『2000人の狂人』aka『マニアック2000』(1964年)
この作品はハーシェル・ゴードン・ルイス監督の低予算ホラーです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
スプラッタ物のクラシックとの評判で見ました。
1964年 アメリカ作品
原題◆Two Thousand Maniacs!
スカイパーフェクTV311パワー・ムービーにて。画質はまあまあ。
プロット 旅行者達が2000人の亡霊に八つ当たりされる話しのようです。
キャスト
ウィリアム・カーウィン→教師のトム・ホワイト
コニー・メイソン→クルマに乗せたテリー・アダムズ
ジェローム・イーデン→被害者のジョン
シェルビー・リビングストン→その妻で被害者のビー
マイケル・コーブ→被害者のデビッド
イボンヌ・ギルバート→その妻で被害者のビバリー
ジェフリー・アレン→町長のバックマン
ベン・ムーア→子分のレスター
ゲーリー・ベイクマン→子分のルーファス
リンダ・コークラン→工作員?のベッツィー
マーク・ダグラス→工作員?のハーパー
ビンセント・サント→子役のビリー
アンディ・ウィルソン→警官
ハーシェル・ゴードン・ルイス監督の演出はまあまあだと思います。
監督、脚本、撮影、タイトルソング、製作もやっています。
映画の手法に関しては全くお粗末でした。
会話シーンの切り返しはやっていなくてただ撮っているだけです。よくいえばドキュメンタリータッチというやつで、悪くいえばポルノビデオ並みということです。
カネがかからないのでこうなったともいえます。他にも色々と手を抜いてて全編全くカネがかかっていないのは確かです。
途中で過去の因縁のネタを割っているのは賢明なことです。演出の手抜きに加えて最期に実はこうでしたとやられたらどうしようもないとこでした。
電子音楽とカントリーが交互に流れていました。
ほんの少し特殊メイクがあって。特撮は全くなしでした。カネがかかっていない。
肝心のスプラッタのシーンはなんてことはないのですが、やってることは集団でデタラメこいての個人攻撃のリンチなのでこれは見てて不快でした。アメリカ映画らしからぬ陰湿さです。参ったね。
残った2人が何とか逃げ切ったので、これで何とか見るに耐えるようになった。
プレザント・ヴァレーという町が舞台でプレザント・ヴァレー100年祭となっています。ご丁寧に人口2000人の看板も出ていた。南軍の旗を振って祝っています。
冒頭に道路案内の標識を動かして町にクルマを誘い込む図。双眼鏡と標識のレスターとルーファスのコンビ。これで面白いように誘い込まれています。
6人の犠牲者が町に誘い込まれて。順にやられます。
1番目の被害者はビーでナイフで指を斧で腕を切り落とされます。
2番目の被害者はジョニーで。4頭の馬に手足をつながれて八つ裂きならぬ四つ裂きとなります。
3番目の被害者はデビッドで内側に釘の出た樽に入れられて坂を転げ落とされます。
4番目の被害者はビバリーで岩の下敷きになります。
それなりなスプラッタ描写となっています。
残りの2人は気がついて逃げ出します。
何で町から逃げるのにドレス姿になるのかよくわからんヒロインのテリーでした。逃げる途中でドレスをまくって汚れた脚を洗うシーンがあったので見てる人へのサービスとしかいいようがない。
逃げたヒロインを追うハーパーは地元の人間の筈なのに底なし沼にハマっていました。これはギャグか。だとしたら寒いギャグです。
そういえばこの作品はユーモアは全くなかったような。ブラックなユーモアもなし。ここもアメリカ映画らしからぬとこです。参ったね。
これは期待外れでした。物凄く演出がヘタなジョン・カーペンター監督といった感じ。ジャンルは違いますが低予算でもロバート・ロドリゲス監督の『エル・マリアッチ』(92年)は面白かったのですから、この作品の出来の悪さが目立ちます。
同じ低予算のホラー『恐怖の足跡』(62年)と比較すると違いがよくわかります。
低予算でも映画に対する姿勢と才能が違うとこうも違うのかと思えます。
そんなわけでどうにもしょうもない作品でした。こまったものです。
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