『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』(1999年)
この作品はスティーブン・ソマーズ監督、ブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズ主演のアクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
レイチェル・ワイズがヒロインなのと、評判のよいアクションで見ました。
1999年 アルファビル・プロ/ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆124分
原題◆The Mummy
プロット◆エジプト3000年の呪いに悪戦苦闘する話しのようです。
音楽◆ジェリー・ゴールドスミス、よく鳴っていますがうるさくは聞こえないとこがいい。さすが巨匠。
ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDにて。画質はよいです。
キャスト
ブレンダン・フレイザー→元傭兵のリック・オコーネル
レイチェル・ワイズ→ヒロインのエヴリン
ジョン・ハナ→兄のジョナサン
アーノルド・ボスロー→問題のイムホテップ
パトリシア・ベラスケス→件の女性アナクスナムン
ケビン・J・オコーナー→薄情な相棒ベニー
オミッド・ジャリリ→刑務所の所長
オデット・フェール→秘密結社の隊長アーデス・ベイ
エリック・アバリ→図書館の館長で秘密結社のボス
テュク・ワトキンス→メガネのバーンズ
バーナード・フォックス→英空軍のウィンストン
スティーブン・ソマーズ監督の演出はよいと思います。
まず前説が入ります。普通は字幕のみでやるとこを全部映像にしています。モブシーンにセットの数々。カネがかかっています。
件の女性アナクスナムンは全然ヒロインのエヴリンに似ていないような。誰でもよかったのかとなります。途中からエヴリンはいけにえになってしまうしどういう扱いのかよくわからなかったりします。
この前説のナレーションは誰にあたるのか不思議です。神様なのかい。
前説が終わると1923年ハムナプトラが舞台となる。で、3年後のカイロ。この年代が舞台になっているとは知りませんでした。
砂漠で砦に立てこもる戦いのシーンから『ボー・ジェスト』1939年版を連想。この作品は出だしが凝っているとこがすぐれ物でお勧めです。
ところで使っているのは単発のボルトアクションのライフルのようです。
撃ち合いの派手なこと。一体何連発のリボルバーを使っているのでしょう。普通は6連発ですけど。『ザ・グリード』(1998年)で1000連発なんて大風呂敷スペックの自動小銃を出した監督らしいけどマイナスにはなっていません。
薄情な相棒ベニーの人は同じスティーブン・ソマーズ監督作品『ザ・グリード』(1998年)に出ていたような。苦しい時の宗教頼み連発のギャグはよかった。このせいで低評価なのかな。
オデット・フェール扮する秘密結社の隊長はやたらとカッコいい。
死んだかと思ったら無事でした。この人が生き残ったので薄情な相棒ベニーは生き残るのは1人で十分ということで御陀仏になったのでしょう。
ヤンキー一派もハムナプトラに向かっていて争って発掘作業となります。
ザコキャラのエジプト人の雇われ人はすぐにやられて、違う探検隊のサブキャラは1人1人徐々にやられていく。この辺もルーティンでよろしい。
ヤンキー組は3人でそれにエジプト人の博士と案内人のベニーとなっているようです。ヤンキー3人はメガネのバーンズ、長髪の早撃ち男、おっさんとなっています。
甦ったミイラ達との攻防シーンにて。
撮影技術的だけを見ればこの作品のCGとデジタル合成はレイ・ハリーハウゼンのコマ撮り合成のダイナメーションを越えています。
いつのまにかに最後の災害はなっていました。話しが早いというか途中になんかあったっけ?思えるほどです。
『機動警察パトレイバー』(1989年)のようなショットがあったりします。
虫?が涌いてきて逃げながらショットガンと撃つとこがそんな感じ。
日差しの中で日よけをして休憩している図等。
この監督はユニバーサル・ピクチャーズの演出マニュアルに振り回されていないようで上手くつくってありました。さすがハッタリアクションでヒロインのファムケ・ヤンセンをきれいに撮っていた『ザ・グリード』(1998年)の監督です。
ユニバーサル・ピクチャーズルにはスピルバーグ式の演出マニュアルが多分あるのでは?と思えまてしまうとこがあります。『ツイスター』(1996年)のプロローグがその悪い見本で1ショットごとに説明ゼリフを付けているとこです。これがイマイチなんです。他にも色々あるんです。
レイチェル・ワイズのキャラ紹介のシーンだけで本棚将棋倒しを派手に見せていました。さすがカネがあるハリウッドは違う。単にムダなような感じもしますが。
ジョン・ハナとの英国勢はどのような扱いかというとそんなに悪くなかったような。ですがジョン・ハナの演技は少々くどい。英国式オーバーアクトです。
レイチェル・ワイズはきれいに撮れています。
胸の開いたデザインのヒラヒラのドレスみたいな衣装で発掘作業とは別に構わなかったりします。美しいからいいです。→これは船で一騒ぎあった時に普通の服を無くしてしまったという設定でした。
1920年代のスター、クララ・ボウみたいな細い描きまゆ毛が素敵でした。この作品で1920年代風と思わせるのはここだけだったりします。後はどこが1920年代なんだ現在と変わらんではないかとなる。
ホントにラクダに乗っているレイチェル・ワイズ。素敵です。
悲鳴の方はまあまあ。ハスキーな低い声というかガラガラ声であまり悲鳴向きの声ではないようです。
ブレンダン・フレイザーのリック・オコーネルは無難にヒーロー役を務めていました。刑務所内にてではジャングルジョージみたいでしたけど。
役作りには『ガンガ・ディン』(1939年)のケイリー・グラントを参考にしたらしいが、どちらかといえば少しランクが落ちるスチュアート・グレンジャーあたりが丁度合ってる感じですが。低い声がケイリー・グラントと違いすぎます。この声は悪くないけど。
甦ったイムホテップがまだネコに弱いことを知ったら、次のシーンで早速ネコを見せるとこがいい。これがいいタイミングで何故か白いネコ。ユーモアが感じさせるとこがフレイザーのいいところ。この線でいけばいいと思います。
そんなわけでレイチェル・ワイズがきれいに撮れているアクションのよい作品でした。
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