠けで日付の経過を表す描写がありました。
何とか砦に帰ればやって来た上司ががロバート・カーライルのアイヴス大佐でこれはビックリとなります。それでノイローゼとなります。そんなもたもたぶりでは返り討ちになるのでは思えます。

へなちょこのガイ・ピアース対人肉を食って超人のようになったロバート・カーライルの勝負の行方はどうなると話しは進みます。

サポート演技陣で・・・
トフラー2等兵は賛美歌を作るのが趣味。洞窟へ向う途中に怪我をして傷口を謎のコルホーンになめられる。そんなこんなで退場となります。
砦のライク2等兵はブロンドで強気な男ですがあっけなく退場となります。
デビッド・アークェットの砦のクリーヴス2等兵は全くいいところなく退場となります。何のために出ていたのかわからん。

人食いが出てくるのでレーティングはR指定でした。こんな作品をガキの頃に見たら悪い夢を見そうです。
IMDbによるとジャンルがコメディともなっていましたがホントにそうなの?実録生還物かと思って見たらホトンドSFな話しでした。山は山でもアンデスではなくシェラ・ネバダなので話しが違うのか。
こんな企画がよく通りましたねと感心します。ウエスタン風のSFな設定の対決物とは・・・

これはまた何だかわからん珍妙な話しでした。
そんなわけでガイ・ピアースのへなちょこでもたもたぶりもよい作品でした。やっぱりこの作品はSFのようです。


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