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2006.10.12

『未知への飛行 フェイル・セイフ』

この作品はシドニー・ルメット監督の水爆サスペンスです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
『機動警察パトレイバー2』(1993年)で見どころの1つに緊張感がある幻の空爆シーンがあります。で、この緊張感が全編に渡ってあるのがこの作品なのです。
よい作品ですが邦題だけはイマイチです。公開時期が『未知との遭遇』(1977年)の頃だったのでこうなったと思われます。この作品の価値を下げているしょうもない邦題です。こんな邦題では観光映画だと思えてしまいます。『未知への飛行』は無くして原題そのままの『フェイル・セイフ』でよかったのに。

1964年 コロンビア・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆112分
原題◆Fail Safe
プロット◆重大な事故に対処で悪戦苦闘し、1つの結論を出す話しのようです。
音楽◆音楽はなかったような。
ソニー・ピクチャーズ発売のDVDにて。画質は非常によいです。


キャスト
ヘンリー・フォンダ→アメリカ大統領
ダン・オハーリヒー→ブラック将軍
ウォルター・マッソー→タカ派のグロテシェル教授
ジャネット・ウォード→ブラック将軍夫人ケティ
ナンシー・バーグ→パーティのエルザ、1960年代美人
ソレル・ブーク→視察に来たラスコブ議員
ラッセル・コリンズ→技術系のナップ氏
フランク・オバートン→オマハのボーガン将軍
フリッツ・ウィーバー→カシオ大佐
エド・バインズ→1号爆撃機のグラディ機長
フランク・シンプソン→副操縦士のサリバン
ジョン・コンネル→トーマス通信士
ラリー・ハグマン→通訳のバック
ウィリアム・ハンセン→両手に杖のスウェンソン国防長官

シドニー・ルメット監督の演出はよいと思います。

ブラック将軍が見る夢のシーンから始まります。闘牛士の夢。
N.Y. 05:30AM
ワシントン D.C. 05:30AM
オマハ、ネバダ 05:30AM
アンカレッジ、アラスカ 05:30AM
5:30AMでの4ヶ所の描写から始まります。この時点ではまだカットバックはなく、時間は同じですが順に描いていっています。そして事が起きてから物凄い3ヶ所カットバックに至る訳です。この描き方は映画ならではの描写です。

オマハの作戦室?に議員と技術系の2人が視察に来たとしてわかりやすく状況説明してあり後のサスペンスをわかりやすくして盛り上げます。
事故の原因は故障探知装置の故障と通信妨害が同時に起こったためと思われます。恐ろしい偶然の一致というやつです。

目へのライティングがあります。モノクロならではの演出でしょう。

アクションシーンは簡略化されています。
この作品のために撮った飛行機シーンはないようでライブフィルムからの流用(しかもネガ反転処理)と巨大ディスプレイやレーダーでの動きで描写されています。
これはマイナスにはなっていません。派手な航空アクションを期待していると外されますのでご注意を。その代わりに息詰まる会話シーンの連続でこれが堪能出来ます。

ホットラインでの交渉は無駄なことは言わずに単刀直入で話しは進みます。これは凄い。
モスクワ壊滅は電話が溶ける音で描写していました。これがマイナスになっていないのが凄い。
この作品では40メガトンの水爆が使用されたことになっています。現実の広島では20キロトンの原爆だった筈です。

アメリカ側がやけに強気です。まあいいか。
ヘンリー・フォンダのアメリカ大統領は本物の大統領よりそれらしく見えます。本人の評判はイマイチだけどの作品ではよい。名優です。『荒野の決闘』(1946年)でもどうみてもモノホンのワイアット・アープでした。

嫌みなタカ派の学者先生のウォルター・マッソーはユーモア抜きでした。
『シャレード』(1963年)と合わせて私にはシリアスなウォルター・マッソーの方がおなじみだったりします。


ビンジケーターと字幕では出てる爆撃機コンベアB-58は軍関係者には不評だったそうです。で、もう飛んでいないようです。
評判のよいB-52がいまだに飛んでいるのとはエライ違いです。どこが違うのかというと見た目の押しだしの違いだけのようです。ちなみに姉妹作?の『博士の異常な愛情』(1964年)の方はB-52でした。
アフターバーナーの意味がよくわからん。それで本編の描写では何か別のことをしているみたい。あれがアフターバーナーなのか?


N.Y. 05:30AM
闘牛の夢から目が覚めるダン・オハーリヒー扮するブラック将軍。
タイトルとなります。
ケティ夫人は夢の話をします。
単発プロペラ機で出勤するブラック将軍。

ワシントン D.C. 05:30AM
パーティにて。ウォルター・マッソー扮するタカ派のグロテシェル教授が登場。
言いたい放題の一席となります。核戦争で生き残るのは囚人は文書係とか。
このキャラはキッシンジャーがモデルだとそうです。

パーティの客の1人エルザをクルマで送るグロテシェル教授。
これが凄いアメ車です。アメリカンなコンバーティブル。
エルザは金持ちの娘で暇を持て余しているのか?

