『化石の森』(1936年)
この作品はアーチー・L・メイヨ監督、レスリー・ハワード、ベティ・デイビス、ハンフリー・ボガート主演のギャング映画のような人間ドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1936年 ワーナー アメリカ作品
原題◆The Petrified Forest
DVDにて。画質はよいです。相当補正しているのか粒子が目立つけど。
プロット 荒野のドライブインで色々とある話しのようです。アイデンティティを求める人達の話しでもあるようです。
音楽 バーナード・カーン
キャスト
レスリー・ハワード→作家のアラン・スクワイア
ベティ・デイビス→サービス・ステーションのガブリエル・メープル
ハンフリー・ボガート→兇悪犯のデューク・マンテー
ポーター・ホール→主人のジェイソン・メープル
チャールズ・グレープウィン→おじいさんのメープル
ディック・フォーラン→アメフトのボーズ
アドリアン・モリス→手下のルビー
スリム・トンプソン→手下のスリム 黒人
ジョー・ソーヤー→手下のジャッキー
ポール・ハービー→金貸しのチザム
ジェヌビエーブ・トービン→チザム夫人のイーデス
ジョン・アレキサンダー→運転手のジョゼフ
アーチー・L・メイヨ監督の演出はよいと思います。
全体的に無難にまとめています。舞台劇の映画化ですが、映画ならではの描写もちゃんとあったりします。
荒野が舞台なので風の効果音があります。
ベティ・デイヴィスは、ブロンド。おでこが目立ちます。ギョロ眼もいい。白目部分が大きい。タラコ唇もいい。ファニーフェイスな美人です。
レスリー・ハワードは意外と多弁なキャラでした。舞台の映画化なのでどなたもよく喋ります。デイヴィスと2ショットでフィックスで長回しの会話シーンがあった。ここは舞台そのまんまではないか。
レスリー・ハワードの出演作で1番有名なのはスカーレット・オハラに惚れられるアシュレーを演じていた『風と共に去りぬ』(39年)でしょう。
舞台でもデューク・マンテーを演じてたハンフリー・ボガートですが映画ではワーナーの意向で役を降ろされそうになったとこを主役のレスリー・ハワードがハンフリー・ボガートを強く推薦して無事に映画に出れたそうです。これでハンフリー・ボガートは本格的に映画界で活躍する足がかりが出来たということです。
そんなわけでレスリー・ハワードはハンフリー・ボガートの恩人というわけです。
36分あたりでハンフリー・ボガートが悪役で登場。若い。いきなり凄みを効かす。でも物わかりがよさそうなとこもあります。アル中気味なおじいさんの酒を止めるのはブラックでいい感じ。
ラストは電話1本で捕まりましたと片付けられてしまった。サポート時代の辛いとこです。
荒野です。アリゾナとのことです。
歩く男が登場。レスリー・ハワード扮するアラン・スクワイアです。
荒野のサービス・ステーションにて。
ポーター・ホール扮するこの店主人のジェイソン・メープル
ディック・フォーラン扮するアメフトのボーズは従業員。
チャールズ・グレープウィン扮するおじいさんのメープルは客2人に話しかけています。話すことに飢えているようです。
客に意見する愛国者である主人のジェイソン・メープル。
こんな感じでキャラ紹介。
ベティ・デイヴィス扮するサービス・ステーションのガブリエル・メープルも登場。
うわさ話で兇悪犯のデューク・マンテー一味が来るとのこと。
アメフトのボーズとガブリエル。
ガブリエルを口説いているボーズです。
そんなとこに歩いてレスリー・ハワード扮するアラン・スクワイアがやって来ます。
舞台劇なので、登場する人は誰もがよく喋ること。
主人のジェイソン・メープルは自警団のユニフォームで身を固めて出かけます。
客のアラン・スクワイヤに話しかけるメープルおじいさん。
やたらと話しをしたがっています。
この話しの内容からアラン・スクワイヤが作家だとわかります。
