映画感想の加筆改訂のお知らせ

にほんブログ村

« 『恐喝(ゆすり)』(1929年) | トップページ | 『キャット・ピープル』(1942年) »

2006.08.27

『ジュノーと孔雀』(1930年)

この作品はアルフレッド・ヒッチコック監督のショーン・オケイシーの舞台をそのまま映画化した社会派ドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1930年 ブリティッシュ・インターナショナル・ピクチャーズ 英国作品
原題◆Juno and the Paycock
DVDにて。画質はそれなりに悪い。
プロット 不幸が重なる一家の話しのようです。

キャスト
サラ・オールグッド→船長夫人のジュノー
エドワード・チャップマン→旦那の船長
シドニー・モーガン→船長の知人ジョクサー
マリー・オニール→船長の知人ミス・マディガン
デイブ・モリス→知人のジェリー・ディバイン
ジョン・ロングデン→公証人のチャーリー・ベンサム
キャサリン・オリーガン→娘のメアリー
ジョン・ローリー→息子のジョニー
バリー・フィッツジェラルド→街中で演説する男


アルフレッド・ヒッチコック監督の演出はよいと思います。
ショーン・オケイシーの戯曲は非常に宗教色が濃いようで、原作そのままな映画も宗教色が濃くなっています。見てて気分がもたれます。

タイトルの『ジュノーと孔雀』からすると軽快なコメディなのかと思えますが全然違います。コスチュームプレイなのでは勝手に思い込んでいましたが、実は庶民物新派系悲劇でした。
ジュノーはヒロインの名です。ヒロインと言っても中年ですけど。孔雀とは亭主のことを言うようです。
亭主は船長とは通称でタダのブルーカラーです。あっちが痛いとか調子が悪いとか全く働く気がないロクデナシです。

親類からの遺産が入るとなって、いきなり成り金となって金持ちぶるのが何故か悲しい。とても笑えない。Not funnyです。身につまされます。
白々しく嘘がつけるのがうらやましい。これが出来ないんだよな。
遺産が入らないことは間接的に分かるようになってた。

窓を閉めると効果音が途絶える。この時点でもうやっていたようです。さすが映画作家です。
俳優は家畜云々は舞台俳優を自由にさせていた恨みから出た言葉だと思える。この当時の作品は1ショットで感情を表す手法が多いから。

何故か頭が切れてしまうシーンが多い。何故か顔が欠ける構図が多い。何で?
意図しているわけががないからこれはプリントの関係か。

蓄音機のことはグラモフォンと言ってました。商品名です。

キャストが表示されます。

いきなり黒味で演説となります。
アイルランド ダブリンの街中にて。
マシンガンが撃ちまくりとなります。逃げる人々。

バーにて。
船長とジョクサーが話し込む。
ミス・マディガンがカネを飲み代を払う。

船長の家にて。アパートです。
船長とジョクサーが入ります。
船長夫人のジュノーがいることに気がつかずに適当なことを言っている2人です。
ようやくいることに気がついてジョクサーは帰ります。
通称 船長はボイルで夫人がジュノー。遊んでる亭主をクジャクということらしい。

若い男ジェリー・ディバインがきます。
亭主に仕事があると話にきたようです。若い男で実は娘メアリーがお目当てです。
仕事の話となると脚が痛くなる亭主です。
息子が見えるけど何も言わず。いるだけ。引きこもりではなく政治活動で右腕を失っていて家にいるらしい。

朝食の亭主です。
ソーセージを焼いています。
ミシンのセールスがきますが追い返します。
下の玄関先にはトレンチコートの男がいます。張り込みらしい。

ジョクサーが戻ってきます。
お茶とソーセージとなります。
ジュノーが戻ってきます。逃げるジョクサー。
娘のメアリーが公証人のチャーリー・ベンサムとやってきます。
ウィリアム・エリソンの遺産が入るとのこと。1500〜2000ポンドぐらいになるらしい。
息子のジョニーにカメラが寄ります。
マシンガンの銃声が入り溶暗となります。

買物のジュノーとメアリー。
色々と買い込みます。
蓄音機=グラモフォンを買っています。

アパートにて。
公証人のチャーリー・ベンサムがきます。
宗教、殺人、幽霊、等の話が出ます。
息子のジョニーがロバート・タンガードの幽霊を見たと錯乱する。

ロバート・タンガードとはこのアパートに住んでいる活動家です。バーのシーンでは密告されて殺されたと話に出ています。

マディガンとジョクサーがきます。
とりとめのない話となっています。
ジュノーとメアリーの歌。
マディガンの歌。
ジョクサーの歌。音痴です。

この辺で、これでいきなり遺産はなかったなんて展開にはならないだろうなと思っていました。

ロバート・タンガードの遺体が階段を下りてきます。
母親の嘆きを聞くジュノー。
ロバート・タンガードは密告された,誰に・・

アパート室内に戻ります。
グラモフォンも聞きます。
表ではロバート・タンガードの葬列となっているようです。

何だかんだの状態のとこで
ジョニーのとこへ怪しい男がきます。ミーティングに来いと言ってます。断るジョニー。
マシンガンの銃声が入りシーン転換となります。

公証人のチャーリー・ベンサムの事務所です。
亭主が出てきます。さえない様子です。
この後に事務所の名札チャーリー・ベンサムの名前が消されるショットが入ります。

亭主にはカネは入らないと噂の図。

アパートです。
借金取りがやってきます。服を取り返して帰ります。
ジョクサーはセコイ奴で、
噂から借金取りの手引きをして。
ビール1本をくすねて。
同情している振りをしています。嫌な奴です。

マディガンがきます。
3ポンド返せときます。借金のかたにグラモフォンを持っていきます

ジュノーが戻ります。
悪い知らせでメアリーが妊娠した。
公証人のチャーリー・ベンサムは逃亡した。
ここで遺産が入らないとこを知るジュノー。
口論の果てに亭主はジョクサーとバーに行ってしまいます。

アパート前にいたメアリーが中に入ろうとしたとこへジェリー・ディバインがきます。
ジェリー・ディバインはメアリーを愛してると言ったが、メアリーが公証人のチャーリー・ベンサムの子を妊娠していることを知ると熱は冷めてこの場を去ります。

ジュノーとメアリーは出かけます。
この隙に男が2人入り込みハンドガンで脅してジョニーを連れ出します。
ロバート・タンガードを密告した代償を支払わせるようです。
マシンガンの銃声が入りシーン転換となります。

アパートにて。
ジュノーとメアリー。
マディガンが悪い知らせを持ってきます。
ジョニーの死体が発見された。警察が身元の確認に来てくれと。
警察へ行くとジュノー。
もうここへは戻らない。姉の家に行くとジュノー。メアリーに先に行ってくれとなります。
マリア様に祈るジュノー。
エンドとなります。


そんなわけで宗教色が濃い全く救いがないヘビーな作品でした。

« 『恐喝(ゆすり)』(1929年) | トップページ | 『キャット・ピープル』(1942年) »

映画」カテゴリの記事

1930年代」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『ジュノーと孔雀』(1930年):

« 『恐喝(ゆすり)』(1929年) | トップページ | 『キャット・ピープル』(1942年) »

月齢

無料ブログはココログ
フォト
2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

バイクフォト

  • ヤマハ トリッカー XG250
    私が買ったバイクです。ヤマハばかり。