『ザ・ソルジャー』(1982年)
この作品はジェームズ・グリッケンハウス監督のご都合主義(ハッタリとかスタイリッシュとも言う)アクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1982年 エンバシー アメリカ作品
原題◆The Soldier
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質は結構よいです。
プロット 何だかよくわからないけど油田核爆発を防ぐ話のようです。
音楽 タンジェリン・ドリーム
キャスト
ケン・ウォール→ソルジャー
アルバータ・ワトソン→イスラエル側の女隊長
クラウス・キンスキー→KGBのドラカ
ジェームズ・グリッケンハウス監督の演出はまあよいと思います。
この作品と公開当時にTVでの紹介しか見てないので全編見たかったのもあります。グリッケンハウス監督作品は『シェイクダウン』(88年)を見てるのでハッタリ・アクションがお目当てです。その点は前半だけ堪能しました。
悪役はロシアになっています。共産主義云々と時代を感じさせます。
サウジアラビアでロケしたの?どうせアリゾナあたりで撮ったのでは?
さすがアメリカの娯楽作品なので強引にラブシーンがありました。
タイトルがカッコいいです。
世界を股にかけといった感じです。でもこれは懐かしのTVシリーズ『キイハンター』(1968-1973年)のタイトルと同じなのではと思えないこともない。
プロローグでの乳母車を使い要人のクルマを止めて襲撃シーンはよかった。
集まってきた単なる通行人の筈の人達がそれぞれのバッグ等から武器を取りだして撃とうします。このシーンはどこかで見たような気がしてたけど、この作品が元ネタだったのか。自分の思いつきだと信じていたからビックリしました。このシーンだけでも見てよかったです。
で、ザ・ソルジャーがこの襲撃者達を片づけたとこでヘリコプターが飛んで来ます。これはミニチュアかなと思ったら本物でした。低予算物なのに珍しい。で、血を洗い流したりして現場の痕跡をなくしてしまいます。
それでしたら散乱した空薬莢を箒で掃いて塵取りで回収してリサイクル可能と仕分けシーンをあってもいいはずでしたがそれでは絵にならないのかありませんでした。
次はテロリスト一味が核燃料輸送車を襲撃します。
ここもハッタリがきいてていいこと。バズーカ砲撃ちまくりの随分アバウトな戦術でしたがしっかりと核燃料のプルトニウムを1本いただいていきます。
ここではテロリスト一味の1人のショットガンを服の下に仕込んであるディテールを念入りに描写してました。
ベルリンにて無理をしてポルシェ911を使ってカーアクションしてました。ベルリンの壁を越える大ジャンプをやっていました。
予算的に相当無理している感じでクラッシュはないでしょうと見てました。ですから大ジャンプにはビックリしました。
クライマックスはベルリンとカンサスシティのカットバックになっていました。
ですがこのクライマックスでのアクションが少なかった。ここが不満でした。やっぱり前半で予算を使い果たしたんでしょう。
ソルジャーのケン・ウォールはTVゲームみたいなシュミレーションで訓練してました。ビデオではなくてフィルムなのが時代を感じさせます。
スキー場にてスキーアクションがハッタリが効いてていいこと。
この作品の白眉です。スキーでジャンプしながらの空中回転撃ちがいいんです。普通は当たらないと思うけど。このシーンが見たかったのです。
クラウス・キンスキーはスキー場のシーンでしか出ていませんでした。
特別出演みたいなものです。ここしかスケジュールが押さえられなかったのかもしれません。撮影の拘束時間3時間ぐらいだったりして。キンスキーは何故か白1色のスキーウェアで決めていましたが全然似合っていません。
全体としてはクライマックスにアクションがないのは少し気が抜けました。
前半で予算を使い果たしたのかと思えました。
そんなわけで懐かしのTVシリーズ『キイハンター』のようなまあまあな作品でした。
アクションはいくらか派手になっています。ヒロインは『キイハンター』の野際陽子の方が魅力的でした。
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