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2006.10.28

『トゥー・デイズ』(1996年)

この作品はジョン・ハーツフェルド監督、渋いオールスターキャストの群像サスペンスのはずです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1996年 レデプション・プロダクション/ライシャー・エンタテインメント/MGM アメリカ作品
ランニング・タイム◆105分
原題◆2days in the Valley
プロット◆殺しをめぐって色々とある話のようです。
音楽◆アンソニー・マリネリ
◆スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
◆パラマウント発売のDVDにて。画質は非常によいです。スクイーズ収録のフル表示。画面サイズはワイドで上下黒味あり。

キャスト
ダニー・アイエロ→元殺し屋のダズモ・ピゾ
ジェームズ・スペイダー→現役の殺し屋リー
エリック・ストルツ→軟派な刑事ウェス・テイラー
ジェフ・ダニエルズ→強硬派のアルビン刑事
ピーター・ホートン→ベッキーの前夫ロイ
テリ・ハッチャー→オリンピック選手のベッキー・フォックス
シャーリーズ・セロン→オリンピック選手のヘルガ・スベルゲン
グレッグ・クラットウェル→結石持ちの美術商アラン
グレン・へドリー→アランの秘書スーザン
マーシャ・メイスン→看護師のオードリー
ポール・マザースキー→自殺志願の映画監督テディ
キャサリーン・ルオング→ベトナム人のミドリ
ルイーズ・フレッチャー→大家のイブリン
キース・キャラダイン→クレイトン刑事
エイダ・マリス→カーラ刑事
オースティン・ペンドルトン→テリーの知人ラルフ・クルピ
マイケル・ジェイ・ホワイト→バック


ジョン・ハーツフェルド監督の演出はまあよいと思います。
複数の話が平行して進行しラストに一体となる構成のようです。脚本がよく出来ているとなるんでしょう。パズルのような脚本でした。だからどうしたというのが正直なとこです。
やたらと顔のアップのシーンが多い。これは意図不明でした。
この作品はブラック・コメディなの?ダニー・アイエロがハンドガンを持ちながら料理を作るとこあたりからそんな感じに思えます。

登場キャラ達。
オリンピック選手の元夫婦。リレハンメルとなっていました。スキーの選手のようです。
刑事コンビ。
殺し屋コンビ。その後二手に別れます。
性格の悪い成り上がり男に秘書。
自殺志願の映画監督に看護婦。
このようなキャラそれぞれの話が平行して進行します。

この作品の白眉なシーンはエリック・ストルツ刑事が、刑事になりすました殺し屋ジェームズ・スペイダーにあてずっぽうの推理をしてそれが当たっているシーンです。
アルフレッド・ヒッチコック監督の『ダイヤルMを廻せ!』(1954年)でレイ・ミランドに嘘の告白をしろとロバート・カミングスが迫るとこと同じで、これはいいです。

そんなわけで、この作品のキャストで『ダイヤルMを廻せ!』(1954年)のリメイクが作れます。
レイ・ミランドにはジェームズ・スペイダー、ロバート・カミングスにはエリック・ストルツがピタリとはまります。
グレース・ケリーには首を絞められるとこだけなのでブロンドのシャーリーズ・セロンで大丈夫。
ジョン・ウィリアムス警部には太り過ぎで似てないけどダニー・アイエロでいいです。
色男で殺しに来て殺される殺し屋にはこの作品には出てない特別ゲストのビンセント・ギャロあたりが合っている感じがします。
監督は『コピーキャット』(1995年)でアルフレッド・ヒッチコック監督がステディカムを使ったらこうなるのでは思わせる演出をしたジョン・アミエル監督でいいです。
これを書いてたらホントに作って欲しくなった。
リメイクの『ダイヤルM』(1998年)はあまりよい出来ではなかったのでそう思ってしまいます。

ジェームズ・スペイダーはいつもとは違い黒縁眼鏡に短髪でクール?に決めていました。
エリック・ストルツはいつもと同じで何か情けない感じの人。
この2人はよく一緒に出ています。実生活でも知りあいなんでしょう。それとも事務所が同じなのかな。

