『第十七番』(1932年)
この作品はアルフレッド・ヒッチコック監督の追っかけサスペンスです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1932年 ブリティッシュ・インターナショナル・ピクチャーズ 英国作品
原題◆Number Seventeen
IVC発売のDVDにて。画質はそれなりに悪い。
ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDヒッチコック・クラシック・セレクション1にて。スタジオ・カナルのクレジットが入る修正版で画質は非常によいです。シーンとシーンをフェイドでつなぐとこでは画質が落ちています。ここは修正出来なかったようです。スタジオ・カナルのクレジットが入るDVDで共通のことです。プロット 宝石を追う話しのようです。よくわからん。
音楽がとってつけたような感じです。
キャスト
レオン・M・ライオン→ブルーカラーのベン
ジョン・スチュアート→最初はフォーダイト実は・・・
アン・カッソン→転落してきたローズ
アン・グレイ→聾唖の女性ノラ
ドナルド・カルスロップ→ブラント
バリー・ジョーンズ→ヘンリー・ドイル
アルフレッド・ヒッチコック監督の演出はまあよいと思います。
怪しい雰囲気やそれらしい描写が全開となっています。これは実験作なの?どれくらい意味ありげなショットが入れられています。あまりよい傾向ではないけど。
そんなわけでサスペンスのためだけのサスペンスではダメなようです。
実はこうでしたと連発しています。これはダメで、こまったものです。
特撮シーンで逆回しあり。このミニチュアを使用した。追っかけは確かによい。汽車の効果音の使い方のよさ。疾走感がよく出てます。
ヒロインが素敵。吊るされる方の人です。このヒロインは後半どうなった?いつのまにかいなくなってしまった。もう1人のヒロインは最後まで出てたけど。
そんなわけでこれは珍しいヒロイン交代の手法となっています。これはよいわけがない。こまったものです。
主演コメディアン レオン・M・ライオンの演技がクドイのが難です。
当時の人気者ということで押さえられなかったようです。さぞアルフレッド・ヒッチコック監督は悔いが残ったでしょう。
このコメディアンのレオン・M・ライオンはいわゆる楽屋に帰ってきて「バカのふりをするのは疲れるんだよ、オイお茶がぬるいぞ」というタイプなのでしょう。
始まったとこで、いきなりキャストが表示されます。
夜、風が吹いています。葉っぱが飛んでる。帽子が転がる。
貸家/売り家の表示がある家に男が入る。ジョン・スチュアート扮するスーツ姿の男フォーダイト。
中に入ると黒猫が通ります。
上にもう1人男がいます。レオン・M・ライオン扮するブルーカラーのベン。
上には男の死体があります。
このへんはサイレント調になっています。
セリフが入ってきます。
死体を調べます。
他も調べます。
ドアが開きます。誰かがいます。
死体から手錠やリボルバーが出てきます。ベンがリボルバーを隠し持つ。
階段から誰か来ます。
いきなり床をぶち抜いて女性が落ちてきます。
アン・カッソン扮するローズが登場。
父は何処?隣りに住んでいる。
電報が届いている。内容は17番で待つ、バートン刑事。
死体が消えます。
玄関では17番の札を持った男女が現われます。
ついでにもう1人の男も入り込みます。わけわからん。
アン・グレイ扮する聾唖の女性ノラ。
ドナルド・カルスロップ扮するブラント
もう1人はバリー・ジョーンズ扮するヘンリー・ドイル。
家を見る来客3人。
そんなとこでリボルバーを出すベン。
もみあったとこでリボルバーが暴発します。フォーダイトがケガをします。
来客3人がこの場を制圧します。
ダイヤの話が出ています。
ベンが逃げようとするが捕まります。
浴室に閉じこめられるベン。中にいた男に首を絞められます。気を失った振りをするベン。
男はタンクからダイヤのネックレスを取り出しています。これをすり取るベン。
また男がやって来ます。
話題のシェルドレイクらしい。死体の男です。
17の札を出す人達。
シェルドレイクと来客3人はずらかります。
ローズとフォーダイトが縛られます。
で、3人を送り出したとこで実はシェルドレイクはローズの父でした。
ローズとフォーダイトを助けるローズの父。
浴室の男が現われてローズの父とアクションとなります。
コマ落としにして動きを速くしています。
加勢するベンですが間違えてローズの父を殴ってしまいます。これはコメディアンありがちなルーティンな演技でした。イマイチ。
実は浴室の男がシェルドレイクでした。
来客3人とずらかるシェルドレイク。地下室へ向かいます。
ここでノラは実は口がきけるとわかります。
階段から転落するローズとフォーダイト。
ぶら下がります。ここをノラが助けに来ます。
浴室ではローズの父がケガをしているとわかります。
ローズはここに残り父を病院へと。
フォーダイトとベンは4人を追います。
ミニチュアの汽車が待機するショットが入ります。
ノラは行かないと言ってもめてます。
ランニングタイム65分のこの作品ですが45分頃から汽車が走るまくるアクションシーンとなります。
大陸行き鉄道フェリーが目的地です。
4人は汽車に乗り込みます。
追ってきたフォーダイトとベンですが、ベンを乗れたがフォーダイトは落とされます。
汽車の保安員を片づけに行く3人の男。
保安員を縛り上げます。
ベンは積み荷の酒を取り出して飲んでいる。コメディアンありがちなルーティンな演技です。イマイチ。
フォーダイトは街に出てバイクを止めようするがダメです。
ミニチュアの街にミニチュアのバイクになっています。
次はバスジャックに成功して汽車を追いかけます。
汽車です。
3人のヘンリー・ドイルは実はバートン刑事でした。
ダイヤがなくなったことに気付くシェルドレイク。
もめています。
実はバートン刑事の方は戻ってノラとベンと話し込む。
ダイヤは?
続いて戻ってきた2人も加わってダイヤの奪い合いとなります。
ミニチュアのバスで追跡してるフォーダイト
汽車です。
ブラントとシェルドレイクは汽車をハイジャックしますが成り行きで暴走状態となってしまいます。
フォーダイトのバスは汽車に追いつきます。
並走して走っています。ミニチュア使用。
鉄道フェリーが着岸しています。
ここは逆回しのフィルム使用していました。当時の技術的な問題からそうなったのでしょう。
鉄道フェリーに激突する汽車。
ミニチュアのスペクタクルシーンとなっています。編集で何とかしています。
ノラを助けに飛び込むフォーダイト。
小ネタで・・・
デビッド・スーシェ主演のエルキュール・ポアロのTVドラマ『ABC殺人事件』にて。映画館で上映されている暴走した汽車がクラッシュしているシーンは『第十七番』だと思われます。
エピローグ
フォーダイト。
バートン刑事。
ノラ。
ベン。
この4人がそろったとこで事情説明のバートン刑事。
ここで実はフォーダイトはドイルでした。から、また実はドイルはバートン刑事でしたとなります。もうどうでもいい感じ。わけわからん。
ノラは無罪放免となるようです。
それで、ダイヤをベンを持っていましたとオチが付いてエンドとなります。
何だかブライアン・デ・パルマ監督の『レイジング・ケイン』(92年)、『ファム・ファタール』(2002年)並みな、とっちらかった作品となっています。
そんなわけでとりとめのない話しのまあまあな作品でした。正直言ってアルフレッド・ヒッチコック監督にしては失敗作となるでしょう。
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