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2007.04.19

『メメント』(2000年)

この作品はクリストファー・ノーラン監督、ガイ・ピアース主演の記憶が途切れるという一発アイデア勝負のサスペンスです。
評がいいので見ました。斬新なプロットというのにはあまり期待しないようにしました。ダメだったらキャリー=アン・モスだけを見ていましょう。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

2000年 ニューマーケット・フィルム アメリカ作品
ランニング・タイム◆114分
原題◆Memento
プロット◆ここはどこ?私は誰?という話しのようです。物忘れが激しいのをいいことに利用されまくりの話しでもあるようです。
音楽◆デビッド・ジュリアン
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。

キャスト
ガイ・ピアース→物忘れが激しいレナード
ジョー・パントリアーノ→知人のテディ/ジョン・ギャメル
キャリー=アン・モス→知人のナタリー
スティーブン・トボロースキー→件のサミー
ジョージャ・フォックス→レナードの奥さん
マーク・ブーン Jr.→モーテルのバート
ラリー・ホールデン→ナタリーの恋人ジミー
カルム・キース・レニー→戸棚の中のドッド
キンバリー・キャンベル→ブロンドのデート嬢

クリストファー・ノーラン監督の演出はよいと思います。脚本も書いています。
最初からフィルム逆転シーンの変則技できます。このような変則でこれで最後まで持つのかと心配になりますが、この点は大丈夫でした。
主人公のナレーションで始まり進行するのですから、これはフィルム・ノワールではないですか。わかりやすいです。

キャラクターの設定上、同じシーンの繰り返しの多用です。
これは私の好きなクライマックスにプロローグに戻る手法のバリエーションというか、悪くはない手法です。編集の妙で見せてくれます。見ているうちに繰り返しが快感になってきます。ところでこの話しは1日の話しなの?ホントのとこはどれくらいなのでしょう。

この作品を時間通りにつないだら全編で30分くらいになってしまうのでは?
DVDの特典で時間通りつないでバージョンがあるそうですが、そうしたらかえってつまらなくなってしまうのではと思えます。

会話シーンの切り返しはていねいにやっています。
クローズアップショットの入れ方もていねい過ぎるほどですが何か機械的に入れている感じなのでこれは撮影スタッフにおまかせなのか?もしかして自分で演出して凝りまくるととたんにダメになったりして。大丈夫なのかな。

記憶を失うといっても日常生活にはこまらない程度になっています。
ホントに全部忘れてしまったら立つことも歩くことも出来ないのではと思えてしまいますから。そう思ったが上手い具合な設定になっていて日常生活には不自由していないようです。

ガイ・ピアース扮する短期間記憶喪失症のレナードがよりどころにしている同じ症状のサミーことサミュエル・ジャンキス。保険調査員だったレナードはサミーが不正受給者ではないかと調べることになっています。
モノクロの画面になって電話で一生懸命になって説明しているが誰に喋っている?と話しは進行します。結局誰だったの?

シリアスの中にもユーモアがあります。
戸棚の中の男ドッドを波風立てることなくどうやって外に出そうとテディと相談するとこ。ブラックでいいです。

追っているのか追われているかも忘れて走っていたりします。
撃たれたので、そうか追われているのかと思い出す。思い出すのではなく理解するのか?これはまたブラックなシーンでした。

メモからそうか奴は9号室なのかと押し込みを敢行するが、それは6号室の間違いでした。メモはしっかり読みましょうということらしい。逆さに読んではいけません。

奥さん役の人は2役をやっているのかな。似ています。現在なら特殊メイクで出来るはずです。

協力者のはずのナタリーがレナードをはめる図。
じゃまなドッドを殺させようとします。その他にもレナードがホントに忘れるかチェックするとこもありました。嫌なやり方ですが。
始終つきまとうテディもレナードを利用していました。刑事というのはホントらしい。かようにレナードは利用されまくりでした。

主演のガイ・ピアースは『ラビナス』(1999年)では、へなちょこなキャラで出ています、
こっちの話しは人肉喰い物でホトンドSFな設定のウエスタン(嘘ではありません)となっていて、あまり変わらないキャラクターのへなちょこキャラを熱演するのがパターンのようです。私にはガイ・ピアースはへなちょこキャラ専門なのかなとなりつつあります。

クルマはグリーンのジャガー・コンバーティブル。ほこりだらけの汚い状態です。これが結局自分のクルマではなかったりします。


結局レナードは自分に関する問題は全然解決していないのでは?となります。まあいいけど。
そんなわけでこれは時間逆走一発アイデアのよい作品でした。もう同じ手は使えないけど。

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コメント

 こんにちは。僕には物凄く面白い映画でした。なるほど、こういう映画を時間逆走一発アイデアだというのですか?うまいこと言いますね(笑)
 実は僕は、この時間逆送一発映画で、アレックスという映画を観たのですが、ロイ・フェイスさんは観られましたか?チョッとエログロな映画なのでお勧めの映画ではないですけれど。
 クリストファー・ノーラン監督ですが、バットマン・ビギンズも良かったし、プレステージも良かった。僕は今後も非常に期待している監督ですが(ダークナイトも面白いみたいですし)
 早くインソムニアを観たいです。

ディープインパクトさん、コメントありがとうございました。

『アレックス』は見ていません。そのうち見よう。
クリストファー・ノーラン監督の『プレステージ』は見たいと思っています。
私はヒロインの女優さんがジェシカ・ビールと思い込んでいましたが調べればスカーレット・ヨハンソンとなっていました。
そういえば似たような作品があったような。→『幻影師アイゼンハイム』のようです。ここにジェシカ・ビールが出ていました。
何だか『プレステージ』も『幻影師アイゼンハイム』も見たくなります。

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