シャーリーズ・セロン対テリー・ハッチャーのオリンピック選手2人でキャットファイトな格闘アクションシーンがあります。あまり本格的ではなくてもっとしっかりやらないと運動能力があるはずのオリンピック選手には見えなくなってしまいますよと思ってしまった。
この時点ではシャーリーズ・セロンよりテリー・ハッチャーの方がキャリアが上なのでキャストの出し方の扱いがいい。

シャーリーズ・セロンはブロンドで白い肌。この作品が実質的な映画デビュー作です。ここでは脱いでいました。『ディアボロス』(1997年)でも脱いでいるらしい。脱ぐシーンでないと思える『マイティジョー』(1998年)では脱いでいないでしょう。もったいないからあまり脱がなくていいです。
シャーリーズ・セロンのヌードは形がよすぎてマネキンみたいであまりエッチな感じがしないものあります。

マーシャ・メイスンは普通の太ったおばさんになっていました。見たことがある作品は『名探偵再登場』(1978年)くらいです。

映画監督が持っている25口径のオートマティックハンドガンは自殺用ですか。護身用ともいうけど。
クルマ泥棒の描写がありましたが今どき直結で動いてしまうクルマがあるんですか。というよりここではそういうことなんですか。

日本風マッサージ店のベトナム人の人はきれいでした。顔を赤くするとこもよかった。日本人かと思ったら違うようです。


◆DVDにて。
夜。L.A.の丘の道路脇にて。クルマが停まってる。
殺し屋2人がある家を監視しています。盗聴と暗視双眼鏡。
監視されているのがオリンピック選手のベッキー・フォックスとロクデナシのベッキーの前夫ロイです。
ベッキー・フォックスとロイはリレハンメルに連れてきたヘルガのことで口論となっています。
痴話喧嘩がようやく終わって殺し屋2人が入ります。

タイトル名は短く出て、それだけです。
キャスト等は出ていません。

映画監督テディのアパートにて。
ルイーズ・フレッチャー扮する大家のイブリンが4ヶ月滞納している家賃を取りに来ています。
テディは自殺用のハンドガンを持ち歩いています。25口径のオートマティックは威力はなく自殺用ハンドガンです。護身用ともいうけど。

殺し屋2人はいよいよ仕事を始めています。
ベッキー・フォックスの尻に注射して眠らせ、ロイを締め上げています。
お得意のストップウォッチで1分間の儀式をやってる殺し屋のリー。

道路にて。
赤いBMWのオーブンカーを走らせてる肝臓結石持ちの美術商アランが発作を起こして苦しんでいます。大都会L.A.なので知らんぷりです。
美術商アランは携帯電話で秘書を呼んであれこれ指示を出してこき使っています。
で、クルマ泥棒がクレジットカード欲しさに助けたようです。盗難車に美術商アランを乗せて行ったきりなのでよくわからん。

映画監督テディは犬を散歩です。
オースティン・ペンドルトン扮する知り合いのラルフと会ってとりとめのない会話となっています。

夜が明けます。街の風景がモンタージュされてる。
スタジオ・シティまで1マイルの道案内の標識が見えます。

日本風のマッサージ屋にて。
ウェス・テイラー刑事がお客でいます。
ここは手コキまでか?よくわからん。

店を出て相棒のアルビン刑事のクルマに乗り込むウェス・テイラー刑事。
アルビン刑事はこのマッサージ屋の手入れをやりたくてしょうがないようです。

殺し屋2人のクルマにて。
殺し屋ダズモが殺し屋リーに色々と聞いています。
空き地に停まります。
いきなりダズモを撃つリー。指紋を拭きとって、コカインをばらまいて、トランク内の時限爆弾をセットしています。

迎えのクルマに乗り込むリー。
運転しているのはヘルガです。ところでこの作品のシャーリーズ・セロンのメイクですがジーン・ハーロー風にしているようです。
大爆発するクルマ。ダズモは逃げています。空き地の下に転がって逃げてた。
防弾チョッキを着ていたようです。用心がいい。
ここは美術商アランの自宅のすぐ外でした。

