『ダロス』(1983年)
この作品は鳥海永行が原作・脚本、押井守監督のSFアクション・ドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1983-1984年 スタジオぴえろ/バンダイ 日本作品
原題というか英題◆Dallos
DVDにて。画質はよいです。
プロット 月を舞台に体制側と労働者側が争う話しのようです。
音楽 新田一郎、難波弘之
キャスト
労働者シュン・ノノムラ→佐々木秀樹
一応ヒロインのレイチェル→鵜飼るみ子
悪役のアレックス・ライガー→池田秀一
アレックスの恋人メリンダ・ハースト→榊原良子
レジスタンスリーダーのドグ・マッコイ→玄田哲章
シュンの祖父タイゾー・ノノムラ→鈴木瑞穂
ナレーター→中田浩二
押井守監督の演出はよいと思います。
鳥海永行が原作・脚本。師弟コンビとなっています。
鳥海永行はTVシリーズ『科学忍者隊ガッチャマン』(1972年)の演出で有名です。
『科学忍者隊ガッチャマン』は講談調の展開やセリフとバタ臭いキャラデザインのアンバランスな組み合わせがいいんです。空前にして絶後のTVシリーズだと思います。
鳥海永行師匠には弟子の押井守には無い熱い心があると思います。
弟子の押井守にはハートが無いわけではなく醒めたハートがあると思う。
この作品は映画ではなくてオリジナル・ビデオ・アニメです。
開拓の進んだというかまだ開拓途中の月が舞台となっています。
『ダロス』第1部『リメンバー・バーソロミュー』
前説字幕。月で生きるのは大変ということらしい。
月面都市モノポリスが舞台。月の裏側。
打ち合わせする男達。誘拐?
当局にサーチされています。頭に認識リングを装着されています。
手入れとなります。チェイスシーン。
地下鉄です。終点です。レベル3。
悪役キャラのアレックス・ライガーが登場。
テロリスト=レジスタンス4人を片づけます。
レジスタンス リーダー格のドグ・マッコイには逃げられます。
レベル3=カスバと言ってます。これはまたクラシックな例えです。フランス映画『望郷』(37年)を見ていないとわからん。
レベル3にて。
主人公のシュン・ノノムラ登場。機械いじりが好きな描写。
ガールフレンドのレイチェルも登場。
シュン・ノノムラ 17歳。
祖父
父
母
兄は行方不明というか土星送り。
そんな感じでキャラ紹介となっています。
警察犬がシュン・ノノムラに迫る。
これを修理中の道具で片づけます。これはこまったなとなってとこでドグ・マッコイが登場。犬の死体を持っていってくれます。
夜、空港でデートのシュン・ノノムラとレイチェル。
美人キャラのメリンダ・ハーストが登場。アレックス・ライガーの恋人です。
ここでメリンダ・ハーストに鉄くずが投げつけられます。テロ行為ということで巻き添えで捕まるシュン・ノノムラ。
取り調べでアレックス・ライガーに兄タツヤのことを聞かれます。
バーソロミュー列車強盗事故の回想が入ります。
収監されるシュン・ノノムラ。
ここでドグ・マッコイが脱走の手助けに来ます。成り行きで脱走するシュン・ノノムラです。
帰宅するシュン・ノノムラ。ドグ・マッコイもいる。
走る男は何処へ?→ドグ・マッコイに御注進です。
例の計画とは?
宇宙船で月面を見学のメリンダ・ハースト、案内のアレックス・ライガー。
正体不明のダロスのことの話しが出ます。
そんなとこで突然ゲリラ活動です。
船から脱出のアレックス・ライガーとメリンダ・ハースト。
メリンダ・ハーストが捕まります。
一方戦闘機を落とすシュン・ノノムラ。立派なレジスタンスぶりです。
レジスタンスのアジトです。
シュン・ノノムラとドグ・マッコイ。
人質のメリンダ・ハーストは何も知らないのかと責められています。
もう後戻りは出来ないとドグ・マッコイ。
『ダロス』第2部『ダロス破壊指令!』
前説字幕。ルナリアン3世。
レベル3にて。マガジンに実包を詰める男。
外には当局が大勢いて詰めています。
突入でアクションとなります。空薬莢が飛びます。
突入する当局のメカ デバッガー。バルカン砲を発射で空薬莢の雨となっています。これは押井守監督の趣味が出ています。
自爆するレジスタンス。なかなか壮絶な展開となっています
会議です。
アレックス・ライガーは孤立気味。
街中でゲリラ活動の図。
やるかやられるかといった感じとなっています。
地下のレジスタンスのアジトです。
ゲリラ活動は当局が交渉に応じるまで続けるつもりらしい。
メリンダ・ハーストに面会のシュン・ノノムラ。
これに嫉妬のレイチェル。これは鳥海永行師匠の趣味のようです。こういうのを講談調といいます。
攻勢に出る当局側。
サイボーグ犬の群れを放ちます。
効果はあったらしい。レジスタンス側は逃走した。
アジトに踏み込むアレックス・ライガー。メリンダ・ハーストはいない。
街中にて。
レイチェルとコンタクトのアレックス・ライガー。
会話からすると月で生まれたルナリアンはダロスがより所?らしい。