洗面所にはペーパータオルが備え付けられていました。この時点でペーパータオルもうあったんだと感心する。
アラン・スクワイヤとガブリエル。
フランス生まれのガブリエル。
フランソワ・ヴィヨンの詩集。ヴィヨンの詩を読むガブリエル。
フランスの話をするアラン・スクワイヤ。
フランスからアリゾナに流れてきたらしい英国人のアラン・スクワイヤ。
アラン・スクワイヤに絵を見せるガブリエル。
とりとめのない話しをする2人。
化石の森の話しも出ています。
店を出るアラン・スクワイヤ。
ちょうど客が来ます。
ブルジョアのチザム夫妻。運転手のジョゼフ。
このクルマに乗せて貰うことになるアラン・スクワイヤ。
店を出るアラン・スクワイヤ。
荒野にて。カーラジオからデューク・マンテー一味が登場。
ラジオに合わせてクローズアップショットが入ります。ここは映画的でした。
手下はルビー、スリム、ジャッキー。スリムは黒人です。
通り掛かりのチザム夫妻のクルマをハイジャックするデューク・マンテー。
チザム夫妻ら3人とアラン・スクワイヤを置き去りにして去ります。
歩いて戻るアラン・スクワイヤ。
サービス・ステーションにて。
ガブリエルに言い寄るボーズ。
クルマが来ます。デューク・マンテー一味です。
戻るアラン・スクワイヤですがデューク・マンテーがお出迎えで人質となります。
人質の面々。
ガブリエル。ボーズ。アラン・スクワイヤ。
それにメープルおじいさんと太った女性もいます。
有名人デューク・マンテーに会ったのでやたらと嬉しそうなメープルおじいさん。
運命の話をするアラン・スクワイヤ。
荒野にて。
クルマを修理している運転手のジョゼフ。
文句が多いチザム夫人です。
サービス・ステーションにて。
ボーズがいいとこ見せようとデューク・マンテー一味を挑発しています。
そんなとこから痴話げんかのようになっているボーズ、アラン・スクワイヤ、ガブリエルの3人です。
とにかくよく喋る人達です。人質なのに色々と喋くります。
メープルおじいさんに意見するアラン・スクワイヤ。
債券をため込んでいるケチだと言っています。
隙を見てボーズは銃を手にしますがデューク・マンテーに撃たれて負傷します。
これでボーズは退場となります。死んではいない。
クルマを直したチザム夫妻と運転手が来ます。
当然人質となります。
自分を殺してくれとデューク・マンテーに頼むアラン・スクワイヤ。
自分が死んだら入る5000ドルをガブリエルにやるつもり。
情婦ドリスを待っているデューク・マンテー。
どさくさに紛れて酒にありつこうとするメープルおじいさんを止めるデューク・マンテーです。こういう小ネタがいい。
ボーズをケガの治療等で別室に行ってたガブリエルが戻ります。
アラン・スクワイヤが死んだら5000ドルのことは当然知らないガブリエル。
ガブリエルに助言するチザム夫人のイーデス。
誰か来たようです。
これがこの店の主人を含む自警団3人でした。
自警団からドリス+3人が捕まったとわかります。
追っ手が来ます。6〜7人らしい。
追っ手はトミーガンを使っています。トンプソンのサブマシンガンのことです。
撃ち合いとなります。ワーナーはギャング映画が得意なのでこういうシーンは付き物なのです。原作の舞台ではなかったかもしれません。
そんな中でもよく喋る人質というか人達です。
デューク・マンテーにシンパシーを感じているらしいアラン・スクワイヤ。
撃ち合いが一段落したとこで店を出るデューク・マンテー一味。
ここで自ら撃たれようとするアラン・スクワイヤ。撃つデューク・マンテー。
死に至るアラン・スクワイヤ。
電話でデューク・マンテーが捕まったとわかります。
ハンフリー・ボガートの悪役ですが電話1本で片づけられていました。それだけかい。
アラン・スクワイヤを抱きしめ詩を詠んで捧げるガブリエル。
このラストは泣けます。
エンドとなります。
そんなわけで舞台の映画化としては標準的なよい作品でした。
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