『ヨーク軍曹』(1941年)
この作品はハワード・ホークス監督、ゲーリー・クーパー主演の戦争アクションです。戦争映画ではありません。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1941年 ワーナー アメリカ作品
原題◆Sergeant York
LDにて。画質はまあまあ
プロット 戦争で手柄をたてる話のようです。
音楽 マックス・スタイナー
キャスト
ゲーリー・クーパー→アルビン・C・ヨーク軍曹
ジョーン・レスリー→恋人のグレイシー・ウィリアムズ
ウォルター・ブレナン→ロジアー・パイル牧師
マーガレット・ウィチャリー→ヨーク軍曹の母
ワード・ボンド→アイク・ボトキン
ジーン・ロックハート→ロージー・ヨーク
ハワード・ホークス監督の演出はよいと思います。
前半が開拓物みたいになっています。
土地の為にカネを儲けようとの射撃大会は中々よかった。銃声がいいのだ。七面鳥を撃ち抜くとこはカット、オフで銃声だけで処理(うろ覚えです)ここを絵で見せられると描写バランスが悪くなるもの。さすがホークス監督です。
同じ射撃大会でV字の真ん中ってのはこれかとやっとわかりました。大藪春彦の小説では知っていたけど絵では知らなかったものでわかってよかった。
後半は戦争映画となります。
第1次世界大戦なので銃剣つけての白兵戦があります。これはやりたくないことです。
で、この当時の装備はM1903スプリングフィールド小銃、装弾数5発、30-06実包です。ボルトアクションなので一発撃つたびにボルトを引く見せ場があってよいです。5発のクリップを側に置いて次々と交換して連射します。よいものです。
ですが、ドイツ兵を七面鳥並みに描かれているのはイマイチになります。まあ、1941年制作だからしょうがないとなりますかか。
エピローグは当然ハッピーエンドとなります。
ゲーリー・クーパー扮する後のアルビン・C・ヨーク軍曹の劇的な改心ぶりが売りになるようです。最初からあまり悪そうに見えないけど。やたら聖書にこだわるのは少しとくどいような。このへんがハリウッド的になっています。
ゲーリー・クーパーはやっぱり脚が長い。
ジェームズ・キャグニーがマザコンのギャングを熱演する『白熱』(49年)での母の役マーガレット・ウィチャリーがこの作品でもゲーリー・クーパーの母の役で出ていました。
ジョーン・レスリーのホークス的ヒロインぶりはまあよいものです。何とも都合のよいキャラです。なんなんだい、このキャラは素敵でよいです。
そんなわけで典型的な戦時のプロパガンダ作品です。まあ、あまりこだわらずに見れば面白いものです。
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僕のお気に入りの監督にハワード・ホークス監督がいる。
僕の中では彼のイメージはリオ・ブラボーや赤い河のような、豪快アクションのイメージがあったけれど、ブログを始めてから赤ちゃん教育やヒズ・ガール・フライデーのようなコメディー映画にも抜群のセンスを発揮しているのには驚いた{/ee_2/}あのケイリー・グラントがたたみかけるマシン... [続きを読む]
こんにちは。実はハワード・ホークス監督の映画はロイ・フェイスさんのブログを見るまでは、赤い河とリオ・ブラボーの2本しか見ていなかったのですが、それから赤ちゃん教育とヒズ・ガール・フライデーの2本のコメディ映画を教えて頂き、ありがとうございます。
そして、今回ヨーク軍曹を見ましたが、確かにアメリカのプロパガンダ作品だと思いますが、純粋に面白い映画でした。
投稿: ディープインパクト | 2009.10.18 10:44
ディープインパクトさん、毎度、トラックバックOKです。
『ヨーク軍曹』ですがドイツ兵を七面鳥扱いするのはさすがに見てて引きますね。
腕のいい監督という条件が付きますけど、それでも戦意高揚映画を面白く仕上げるからハリウッドはこまったものです。
投稿: ロイ・フェイス | 2009.10.18 18:56