『π(パイ)』(1997年)
この作品はダーレン・アノロフスキー監督の意味あり気なサスペンスです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
斬新なプロットという評判で見ました。と思ったが同じ理由で見た『CUBE』(97年)みたいに後味の悪い作品なのかもと心配しつつ見ました。
1997年 アメリカ作品
原題◆Pi
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
プロット 数字を追っているうちに追われる話しのようです。
音楽 クリント・マンセル ノリがいいスコアでした。
キャスト
ショーン・ガレット→数学者のマックス
マーク・マーゴリス→先生のゾル
ベン・シェンプマン→知人のレニー・マイヤー
スティーブン・パールマン→教団のラビ
ダーレン・アノロフスキー監督の演出はまあよいと思います。
クローズアップショットを丹念に使っていました。これはよく考えると演出というより編集の人ががんばっているだけ?でもクローズアップショットを撮らないと始まらないことですから、いくらかは監督の演出なのでしょう。
主人公にはガールフレンドがいるのかと思ったら隣りの人でした。少しは女性が絡まないと話しが進まないのではと思いましたが最後まで単なる隣の人でした。
数学者なのでコンピュータを使用。そこらにころがっているタダのオタクではなくて業界の有名人のようでしつこく面会のアポイントを取ろうと電話がかかっていた。
主人公は頭痛持ち。クスリを飲みまくり幻覚を見る。駅の階段に置かれた誰のか分からん脳みそを突くとこが気持ち悪かった。地下鉄を乗り過ごして終点までいけどそこはコニーアイランドです。
主人公の先生ゾルは隠居生活で金魚を飼って囲碁を打つことをやっていました。これもとってつけたような感じがしないでもない。
途中から株式屋一味対ユダヤ教団のアクションになっていました。最初は意味深だったので何だい結構普通の話しじゃないかと少しずっこけました。
わかりやすい数学解説映画で通してくれた方が私にとってよかったのですけど。
私は算数がわからないというレベルで数学がどうのこうのというとこまで達していません。ですからこの作品は数学に関して分かりやすく描写していると期待してたが残念ながらそうはなりませんでした。途中から普通のアクションに普通の不条理物になっていた。
どうせならもう少しぶっ飛んでもらいたかった。
見えない等身大ウサギが出てくる『ハーヴェイ』(50年)の方が話の展開ではぶっ飛んでいました。古い作品に負けてどうする。
サンダンス映画祭関係の作品なんですか。そうと知っていたら見なかった。
ここはもはや独立系映画祭というより特別な独立系映画祭といったほうがいいようなとこなのでは?私の偏見だとそんな印象があります。
この監督の2作目が『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000年)でした、そうなると独立系映画祭を踏み台に次は社会派人間ドラマ作品へという思惑なのかと思えてしまいます。
よくあるパターンで最初に作る作品はSF、ホラー、サスペンス、アクションで、次はすぐに社会派人間ドラマとなると正直言ってうさん臭い感じがします。
モノクロ映像と音楽はよかった。いいのはこの2点だけですか。
それで後味は悪くなかったが意外性はなかった。そんなわけで独立系映画祭向けにそつなくまとめただけの作品でした。たいしたことない。
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