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2006.12.16

『特急二十世紀』(1934年)

この作品はハワード・ホークス監督キャロル・ロンバード主演のスクリューボール・コメディです。私は新旧問わず、この手のコメディが大好きなのです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1934年コロンビア・ピクチャーズ アメリカ作品
原題◆20th Century
パーフェクTV310にて。画質はそれなりに悪い。
プロット 結局元に戻るカップルの話しのようです。

キャスト
ジョン・バリモア→舞台監督のオスカー・ジャフェ
キャロル・ロンバード→女優のリリー・ガーランド
ウォルター・コノリー→ジョン・バリモアの部下オリバー・ウェブ
ロスコー・カーンズ→記者のオーウェン・オマリー


ハワード・ホークス監督の演出はよいと思います。
脚本はベン・ヘクトにチャールズ・マッカーサーの豪華版となっています。ですから設定やセリフがいいと思ってしまった。実際いいけど。
会話シーンの切り返しはやってません。

プロローグでは新しいスター誕生の過程が描かれています。新人女優への厳しい舞台稽古の図が描写されてます。ルーティンな描写。
ここでジョン・バリモアはお前は首だと言ってすぐに忘れてしまうキャラを演じております。こうゆうのは昔からのキャラなんですなと感心する。
稽古から舞台本番の成功で舞台自体は省略してます。舞台のシーンも入れると本筋とは別の話しが始まってしまうからこれはいい処置なんでしょう。

秘書とか代役とかもいかにもホークス好みの女優が出てます。
ハワード・ホークス監督は贅沢です。主役のキャロル・ロンバードはそんなにハワード・ホークス監督の好みのタイプではないんだけど。胸もないし。
で、3年経って喧嘩する仲になってしまう訳です。ここからが見せ所となっていま。

37分を過ぎたあたりでいよいよ特急二十世紀に乗り込みます。
全体的にいい加減なギャグが多くていいです。
ジョン・バリモアが列車内の発砲騒ぎに乗じた最後のハッタリの図では「弾が心臓を貫通してるんだ」と言われてる割に長々と話してます。弾が心臓を貫通してたら普通は死んでますよ。で、キャロル・ロンバードは知ってるのか知らないのかこれにひっかかていたりする。全編こんな調子となっています。

そしてプロローグに戻ります。プロローグでは違うのはキャロル・ロンバードが素人ではなく大女優になってることだけです。いい構成です。

キャロル・ロンバードは悲劇のスクリューボール・コメディの女王です。
ジョン・バリモアは出来の悪いサイレント映画みたいな大根の一歩手前の大熱演で、全編に渡り、躁状態でした。
キャロル・ロンバードもジョン・バリモアに負けずにやりあってました。

そんなわけでとても洗練されているとは言いがたいコメディでした。これがスクリューボール・コメディと言うのでしょう。よい作品でした。

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