美術商アランの自宅にて。
赤いBMWで秘書の運転で帰宅する美術商アラン。
犬がプールで泳いでいるのを見て焦っているダズモ。
クルマ泥棒の命の恩人に贈り物をするとか言ってる美術商アラン。
秘書のスーザンは8年勤めてるらしい。
肝臓結石の痛みに悩まされている美術商アラン。
ダズモは犬にリボルバーを向けて固まっています。
で、リボルバーで脅かしてBMWのキーを受け取って逃げようとしたが回りはパトカーがうようよしているのでまた戻ります。

モーテルにて。
殺し屋リーがヘルガといます。
ヘルガは北朝鮮のスパイ?何だかわからん。
で、セックスとなります。シャーリーズ・セロンのヌードありです。

美術商アランの自宅にて。
リボルバーを片手に料理中のダズモ。
アランに何でクルマが爆発した?とか聞かれています。
何だかんだで食事となるダズモ。

ベッキー・フォックスの自宅にて。
目覚めるベッキー。血だらけで驚愕しています。

刑事2人のクルマにて。
まだ手入れにこだわっているアルビン刑事。
ウェス・テイラー刑事は女の子は被害者だと言ってます。
そんなとこに血だらけのベッキーが助けを求めてきます。まだ刑事だとは知らなかったようです。
手入れ仕事には嫌気がさしてるウェス・テイラー刑事はこれはちょうどいいとなっています。

映画監督テディが墓場に来ています。犬を連れています。
ヘンリエッタ・ペッパーズ陸軍婦人部隊。どうやら死んだ夫人らしい。
映画監督テディはここで自殺するつもりらしいが犬が吠えて出来ません。
そんなとこに看護師のオードリーが古いクルマでやってきます。青いコンバーティブル。
テディは犬の世話を看護師のオードリーに頼みます。全くの行きずりの他人なんだけど・・。
テディ監督の映画の話しをしています。そのせいか犬を引き受ける看護師のオードリー。
犬の名前はボギー。で、戦争映画の話からハンフリー・ボガートの戦争映画は『東京ジョー』(1949年)だとしていますが、それより『サハラ戦車隊』(1943年)ではないの?と思えます。
これでお別れかと思ったら犬を世話する人を紹介するとなりテディもクルマに乗ります。

美術商アランの自宅にて。
まだいるダズモ。そんなとこにオードリーとテディが来ました。

ベッキー・フォックスの自宅にて。
アルビン刑事とウェス・テイラー刑事が調べに入ります。
この家では誰も吸わない筈のタバコの箱がありました。
この刑事2人は仲が悪い。非常に悪いんです。

美術商アランの自宅にて。
預ける犬のことで話し込んでいます。

クローゼットではダズモはアランの服のことでサイズが合うわけないだろうと言われて口論となっています。
体型が全然違うとアラン。珍しくまともなことを言っています。
口論からアランはガキの頃はトレーラーハウス暮らしで成り上がったらしい。

バレー分署にて。
クレイトン刑事とカーラ刑事から色々と聞かれてるベッキー。

迎えのクルマに乗り込むベッキー。運転しているは何故かヘルガです。
会話からすると殺し屋に依頼したのはベッキーらしい。
ところが支払う予定の3万ドルが殺しのあった自宅の金庫にあるとわかります。それはまずいじゃんとなります。まさか自宅で殺しがあるとは思っていなかったベッキーです。
この3万ドルをどうすると口論になっています。

美術商アランの自宅にて。
長々と話しをしているテディとオードリー。

モーテルにて。
殺し屋リーとヘルガとベッキー。
3万ドルの相談となります。自宅には刑事がいるからダメとベッキー。
ベッキーはリーにもう1人いたでしょうと聞いてます。リーはあいつは死んだ今回の件は全部死んだ奴のせいになると言っています。
この時点でリーはまだダズモが生きてることを知りません。

美術商アランの自宅にて。
ダズモが出てきて、日が暮れるまでここにいるとなります。ハイジャック状態となります。まだ昼です。
テディがメモを取っているをみて怒り狂うテディ。犬は吠えてるし。もう何だかわからん状態。

リーはクルマで移動中。
信号待ちで隣はアルビン刑事だったりします。コンタクトは無い。

アルビン刑事は帰宅します。
自宅は誰もいないらしい。隣からゴルフボールが飛んできて窓ガラスを割っています。激怒しているアルビン刑事。
プレゼントの水鉄砲を用意してるアルビン刑事。メッセージを書いています。どうやら1番目のパパらしい。
そうなると婦人も子供をここにはいないらしい。

