『スピーシーズ 種の起源』(1995年)
この作品はロジャー・ドナルドソン監督、ナターシャ・ヘンストリッジ主演のSFアクションのダメダメな作品です。
なおこの文はネタバレ全開とこき下ろしになっています。
1995年 アメリカ作品
原題◆Species
パーフェクTV313にて。画質はよいです。
プロット 怪物を創ってしまいそれを追う話しのようです。
キャスト
ナターシャ・ヘンストリッジ→シル=異種生命体で追われる者
ベン・キングズレー→シル担当責任者で所長
マイケル・マドセン→実戦担当
マーグ・ヘルゲンバーガー→科学者
フォレスト・ウィテカー→霊能者
アルフレッド・モリナ→人類学者
ロジャー・ドナルドソン監督の演出はイマイチだと思います。
出来の悪い作品とはこのような作品です。
話しは早い。いきなりシルが脱走するとこからになっている。
物々しい雰囲気で何が始まるんんだろうとなります。ですが脱走が一段落する開始12分でもう停滞気味になります。
追う追われるを平行してカットバックで描いてます。まあまあ。
安易にホームレスを出さないでくれ。ホーボーとなってたけど。ホーボーなんて1930年代の言葉ではなかったのか。今でもそう言うのかな。
アクションシーン以外の本編が退屈なんです。どうでもいい会話が多い。挨拶が多い。エレベーターのボタンを押すショットなんか撮ってどうする。
被害者になるサポート俳優の扱いが無神経です。車掌に死体の身代わり等。
シーンの終わりに関係ない店員やモーテルのフロントを長々と撮っている。無意味です。
やたらヘリが飛び、無理なカークラッシュにカーチェイスとなっています。
効果音でいきなり大きく入れて驚かせようとしてます。安い手法です。
つまらないフェイクがあった。ごみ箱の中からホームレスが出て来る図。と、ここから偽装工作の為ナターシャ・ヘンストリッジがわざと目に付くように出てきて意表をついてるつもりのようです。ここも下手な演出です。
クライマックスで科学者や霊能者等の戦闘の素人に武器を持たせてどうする?
ラストの落ちは何ですか。安い。
頻繁に挿入されるシルが見るフラッシュバックは何なんだ。無意味に思えます。
CG丸出しな動き。なんでコマ撮りみたいになる?慣性や重力を無視した動きは変です。レイ・ハリーハウゼンのコマ撮りの動きをスムーズにしただけに見えます。それだけレイ・ハリーハウゼンの影響が大きいということのようです。
ショックムービー等で見られる安いビックリ演出は低予算な作品だから許されるんだと思います。カネをかけてこれでは困る。演出は安い作品でした。元大統領のクリントンに似てるだけが取り柄のりロジャー・ドナルドソン監督が何故か仕事が途絶えない。不思議です。
『大時計』(48年)とそのリメイク『追いつめられて』(87年)の比較すると『大時計』のジョン・ファロー監督よりロジャー・ドナルドソン監督は下手だった。当時からとても下手な監督で有名なジョン・ファローより下手だったら監督ではないと思えます。→監督ではなく撮影現場管理者か?
キャストをないがしろにしてる演出が多い。
せっかく出ているベン・キングズレー所長は馬鹿みたいに見えてしまいます。クライマックスで現場で動転してる霊能者に捜せと言う無茶な所長です。これが出来ないのを非難した挙げ句の果てに死んでしまうし。こうゆうのを見ると全く演じる俳優には責任はないと改めて思います。
フォレスト・ウィテカーの霊能者も馬鹿みたいに見える。集中できない状況で無理を言われてる気の毒なキャラです。
マイケル・マドセンはいい声してる。喋り方もいい。『テルマ&ルイーズ』(91年)で見てた筈なんですがこんなにいい声してる覚えがなかった。
キャストは豪華なのでホントにもったいない。
シル=追われる者
ブロンドからブルネットへ。ブロンドもいいしブルネットもいい。
ナターシャ・ヘンストリッジはいい感じでした。
子役のシルはミシェル・ウィリアムスが演じていたようです。
愚かなのか賢いのかわからん描写が多い。ホントに予備知識が無ければ何も出来ない筈ですがそうでもない、でも、わかりません的描写が多用されてて見てる方が混乱します。この辺はどうしても御都合主義になるので演出する監督のセンス次第なんですが、ロジャー・ドナルドソン監督にそれを期待するのは無理なことです。
24分で本格的にナターシャ・ヘンストリッジで登場。
モーテルにてテレビで学習するのはルーティンな描写です。
37分でようやくまともな格好になる、赤のセーターに黒のパンツ。
なんといううか煮え切らないキャラでした。やらせるならやらせろとなる。
58分で最終形態まで完全変態する。でもまたナターシャ・ヘンストリッジに戻ったりする。よくわからん。
自分を事故死したかのように見せかける偽装工作の描写がわかりづらいこと。
何をしてるんだかわかりません。これは監督の意図ではなく単に演出が下手だからでしょう。説明セリフがないと駄目なの?それでは映画にならないよ。
子種欲しさでマイケル・マドセンを追って来たのに成り行きでアルフレッド・モリナに乗り換えてしまうのは何で?
で、セックスになって騎乗位で背中からのアングルになりこれはヘンストリッジの背骨がきれいに浮いてるとこが見れると思ったが妙なCGでこれが見れず。有料チャンネルなのでカネ返せと言いたくなります。かように見てる者の予想を外しまくっています。
これなら男を追うとこの設定が同じな本のパラサイトイヴの方が面白い。
この作品の評は非常に悪かった。そんなにひどいのなら、どのくらいひどいのか見たくなりました。それにナターシャ・ヘンストリッジに豪華なキャスト、話しも面白そうなので見ました。
で、さてどのくらいつまらないのでしょうか?→ナターシャ・ヘンストリッジが動いてるだけでもいい、ここまで基準を落として見たせいかそんなに腹もたたず。演出が下手なのは参るけど。
ナターシャ・ヘンストリッジが動いてるのを見てマイケル・マドセンが喋るのを聞いてるだけで、まあよかった。でもパーフェクTVだからよかったもののDVDで買ったらアタマに来るとこでしょう。DVDは再見出来ることが絶対の条件ですから。
そんなわけでとてもよい出来とは言えない作品でした。でも主演のナターシャ・ヘンストリッジには責任はありません。全部ボンクラなロジャー・ドナルドソン監督のせいです。
« 『三十九夜』(1935年) | トップページ | 『セイント』(1997年) »
「映画」カテゴリの記事
- 『彼らは忘れない』(1937年)(2022.02.27)
- 『ギャングを狙う男』(1953年)(2022.02.26)
- 『ブラック・リッジ』(2020年)(2022.02.20)
- 『フローズン・ストーム』(2020年)(2022.02.19)
- 『私は逃亡者』(1947年)(2022.02.13)
「1990年代」カテゴリの記事
- 『地獄の女スーパーコップ』(1992年)(2018.12.30)
- 『マングラー』(1995年)(2018.12.16)
- 『ホムンクルス 新種誕生』(1997年)(2018.12.15)
- 『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』(1998年)(2018.08.26)
- 『ありふれた事件』(1992年)(2018.03.11)
コメント