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2006.07.29

『陰謀のシナリオ』(1997年)

この作品はビレ・アウグスト監督、ジュリア・オーモンド主演のSF調サスペンスです。
ビレ・アウグスト監督の作品は未見だったのでどんな腕前かなというものありました。どういう話しか全然知らないで見ました。
それにしてもこの邦題はやる気が感じられない。どうでもいいって感じです。原題がSmille's Sense of Snowですから何かいい邦題がなかったものか。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1997年 コンスタンティンフィルム ドイツ=スウェーデン=デンマーク作品で英語版でした。
原題◆Smille's Sense of Snow
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
プロット 子供の死から陰謀に巻き込まれるというかその中に向かって行く話しのようです。
音楽 ハンス・ジマーその他。

キャスト
ジュリア・オーモンド→ヒロインのスミラ
ガブリエル・バーン→アパートの1階の男、実は・・
リチャード・ハリス→黒幕のトーク博士
ロバート・ロッジア→スミラの父
ヴァネッサ・レッドグレイブ→元関係者のルビッグ

ビレ・アウグスト監督の演出はよいと思います。

1859年のグリーランドのシーンから始まります。
何が起こるのかと思ったかいきなり隕石が落ちて大爆発が起こります。どのような話しか全然知らないで見たのでそういう話しなのかと意外な感じしました。

で、現在のデンマーク、コペンハーゲンに舞台は移ります。
コペンハーゲンが舞台の作品というと操演の怪獣が頼りなくヨロヨロと暴れ回る『冷凍凶獣の惨殺』(61年)でおなじみのはね上げ式の橋があるとこでした。
その橋のちょうど橋が上がったところのロングショットがありました。見たいショットがどんなのかわかってるじゃない。よい監督です。

フラッシュバック多用がいいです。使い方も上手。
話しは速くどんどん進みます。これはいいです。
始まって早々に子供を死なせても作品をそんなにスポイルしてなかった。これは大したものです。
これはSFなようです。隕石からエネルギーを取るとか。その隕石が原因で中生代の寄生虫が蘇ったとか。これは面白い展開となっています。
そんな感じでサスペンスシーンは抜群の出来でした。
で、アクションシーンは意外と平凡な感じでした。問題の隕石がある氷山内はモロにセットという感じもしたし。ビレ・アウグスト監督には合ってなかったのか。

ジュリア・オーモンドは鼻の形がチャーミング。
イヌイットの母とアメリカ人の父の子供という設定。これは面白いです。私は変わり者だと熱演してました。
Smilleスミラとはヒロインの名前です。凝った飾りのネックレスをかけてました。何のシンボル?
冷たい海に落ちて自力で上がったとこをガブリエル・バーンにクルマに乗せられて何でもいいから話し続けるんだというシーンは『汚名』(46年)のクライマックスのシーンみたいでいいです。

ガブリエル・バーンがごく普通の人のわけが無いと思ったらその通りでした。
リチャード・ハリスの最期はあっけなかった。実際はそんなものですか。

そんなわけでSF調サスペンスのよい作品でした。これで前から録ってあるビレ・アウグスト監督作品の『ペレ』(87年)が見られます。ランニングタイムが150分もあってハズレだったらどうしようと思ってたけど、これで安心して見られます。

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