『今度は何の役?』(1992年)
この作品はジョナサン・デミ監督、クリストファー・ウォーケン、スーザン・サランドン主演の劇団内幕物ドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
この作品はジョナサン・デミ監督とキャストで見ました。54分のTVドラマです。
1992年 アメリカ作品
原題◆Who am I This Time
スカイパーフェクTV260シネフィル・イマジカにて。画質は悪い。
プロット 舞台を通じて知りあう話のようです。原作はカート・ヴォネガットJr.だそうです。
音楽 ジョン・ケール
キャスト
クリストファー・ウォーケン→ハリー・ナッシュ/舞台ではスタンリー
スーザン・サランドン→ヘレン・ショー/舞台ではステラ
ジョナサン・デミ監督の演出はよいと思います。
変った手法は使っていないけど、普通によい出来となっています。
素人劇団の舞台で最初は『シラノ・・・』で始まり、その後『欲望という名の電車』が上演になると決まります。
一応オーディションがあって1951年の映画でマーロン・ブランドが演じていたスタンリーをクリストファー・ウォーケン扮するハリー・ナッシュ、キム・ハンターが演じていたステラをスーザン・サランドン扮するヘレン・ショーと決まります。
この作品では映画内の舞台を上手く省略しカットしてこのステラとスタンリーの2人だけに絞っているようになってます。これは上手いです。
電話会社に勤めてるスーザン・サランドン登場では壁にベル電話会社の看板がかかっていまして、ここが電話会社ですとすぐにわかります。これが映画の手法です。
『欲望という名の電車』が上演が決まるといきなりスタンリー役の売り込みが大勢来ますがこれがマーロン・ブランドの物真似に過ぎずギャグになっていました。
クリストファー・ウォーケンとスーザン・サランドン。
この2人が一目あったその日からという描写は主観ショットの逆ズームでした。これはいいです。その他にも主観ショットを多用してました。
全部ではありませんが舞台のカット割りではなく映画のカット割りになっていました。これがいい。
舞台版のラストはこのようになっていたのか。ステラとスタンリーの話しみたいです。だから1951年の映画版は何か不自然なんだ。
私はエリア・カザン監督をした1951年の映画版はあまり好みではなかったりします。映画的になっていなくて舞台そのままに撮ったような感じなのがマイナスポイントです。舞台の映画化は結構難しい。舞台そのままではダメだし、映画だからとやたらあちこちカメラや場所が移動したもダメなのです。
私の推薦する舞台の映画化絶品2本立て。
ウィリアム・ワイラー監督の『探偵物語』(51年)
アルフレッド・ヒッチコック監督の『ダイヤルMを廻せ!』(54年)
と、なります。2作品とも限定された場所に集約化されたドラマに、しかも映画的で素晴らしい出来となっています。
舞台上演が無事に終わり、話しは佳境に入ると思ったらそうでもなくて再演が何回かあってステラ役の出来の悪い回もあったりして結局収まるとこに収まります。
シャイな二人は芝居の練習?をしてプロポーズに至ります。原作は未読ですがこれがカート・ヴォネガットJr.のタッチ?
スーザン・サランドンは茶のニットでノーブラみたい。可愛い声をしています。ホントにこの人は可愛い声なのがいいです。ぎょろ目なので可愛い出目金といった感じがよろしい。
シャイな私は人と接せずビンの中にいるみたいと言う時に手の動きがパントマイムでビンの中になっていました。これは凄い。なりきってます。
普段はシャイな金物屋の店員で舞台の主演になると役になりきるキャラのクリストファー・ウォーケン、『欲望という名の電車』のスタンリーになりきり演技が凄い。ホントの舞台でも通用しそう。マーロン・ブランドとは全然タイプが違うのですがこれがハマっています。
私は英語の舞台は聞いてても平気なのに日本語の舞台はダメなんですが何故でしょう?あのわざとらしい自己顕示丸出しの絶叫芝居が苦手。変なアクセントですし。
そんなわけで短いけどよく出来た作品でした。
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