ダロスに手を出す当局。
レイチェルにダロスのことを話す祖父。
シュン・ノノムラを捜しにダロスに向かいます。
ダロス内部に入る当局のデバッガー数機。
レジスタンス側は迎撃にミサイルを放ちます。
活動を開始するダロス。
地下道を祖父と移動のレイチェル。
シュン・ノノムラと遭遇します。メリンダ・ハーストもいます。
アレックス・ライガーのデバッガーと遭遇します。
アレックス・ライガーと対決のシュン・ノノムラ。
そんなとこでダロス活動の余波で落盤がおこる。何が何だかわからん状態です。
結局ダロスは破壊されたらしい。
『ダロス』第3部『望郷の海に起つACT.I』
前説字幕。ダロスは破壊とのことです。
レベル3とストライキ中。まだ全面ストライキではない。
ダロス破壊でパトロールの当局側隊員の士気も落ちています。
女性レジスタンスのエルナ登場。キャラデザインが1980年代風。
祖父の具合が悪い。メリンダ・ハーストの忠告。
口論となっています。
当局側です。
地球側の言い分とか。この期におよんで権力争いとか。しょうもない。
委員会と交渉のドグ・マッコイ。
全面ストライキで当局を交渉の場に出すと言ってます。
議論となります。
祖父を運ぶシュン・ノノムラ。メリンダ・ハーストも同行。
上に出たとこでレジスタンスに見つかります。
そんなとこでレベル3内で大爆発が起こります。シュン・ノノムラの居住区辺りが壊滅状態となります。
レジスタンスも当局側に見つかり逃走します。アクションとなります。
ダロスへ向かうレジスタンス一行。
レベル3の爆破現場では。
当局側の不手際で死亡確認となる認識リングが多数を放り出されるアクシデントから労働者の暴動となります。
そんなこんなで全面ストライキ指令が出ます。
当局の会議です。
爆破指令は誰が出したとやっています。こちら側を色々な勢力争いをしているようです。
ダロスが自己修復して復活していると連絡が入る。
それとは別にレジスタンスもダロスに集まっている。
事態は戦争へと進行していきます。
レジスタンス側です。
メカニック担当のマックスも実戦参加へ。
当局側です。
副領事からアレックス・ライガー殺害指令が出ます。
『ダロス』第4部『望郷の海に起つACT.II』
当局側とレジスタンス側の戦争となります。
アクション・シーンの連続となります。
機動歩兵も出ています。
ダロス内にデバッガーが侵入します。
ダロスは活動に入ります。
どうも旗色が悪いレジスタンス側。残り10台ぐらい。最後の突撃で突っ込むしかありません。
ダロスは活動中。レジスタンス側も当局側も見境なしにレーザー砲を撃ちまくりとなります。
モノポリスへとレーザー砲攻撃が進行しています。
総督は全市に活動停止令を出します。とにかくおとなしくしていろということらしい。
生き残ったドグ・マッコイとマックスの会話。
シュン・ノノムラとアレックス・ライガー。
アレックス・ライガーと再会するメリンダ・ハースト。この場を去る2人。
レイチェルの言い分。
全面ストライキは解除となります。
ドグ・マッコイとマックスの会話。何も変っていないとマックス。これからだとドグ・マッコイ。
働きに出る父のモノローグ。これが私の生きる道ということらしい。
船を貸してくれるアレックス・ライガー。
祖父とシュン・ノノムラが乗り込んで地球が見える望郷の海へ向かいます。
モノポリスのドームから出る船。
眠ります。移動時間は長いらしい。
廃虚となった初期の月面都市を通過します。
いよいよ地球が見えます。
墓地に着きます。
地球を見て祖父は何を思う。祖父は死に至ります。
自分を考えを地球に向けて喋るシュン・ノノムラ。
レジスタンス活動を続けるとなります。
これにオーバーラップして地球側の決定が入ります。
エンドとなります。
結局なんのことやらよくわからん話しでした。総合的な話しらしい。
そんなわけで鳥海永行が原作・脚本、押井守監督、両者の個性の微妙なバランスで出来ている、よい作品でした。
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ルナリアン鉱山労働者の生活描写がちょっときれいすぎるなどと言う人もいるが
僕はちょっと違うと思う1983年といえば高度成長期から一段落ついて
社会は安定した成長期からさらに一歩踏み出そうとするバブル時代へ突入する過渡期だった
ディズニーランドが開園され一億層中流が叫ばれNHKで「おしん」が放送された年でもある
仕事の効率が重視されカロリーメイトなどが発売された年でもあり
過労死などについて叫ばれ始めた時期でもある
一見平和で不自由の無い生活のように見えても社会に縛られ会社に縛られ
そこから抜け出すことができないその時代を象徴していると思うが
今の日本の現状から見れば幸せな世代だという話になるが
それは時代時代の考え方なので今の尺度で測るのはおかしいと思う
そういった意味でも古いアニメなのは確かだ
投稿: ぷりそ | 2012.11.06 00:09