オマハ、ネバダ 05:30AM
フリッツ・ウィーバー扮するカシオ大佐が登場。
家庭の事情を抱えています。
電話がかかってカネを無心されています。で、出かけます
間の悪いことに上司のフランク・オバートン扮するボーガン将軍の訪問を受けることになります。
アパートの管理人のカシオ大佐の父はアル中です。
家庭の事情を見られてカシオ大佐は心中穏やかにはならなくなっています。
オマハの司令室にはうるさ型のラスコブ議員と技術系のナップ氏が来ています。
接待となります。

アンカレッジ、アラスカ 05:30AM
エド・バインズ扮する1号爆撃機のグラディ機長が登場。
ビリヤードをしながら雑談しています。ルーティンの指令が入りいつもの出動となります。
離陸のシーンはライブフィルムを使用。

オマハの司令室です。
ディスプレイの説明。
人工衛星からの映像。
ラスコブ議員への説明です。
誰がチェックする?責任は誰が負う?とラスコブ議員。
フェイルセイフ・ポイントのこと。
ディスプレイにUFOが出現して軽く騒ぎとなります。よくある状況らしい。

ペンタゴンの会議室です。
オマハと同じディスプレイが設置されています。
人が集まって会議となります。
グロテシェル教授のスピーチがあります。限定して戦争をする方法を言ってます。
限定して戦争するのは不可能とブラック将軍。機械や兵器に人間が追いつかないとも言ってます。

オマハの司令室です。
状況はイエローとなっています。
次がグリーンで最後がレッドとなっているようです。

爆撃機編隊がフェイルセイフ・ポイントに達します。
状況はグリーンへとなっています。
UFOはエンジンが停止した民間機と判明します。平常へ戻ります。

ネガ反転映像で飛ぶ爆撃機編隊。

オマハの司令室です。
故障探知器のユニットの1つが故障します。
そのユニットを交換したとこでディスプレイが乱れます。

1号爆撃機に指令が入ります。
通信が妨害されていて問い合わせが出来ない状態。
CAP811、照合して間違いないとなります。
乗員達の呼吸音が入るのがなんとなく凄い。
指令はモスクワになっています。何をするかは当然わかっています。

オマハの司令室です。
フェイルセイフ・ポイントを越えている爆撃機編隊に気がつく技術系のナップ氏。
ペンタゴンの会議室でも気がつきます。

オマハの司令室から大統領に連絡が入る。
ラリー・ハグマン扮する通訳のバックが登場。続いてヘンリー・フォンダ扮するアメリカ大統領も登場。
エレベーターで下ります。地下の執務室へ。
状況によってはモスクワとホットラインで話しをすることになるかもしれないらしい。

地下の執務室にて。
オマハの司令室に事情を聞くアメリカ大統領。
ペンタゴンの会議室のスウェンソン国防長官に助言をとアメリカ大統領。
フェイルセイフ・ポイントを越えた爆撃機編隊は止められないので撃ち落とすしかないとなります。

オマハの司令室にて。
フェイルセイフ・ポイントを越えた爆撃機編隊撃墜命令が出ます。渋々と従うカシオ大佐。
引き返していた爆撃機編隊の護衛機から無線で「また向かうのか、追いつかないし戻れないではないか」と文句が出ています。

地下の執務室にて。
数分の勝負だとアメリカ大統領。
ペンタゴンの会議室、オマハの司令室、ここの3ヶ所をつないで対策を練ることにします。
ここで余計なことを言うグロテシェル教授です。
ソ連をモスクワをやられたらすぐに降伏するなんて言ってます。

ディスプレイに爆撃機編隊を追っていた護衛機が燃料切れで次々とディスプレイから消えていくのが描写されまます。
この作戦は失敗となります。

いよいよホットラインでモスクワと交渉となります。
ソ連の書記長が出たらすぐに本題に入るアメリカ大統領。
これはこちらのミスだとアメリカ大統領。
報復のミサイル攻撃だけはやめてくれとアメリカ大統領。
ソ連の司令室とオマハの司令室をつないで対策をしようとアメリカ大統領。
こちらの計算では1機は必ずモスクワに到達するとアメリカ大統領。

ディスプレイで爆撃機編隊がソ連国境を越えます。

オマハの司令室にて。
カシオ大佐は異常な言動をとるようになっています。制止するボーガン将軍。

地下の執務室にて。
ソ連の書記長からホットラインです。
書記長の声が沈んでいると通訳のバック。爆撃機の放つデコイが効いてると愚痴が出ています。
通信妨害のことを聞くアメリカ大統領。
渋々認めるソ連の書記長。交渉してこの通信妨害をやめさせます。

