『君とひととき』(1932年)
この作品はエルンスト・ルビッチ/ジョージ・キューカー監督、モーリス・シュバリエ、ジャネット・マクドナルドのミュージカルの入ったロマンティック・コメディです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
この作品は『ムーラン・ルージュ!』(2001年)でのニコール・キッドマンとユアン・マクレガーの歌う『Come What May』が非常によいので、そんな感じの誰でもいいから主演の2人が歌っている作品がないかと録画在庫を調べたらモーリス・シュバリエとジャネット・マクドナルドが出てるこの作品があったので見ました。この2人は実際に歌えるはずなので吹き替えではないでしょう。
1932年 パラマウント アメリカ作品
原題◆One Hour with You
スカイパーフェクTV312 CSN1ムービーチャンネルにて。画質はそれなりに悪い。
プロット やっぱり夫婦が一番よというロマンティック・コメディのようです。
キャスト
モーリス・シュバリエ→医師のアンドレ
ジャネット・マクドナルド→アンドレの奥さん
ジュヌビィエーブ・トービン→コレットの友人ミッツィ
ローランド・ヤング→ミッツィの旦那オリビエ教授
チャールズ・ラッグルス→よく分からんアドルフという男
ジョセフィン・ダン→パーティでの謎のマルテル嬢
エルンスト・ルビッチ/ジョージ・キューカー監督の演出はよいと思います。有名な監督が2人とはこれはいったいどういう担当になってるのか興味深いものです。
そうかジョージ・キューカー監督の担当は俳優さん達のご機嫌取り専門なのかな?
始まりのタイトルで時計の針が回って画面をワイプして切り替わるようになっています。洒落ています。
パリが舞台でプロローグでは警察で訓示があり春になるとパリは大変なことになる。それは公園には恋人が繰り出して満員となりカフェががらがらになるのでそういう連中は公園ではなくカフェに行かせ景気をよくしようと風が吹けば桶屋が儲かる式ロジックで公園を取り締まろうとなります。それで主演2人のキャラ紹介につながります。
歌うシーンがあるミュージカルでもあります。本編が面白いから歌うシーンもなおよろしい。ミュージカルは本編が退屈なのがホトンドなのでこれは珍しいことてです。
遊び好きの奥さんミッツィをもてあます教授は探偵とミッツィとの離婚を進めようと相談をしています。後から考えるとこれも前振りになっていた。脚本にムダがないです。
モーリス・シュバリエ扮する医師のアンドレが画面の中から見ているこちらに向ってこまったこまったと状況説明をするギミックな演出があります。
シュバリエの画面外への状況説明はたびたびあります。このようなギミックな演出を下手に使うと目も当てられないことになりがちですが、さすが巨匠のルビッチ監督(多分ここはルビッチ監督の担当でしょう)と感心します。
そのシュバリエの画面外への状況説明で蝶ネクタイが結べないのでトラブルになるとなります。パーティに戻れずそのままいるわけにもいかずと進退窮まることになります。その蝶ネクタイはミッツィの足首に結ばれていたりします。これはこまった状態となっています。いいもんだ。
テーブルの席順カードをめぐって夫婦でいさかいがある図。
招待されてる謎のマルテル嬢とは?と話しは進む。このへんは話に多少変化をつけているようです。
パーティにてドレス姿の女優さん達を見ていると少しゆるんでる体形と思えました。この方がナチュラルでいいのかなとも思えます。
よくわからんアドルフという男はミッツィの旦那オリビエ教授は同一人物かと思っていたら別人でした。この作品を見てるときに寝てはいませんでしたが何で見逃したのかも、私の目は節穴でこまったものです。
それで色々とありましてラストには画面から夫婦2人で見ているこちらに向って状況説明して決めとなります。ギミックな演出も気にならず、これは上手いです。
そんなわけで歌も入ってるご機嫌なロマンティック・コメディのよい作品でした。
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