『スペシャル・イフェクツ 謎の映像殺人』(1984年)
この作品はラリー・コーエン監督の風変わりなサスペンスです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
ラリー・コーエン監督で見ました。たぶん悪役だろうのエリック・ボゴシアンが出てるのもあります。
1984年 ヘムダール・プロ アメリカ作品
原題◆Special Effects
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はまあまあ。
プロット 映画監督が自分のやった殺人を映画にする話しのようです。
音楽 マイケル・ミナード 当時流行りのシンセ・サウンドでした。
キャスト
ゾー・タマーリス→アンドレア/エレイン
ブラッド・リジン→アンドレアの夫キーフ
エリック・ボゴシアン→映画監督のクリス・ネビル
リチャード・グリーン→現像技師のグラスキン
ケビン・オコーナー→デルロイ刑事
ビル・オーランド→ビッカース刑事
ラリー・コーエン監督の演出はよいと思います。
脚本兼任でやたらと話しが少し変わっているというか凝っています。
雑誌宇宙船の映画紹介蘭の海外ビデオセレクションの評価ですとラリー・コーエン監督は話しは凝っているけど演出が腰砕け?でしたっけ。
N.Y.にてヌードで稼いでいるヒロインと思われるアンドレアに南部から夫のキーフが迎えに来て一悶着あります。
その夫から逃げ出したアンドレアはアポイントなしで映画監督のクリス・ネビルの家に行ってセックスをカメラで撮影されていることに気がついて、この映画監督をを無能と罵倒します、ホントのことを言われて頭にきた映画監督はアンドレアを絞殺します。これで話しは終わりなのかというとこからまた話しは進みます。
主役かと思われたヒロインがあっさりと死んでしまいどうなる?
ヒロインの容疑者の夫キーフが逮捕されま。すると殺した当人の映画監督が腕利き弁護士を雇って容疑者の夫キーフを釈放させます。で、死んだ女優志願のアンドレアのことを映画にしようと容疑者の夫キーフに協力させます。さすがに話しが普通とは違って変です。
映画監督の言い分は世間を見返してやるだと。エリック・ボゴシアンが演じる映画監督が言うと妙に説得力があります。
死んだヒロイン役のオーディションの描写があります。そんな感じで映画作りの映画になっていました。
エリック・ボゴシアンの映画監督は女優は演技力ではなく波乱万丈な実生活で人気が出ると1930年代のスター フランシス・ファーマーをたとえにしていました。→私の投稿のフランシス・ファーマー主演の『大自然の凱歌』(36年)の感想があります。
容疑者の夫キーフが救世軍に寄付してしまった奥さんの服を返してもらいに行ったとこでボランティアのエレイン・バースタインと知り合います。
髪形やメイクに服装でとても殺されたアンドレアを演じてた同じ女優さんには見えませんでした。このへんは映画的でいいです。
映画監督と会うとこでボランティアのエレインは髪形やメイクを変えると別人となりプロローグで死んだヒロイン アンドレアとなります。これは定番の描写でいいです。
当の殺人があったベッドシーンを撮ったりします。ヒロインとなったエレインは役になり切ってて容疑者の夫キーフが動揺したりします。
映画を作ることに執念を燃やすエリック・ボゴシアン扮する狂気の映画監督が見どころとなっています。
このままいけば見てて同情出来るキャラとなりそうでしたが、この映画監督は自分の罪を容疑者の夫になすりつけようと画策します。
枕元にバラを置くのが伏線?になっていました。妙に設定に凝っています。
見てて、これはハッピーエンドになるでしょうと思ってたらその通りになりました。実生活でも死んだアンドレアになり切ったエレインは、夫のキーフとパンナムの飛行機に乗ってダラスへと帰ります。
エンドのタイトルに合わせて提供はこの映画内映画のアドバイザーを務めていたデルロイ刑事と出ます。ホントに設定は妙に凝っています。その脚本に演出が追いついていないような。
エリック・ボゴシアンはスティーブン・セガール主演の俺様アクション『暴走特急』(95年)でコンピュータに強い悪役を演じて印象的でした。この悪役は出色の出来となっていました。
デルロイ刑事を演じるケビン・オコーナーはケビン・J・オコーナーとは別人でした。
ヒロインのアンドレア/エレインを演じるゾー・タマーリスはエレインの時のブロンドではローレン・バコールに見えないこともなかった。
アンドレア/エレインの両方でヌードシーンもありました。
ディテイルで気になってのは電源盤のシーンで丸い部品のクローズアップがあり何かと思ったらヒューズでした。こんな形のヒューズがあるのかと興味深い。
そんなわけでスペシャル・イフェクツなんてどこにも出ていませんでしたが少し凝った話しのサスペンスのよい作品でした。
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