爆撃機との通信が回復します。
オマハの司令室を経由してアメリカ大統領直々の中止命令が出ます。
これは規則に従って無視されます。

6機編隊の爆撃機は残り4機となります。

ペンタゴンの会議室にて。
グロテシェル教授が先制攻撃しろとぶち上げます。
日本は正しかったと言ってます。そんなバカなといった感じ。

地下の執務室にて。
モスクワのアメリカ大使と連絡をとります。
ペンタゴンの会議室のブラック将軍を呼び出します。アブラハムの犠牲の話し。
ブラック将軍をアンドリュース基地に待機させるアメリカ大統領。

オマハの司令室にて。
ソ連の司令室とオマハの司令室がつながります。
ソ連に協力して爆撃機を撃墜せよと指令するアメリカ大統領。
さっそく聞いてくるソ連の司令室。
混乱するオマハの司令室。
カシオ大佐は証言を拒否する。次もダメでコリン軍曹が答えさせられます。下っ端は気の毒です。

この辺はカットバック全開となっています。

攻撃を主張するカシオ大佐。
で、ボーガン将軍を殴り倒してMPに連行されます。

地下の執務室にて。
アメリカ大使はモスクワで待機する。
ソ連の何とか氏は国連ビルで待機する。
こんな感じに人員が配置されます。
40メガトンの水爆がモスクワに落とされる。で、水爆の高温で電話機が溶ける高周波音がした時がモスクワ壊滅の時だ。
それと同時にN.Y.にも同じ40メガトンの水爆を落とすとアメリカ大統領。

6機編隊の爆撃機は残り2機となります。
6号機のフリン機長と話しをする1号爆撃機のグラディ機長。
デコイにと6号機を先に行かせます。

オマハの司令室にて。
6号機はデコイです。水爆搭載で本命の1号機を攻撃してくれと伝えるボーガン将軍。
で、ソ連の将軍の誤った判断で6号機は撃墜されたが水爆搭載1号機は無事となります。これでモスクワ壊滅を覚りショックで倒れたソ連の将軍の代わりの将軍から提案がされます。
残りの全ロケットを一斉発射して弾幕を張る最後の手段となります。頼むとボーガン将軍。
アメリカ側とソ連側、お互いに「グッバイ」と別れの挨拶をします。いいシーンです。

グラディ機長の夫人が到着して説得にかかる準備です。

1号爆撃機です。
グラディ機長を相手側の攻撃を読んで対策方法を説明しています。
こちらからミサイルを発射して高空で爆発させて熱源追尾のロケット弾を誘導しようとする対策方法です。

オマハの司令室にて。
1号爆撃機から最後の通常連絡が入ります。
グラディ機長の夫人の説得。
ソ連側の全ロケットを一斉発射。
1号爆撃機からの対策方法のミサイル発射。高空に誘導します。
これがカットバックされています。凄いシーンです。

全ロケットを一斉発射されるがここを突破する1号爆撃機。
後はモスクワまで間近です。
ところで原爆は空中で爆発させる方が効果的らしい。これをアメリカ軍が日本の広島と長崎で実践して証明していたようです。もしかして念を入れて2回やったのかも。

ペンタゴンの会議室にて。
N.Y.に避難命令はやっても混乱するだけと何もしないことになります。
被害を計算するグロテシェル教授。

地下の執務室にて。
通訳のバックはとりとめのない話しをするアメリカ大統領。
ソ連からホットラインが入ります。
双方の責任だとアメリカ大統領。妙に強気です。

モスクワで待機するアメリカ大使から電話です。
爆音がすると伝えたとこから電話の溶ける高周波音が鳴り響きます。ここを地下の執務室、ペンタゴンの会議室、オマハの司令室とカットバック。モスクワは壊滅したようです。肝心の映像は見せないのに凄いシーンです。
ブラック将軍に水爆によるN.Y.爆撃を指令するアメリカ大統領。

N.Y.上空にて。
水爆投下のカウントダウン。
闘牛士の夢。
エンドとなります。

後タイトル
字幕。現実ではこのような状況にはならないと出ています。

そんなわけでハイテンション・サスペンスの傑作です。
私は意外と笑えるとこが少ない『博士の異常な愛情』(1964年)よりこちらの作品の方が出来はいいと思います。

ジョージ・クルーニー製作のリメイクのTV生本番ドラマの出来は?
これはカット割りに関しては映画にはかなうわけがないから、実際の生放送を見なくては価値がないかも。生中継のスポーツにも生本番ドラマはかなわないような感じもしますし。あまり勝ち目のない企画だったようです。

核爆弾映画3本立て。
多数爆発します。◆『博士の異常な愛情』(1964年)
複数爆発します。◆『未知への飛行 フェイル・セイフ』(1964年)
1発のみ爆発します。多分してるでしょう。◆『太陽を盗んだ男』(1979年)


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