『モンキー・ビジネス』(1952年)
この作品はハワード・ホークス監督、ケイリー・グラント、ジンジャー・ロジャース主演のハチャメチャ・コメディです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1952年 20世紀フォックス アメリカ作品
原題◆Monkey Business
DVDにて。画質はよいです。
プロット 若返りの薬で大騒ぎになる話しのようです。
音楽 リー・ハーライン
キャスト
ケイリー・グラント→バーナビー・フルトン博士
ジンジャー・ロジャース→奥さんのエドウィナ
マリリン・モンロー→社長秘書のロイス
チャールズ・コバーン→社長のオクスリー
ヒュー・マーロー→友人のハンク
ヘンリー・レトンダル→助手のジェローム
ジェリー・シェルドン→守衛
不明→サルのルドルフ
ハワード・ホークス監督の演出はまあまあだと思います。
脚本は豪華です。3人がかりで詰め込んである筈。ベン・ヘクト、チャールズ・レドラー、I・A・L・ダイヤモンド。脚本はよく出来ているのでしょう。でも脚本だけでは面白くならないことがよくわかります。
この作品はハワード・ホークス監督のキャリアでは失敗作とななっています。
前に1回だけ見た時は地上波放送の日本語版カット版だと思います。実はあまりいい印象はなかった。サルの芸だけでした。サルのトレーナーが大活躍だったと思えます。
女優さんに関してですが、マリリン・モンローはホークス監督の好みではないし、ジンジャー・ロジャースは更に好みではないし歳も取っている。そんな偏見で見れば投げやりに撮っている感じがしまくりです。
現代にも通じるデタラメで悪趣味な感じを1950年代でやっていたというのもポイントになりそうです。さすがハワード・ホークス監督?となるかも。
そういえばこの作品は低迷時のケイリー・グラントに引退を決意した作品の1つだったような。復活作は『泥棒成金』(55年)だったりします。
タイトルが少し凝っています。出番はまだ早いと楽屋オチのギャグが入っています。正直言ってこの作品で面白かったのはここぐらいでした。
パーティに出るとこのフルトン夫妻。
研究中の薬のことで頭が一杯の夫なので結局出ないことになります。
メガネのケイリー・グラント扮するバーナビー・フルトン博士。
その奥さんがジンジャー・ロジャース扮するエドウィナ。
友人のハンクがやって来ます。
パーティのことなどを話して帰ります。
出勤して社長に説明をするバーナビー博士。
研究室は近くにあります。
『遊星よりの物体X』(51年)では口の悪い記者を演じていたダグラス・スペンサーが研究員の1人で出ています。
サルのルドルフが大暴れして若返ったかと思われるが空振りに終わります。
サルが檻から出て薬を調合して給水器に入れてしまいます。
守衛がやって来てサルを檻に戻します。ついでに給水器にガラスのタンクをセットします。偶然で給水器に薬がセットされることに。
バーナビー博士は自分を実験台に薬を飲みます。苦いので給水器から水を飲みます。苦い水だと文句が出ています。
すぐに効き目が表れます。音楽付きのなのでとてもわかりやすくなっています。
バーナビー博士は元気になって床屋に行く、若作りの服を買う、クルマを買う、とわかりやすい描写が入ります。
フォードのディーラーにいるとこに社長秘書が来て、買ったばかりのクルマに社長秘書マリリン・モンローを乗せて飛ばします。
ここは当時としてはかなりのカーアクションとなっています。
ローラースケートをします。マリリン・モンローの脚が見えるシーンがあります。
プールで飛び込みをします。
で、薬が切れて元に戻るバーナビー博士です。
バーナビー夫人のエドウィナが研究室にやって来て薬を飲んでしまいます。やはり苦いの給水器の水を飲みます。
これで夫と同じ行動をとることになります。
クルマをすっ飛ばして新婚旅行に言ったホテルに行きます。
ダンスをします。ここはジンジャー・ロジャースは慣れたものです。運動神経抜群のケイリー・グラントも楽々こなします。
大騒動となって朝になり帰ります。
研究室に戻った2人はまた薬というか給水器の水を飲んで今度は10才あたりに若返ってしまいます。
とはいえ外見をそのままのなのですから無理に若作りしているのが見ててつらくなります。ホントはそうはならないように演出する筈なのですがそうはなっていません。このへんからハワード・ホークス監督はもう投げています。演じている俳優さんが気の毒になります。
重役や研究員の会議に2人はなだれ込み大騒動となります。大人達?は相手は10才だらその扱いをするんだと奮闘して接しています。
2人がペンキをかけっこするシーンがあります。全然面白くないのがつらいとこです。こまったものです。
エドウィナは寝込み起きたとこで赤ん坊を夫と勘違いして研究室に向かいます。
バーナビー博士は子供たちを使って友人ハンクを頭の皮を剥ごうとします。
このあたりは正直言って見るに耐えません。やはりハワード・ホークス監督の失敗作です。
オチは給水器の水を重役や研究員が飲んで大騒ぎとなっています。
全員飲んだとこで社長が給水器の水は苦いので捨てろと命令してせっかくの薬は流れてしまいます。
エピローグはプロローグのパーティに行くシーンに戻ります。どうやら3日間の出来事のようです。
で、エンドとなります。
コメディはむずかしいとわかります、描写バランスを外したら見るに堪えなくなります。このことがよくわかりました。
そんなわけで正直言って失敗な作品でした。マリリン・モンローが見られただけで満足しましょう。
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