『絞殺魔』(1968年)
この作品はリチャード・フライシャー監督、トニー・カーティス主演の連続殺人サスペンスです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
連続殺人鬼物の話しで有名なので見ました。
1968年 20世紀フォックス アメリカ作品
原題◆The Boston Strangler
プロット ボストンの絞殺魔を捕まえる話しのようです。
スカイパーフェクTV312CSN1ムービーチャンネルにて。画質はとてもよい。
音楽も効果音もステレオです。これは後付けだと思われます。
キャスト
トニー・カーティス→ボストンの絞殺魔のデサルボ容疑者
ヘンリー・フォンダ→ボトムリー本部長
ジョージ・ケネディ→ディナターレ刑事
リチャード・フライシャー監督の演出はよいと思います。
この人は多彩なジャンルをこなす本物の職人監督なのでしょう。
リチャード・フライシャー監督で私が印象的な作品はSFサスペンスの『ソイレント・グリーン』(73年)です。
実際のボストン絞殺魔の話しですと。前説が入ります。
有名なマルチスクリーンが全開となっています。見てて面白い。効果のほどはよくわかりませんが。ブライアン・デ・パルマ監督のように画面を立てに区切ってではなくて黒地にマンガのコマみたいに複数出ていました。
後半は取り調べの尋問で現在と過去が入れ子になっているシーンが見どころです。
過去のシーンでも、現在取り調べをしている人がいたりするのがいい。映画ならではの描写となっています。
絞殺で、手がかりは外科結び。始まりは老女2人で、7人目から黒人の若い女性となっています。
犯行は結構史実通りに描写していました。当時はまだ殺人の直接描写は出来ないのか画面に出てくるのは犯行後といったほうが正確ですが。
レズやゲイを取り上げていました。当時としては珍しいと思えます。
1部の人間は自分が正しいと信じ込んでいて、しかも都合の悪いことは忘れてしまうようなのです、これはまた始末が悪い人種です。典型的な犯罪者タイプ。
証人となる被害者ですら自分にとって嫌なことは忘れてしまっていました。これも事実でしょう。これはリアルです。
容疑者役トニー・カーティスは大熱演でした。結局本人には責任能力がないように描写されていました。だからこの役を受けたのでしょう。
そんなわけで際物になっていない、さすが本物の職人監督と感心するよい作品でした。
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