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2006.08.26

『恐喝(ゆすり)』(1929年)

この作品はアルフレッド・ヒッチコック監督、アニー・オンドラ、ジョン・ロングデン主演の恐喝(ゆすり)サスペンスです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1929年 ブリティッシュ・インターナショナル・ピクチャーズ 英国作品
原題◆Blackmail
IVC発売のDVDにて。画質はそれなりに悪い。
ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDヒッチコック・クラシック・セレクション2にて。スタジオ・カナルのクレジットが入る修正版で画質は非常によいです。シーンとシーンをフェイドでつなぐとこでは画質が落ちています。ここは修正出来なかったようです。スタジオ・カナルのクレジットが入るDVDで共通のことです。
プロット ゆすり屋につきまとわれる話のようです。

キャスト
アニー・オンドラ→ヒロインのアリス
ジョン・ロングデン→フランク刑事
シリル・リチャード→画家のクルー氏
ドナルド・カルスルップ→恐喝=ゆすり屋のトレーシー
ジョーン・バリー→アニー・オンドラの声担当


アルフレッド・ヒッチコック監督の演出はよいと思います。
余計をシーンがなくて最初から最後まで一気に見せています。
このプロットでよく検閲が通ったなと思います。なぜならば勧善懲悪になっていないではないからです。何となくうやむやでエンドになっています。

ヒロインの着たり脱いだりをディテールの細かいこと、さすがアルフレッド・ヒッチコック監督は違います。変態です。

俯瞰の階段ショットがありました。『めまい』(58年)に通じる手法です。これが映画作家の本領です。

英国時代のアルフレッド・ヒッチコック監督作品はアメリカ時代のと比べればハッキリ言ってかなり落ちます。カネのかけ方からキャスティング、演出の手法などまで全てに渡ってです。
カネが1番ポイントだったりします。


タイトルです。

車輪のクローズアップショット。警察のトラックが走る。
トラックの走る主観ショットがあります。当時としては斬新なショットでしょう。
3人の刑事が降ります。スラム街です。
アパートに入ります。
これに気がつく怪しい男。ベッドにて。鏡に映るショット。
捕まえます。
トラックは引き上げます。
ロンドン警視庁に戻ります。
取り調べです。
面通しです。
記録します。
留置します。
警察の一仕事の図のようです。ここまではサイレントスタイルで描写していました。サイレント式モンタージュといった感じです。

トーキーとなります。セリフが入ります。
警察の待合室にて。
ジョン・ロングデン扮するフランク刑事を待っているアニー・オンドラ扮する恋人のアリス。2人で帰ります。

地下鉄にて。
ヒッチコック監督登場。

レストランにて。
混雑していて席取りに図。注文が取れない図。
アリスの知り合いらしいシリル・リチャード扮するクルーが来ます。
フランクには内緒らしい。
口論してフランクは帰ります。それでも入り口で待っていたりします。
アリスはクルーと一緒に出ています。見てるフランク。

クルーのアパート前です。
迷っているがアパートに入るアリス。ここでクルーのタカリ屋云々のセリフがあります。伏線になっているようです。
最上階へ。階段をカメラが移動して1ショットで見せています。

画家でアパートはアトリエを兼ねているクルーの部屋にて。
ドレスがあります。
絵を描いて遊ぶアリス。
ドレスを着てみればとクルー。着るアリス。
左にピアノを弾くクルー。右に着替えるアリス。
ドレス姿を見せるアリス。
キスをするクルー。帰るとアリス。
クルーの顔に影がかかっています。
自分の服に着替えるアリスですがクルーが服を投げてしまいます。
下着姿のアリスに迫るクルー。
パン切りナイフを取るアリス。カーテン越しのショット。
クルーが死んだことを腕だけカーテンから出るショットで描写します。
手にナイフのアリス。
服を着て逃げるアリス。
俯瞰の階段のショットがあります。

街を歩くアリス。呆然としています。
夜明けです。まだ歩いてるアリス。

クルーの死体が発見されます。
警察が入ります。フランク刑事もいます。
アリスの手袋を発見するフランク刑事。隠し持ちます。

帰宅するアリス。朝帰りです。
寝ている振りをしています。
着替えます。こういうとこは丁寧に描写しています。さすがアルフレッド・ヒッチコック監督は違います。変態です。

アリスの家はタバコ屋のようです。
警察に電話しようとするアリス。やめます。

朝食です。
近所のおばさんが喋くります。
ナイフのセリフが繰り返されます。それに驚くアリス。

フランク刑事が来ます。
昨夜の事件の話が出ます。

店内の電話ボックスにて。
フランク刑事とアリス。手袋を見せて話しをしてくれとフランク刑事。
ドナルド・カルスルップ扮する怪しい男トレーシーが来ます。ゆすり屋のようです。
トレーシーは例の手袋を持っています。
高級葉巻を買うトレーシー。カネはフランク刑事に払わせています。
そんなわけでゆすり屋トレーシーは無理やりアリスの家に入り込み食事となります。何となくやることがケチな感じで小悪党のようです。

警察です。
アパートの管理人のおばさんから事情聴取です。
ある男の話が出てきます。クルーをゆすっていた男がトレーシーのようです。
写真を調べるモンタージュがあります。トレーシーの名が浮かび上がってきます。

アリスの家です。
まだ食事中のトレーシー。居座っています。
母からアリスに苦情が出ます。
フランク刑事に電話です。警察からです。
容疑者のことのようで少し元気になるフランク刑事です。
トレーシーが居座ってる部屋に戻り鍵をかけさせます。
強気に出るフランク刑事。警察が来ると言います。
焦るゆすり屋トレーシー。アリスにフランク刑事を何とかしろなんて言ってます。何だかよくわからんキャラです。

警察が到着します。
窓を破って逃亡するトレーシー。追跡する警察。
車輪のクローズアップショット。警察のトラックが走ります。
タクシーのトレーシー。
自宅で待つアリス。
このへんは追跡と待つアリスのカットバックとなっています。

タクシーを降りて大英博物館に逃げ込むトレーシー。
追跡する警察。
面白い合成のショットもあります。
上に逃げるトレーシー。犯人?が高い所に逃げるのは映画のセオリーです。
で、転落するトレーシー。これで事件は片づいた?ようです。

警察です。
自首するアリス。
ウォルス警部に面会手続をします。

ウォルス警部の部屋に入るアリス。
フランク刑事もいます。
で、ウォルス警部に電話が入ったとこでアリスを連れだすフランク刑事。

警察の待合室にて。
何ともいえない雰囲気のアリスとフランク刑事。
証拠品らしい殺されたクルーの描いたピエロの絵が運ばれていきます。この絵に嘲笑されているようなアリスとフランク刑事。
エンドとなります。

そんなわけでサイレントとトーキーが混ざっている風変わりなよい作品でした。
アルフレッド・ヒッチコック監督としての独特な手法はもう確立されているようです。


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