日本風マッサージ屋の前にて。
クルマのウェス・テイラー刑事。

アルビン刑事の自宅にて。
手紙があります。48時間以内にバッジとハンドガンを返還せよとなっています。
家庭も仕事もダメなアルビン刑事でした。どうしようもない状況です。
これでアルビン刑事の出番は終わりです。

モーテルにて。
口論からキャットファイトになるヘルガとベッキー。
ここはスタントがバレバレなんですが・・・。
ハンドガンが暴発してヘルガが腹を撃たれます。

ベッキー・フォックスの自宅にて。
クレイトン刑事とカーラ刑事が調べています。殺し屋の手口は見事だと言ってます。
ここにその殺し屋リーが入ります。
カーラ刑事が撃たれます。クレイトン刑事も撃たれます。アッサリと2人は退場となります。
金庫の金を取り出します。そこにウェス・テイラー刑事がやってきます。
クレイトン刑事のバッジを手に入れる殺し屋リー。どうやらリー刑事になるようです。
ここから『ダイヤルMを廻せ!』(1954年)のシーンになるわけです。
捜査状況を見せてくれとウェス・テイラー刑事。自分の推理を殺し屋リー刑事に披露しています。
これが大当たり。犯人は目の前にいます。で、殺す気満々の殺し屋のリー刑事。
そんなとこに撃たれて血だらけのヘルガが来ました。
リー刑事はウェス・テイラー刑事を殴打して昏倒させます。

美術商アランの自宅にて。
日が暮れたので全員で移動となるようです。
テディは自殺する気満々なのでダズモを全く恐れていません。オードリーの安全を保障せよと交渉しています。
アランが嫌がったので殴打して昏倒させるダズモ。これで4人となってBMWの定員ちょうどになります。
赤いBMWで出発します。どこに行く?

ベッキー・フォックスの自宅にて。
ヘルガはもう死にそう。病院には連れていけないとリー。
ベッキーはどこに行ったと聞いてるリー。で、ヘルガのことを愛してるが病院はダメとリー。
射殺しようとしたハンドガンがジャムしてる隙にヘルガは家の外に出ています。通り掛かりのクルマを止めています。

ここに赤いBMWが通りかかるわけです。
オードリーがヘルガの容体を見るけどもうダメなようです。

赤いBMWは秘書のスーザンとダズモだけで移動しています。
ベッキー・フォックスの自宅に到着します。ここが目的地でした。
ウェス・テイラー刑事を挟んで撃ち合いとなります。
ダズモはウェス・テイラー刑事を助けようとしてリーに撃たれます。また防弾チョッキで助かっています。
ここで思わぬ助けが入ります。自殺用ハンドガンでテディに撃たれるリーとなります。
ウェス・テイラー刑事はダズモを逃がしています。
ダズモとテディにお礼を言ってます。

エピローグ。
L.A.の街の風景。
ジョギングしてるベッキーは停めてあったクルマに乗り込む。クルマの貼ってあるステッカーからナゴヤを目指すらしい。
BMWのダズモとスーザン。かつらはもう必要ないとスーザン。
オードリーは仕事中。テディが犬を連れて来ています。

エンドとなります。
アルビン刑事は半端な扱いだったような。落ち込んだまま終わっています。

そんなわけでサスペンスかと思って見たらブラック・コメディのまあまあな作品でした。オールスターキャストで何とかもっていました。



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コメント

初めまして。「トゥーデイズ」かなり前に観た事あります。オイとしてはなかなか面白い作品だなって思いました。シャーリーズセロンの裸もさることながら、刑事の一人が捜査の裏づけのためにお客として潜入したマッサージ店の店員さんがとても可愛かったのを覚えてます。結局名前も知らずです。その後観た事ありません。今でも女優さんしてるのかなぁ。お邪魔しました。

しぽ さん、コメントありがとうございます。

マッサージ店の店員さんですがIMDbにてタイトル名の2 Days in the Valleyで調べるとそれらしい人がいます。
マジでベトナムの人らしくKathleen Luongという名前のようです。出演作も結構あるようです。アジア系の人はハリウッドでは差別されて大変ですからよくやっていると思えます。

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