『先生のお気に入り』(1958年)
この作品はジョージ・シートン監督、クラーク・ゲイブル、ドリス・デイ主演のロマンティック・コメディです。
この作品の原題は?と見たらTeacher's Petでした。そのまんまな雰囲気で翻訳したよい邦題です。気に入りました。
タイトルに流れる歌が素敵で誰が歌ってると思ったが、それは主演のドリス・デイが歌ってるのに決まっていますか。どうやらそのようでした。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1958年 パラマウント アメリカ作品
ランニング・タイム◆121分
原題◆Teacher's Pet
プロット◆新聞屋と教授が仲よくなる話のようです。
音楽◆ロイ・ウエッブ
スカイパーフェクTV317スター・チャンネルにて。画質はよいです。
キャスト
クラーク・ゲイブル→新聞社の社会部部長ギャノン
ドリス・デイ→マスコミ関係のエリカ・ストーン教授
ギグ・ヤング→心理学のヒューゴ・パイン教授
マミー・ヴァン・ドーレン→ホステスのペギー・デフォア
ニック・アダムス→見習い社員のバーニー
ピーター・ボールドウィン→大学出の記者ハロルド・ミラー
ビビアン・ネイサン→バーニーの母
ジョージ・シートン監督の演出はよいと思います。
ルーティンな構成になっていました。最初に見習いのバーニーの母が息子を復学させてとやってくるのがラストに生かされているとこ等、脚本の見本のようになっています。
ギャノンがギャラガーと偽って講義を受けることになっています。この正体のばれるとこをどう描写するかがお楽しみとなります。
マスコミ関係で言ってることが現在でも当てはまることばかりなのが興味深いとこです。かなり普遍的なことでマスコミのことをちゃんと調べててディテールがしっかりしてて妥協していないのがハリウッドのいいとこです。カネはこういうとこに使ういい見本です。
教授の講義にて、記事の基本は5W1Hですと言ってました。英語の授業だけではなかったのか。クラーク・ゲイブルはタイプライターを左右の人さし指だけで打っていました。こういうディテールがいい。
クラーク・ゲイブル扮する新聞社の社会部部長ギャノンは低学歴で大卒のインテリにコンプレックスを持っているという設定です。少し図式化しすぎているような感じもしましたけど。
それで思わず偽名ギャラガーを使ってしまい引っ込みがつかなくなって、それからどうなるで見せてくれるわけです。
ギグ・ヤングはクラーク・ゲイブル相手になかなか奮闘していました。
少しひねってある見劣りしてないキャラに演技でした。これには感心しました。見た目の雰囲気でもクラーク・ゲイブルには負けていませんでしたし。
ドリス・デイはレズだったという話しを聞いてそういう風に見ればそのような感じに見えます。
それとは別にこの人は実にさわやかな感じの人です。有名な歌手ですから声がいいのは当然で喋ってるの聞いてるだけでいいものでした。
マリリン・モンローのイミテーションで有名なマミー・ヴァン・ドーレンが出ていました。1シークエンスのみ。この作品ではマリリン・モンロー風ではありませんでした。
東宝特撮物『怪獣大戦争』(1965年)でお馴染のニック・アダムスが出ています。
クラーク・ゲイブルとニック・アダムスが一緒に映っています。で、これは凄いクラーク・ゲイブルと同じ画面にいると感動する。
『攻撃隊』(1962年)ではスティーブ・マックィーンと、『零下の敵』(1963年)ではカーク・ダグラスと一緒に映っているニック・アダムズです。
『怪獣大戦争』での納谷悟朗の声で喋っていないニック・アダムスなので当然違和感があったりします。『怪獣大戦争』はカルト作品です。怪獣大戦争マーチのシーンと水野久美のX星人だけでもカルトになります。
そんなわけで普通のロマンティック・コメディのよい作品でした。
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» ゲーブルの器量がおとなの世界観を呼び寄せる! [この広い空のどこかで今日もいい日旅立ち]
主題曲をタイトルロールにテンポ良く歌うドリス・デイも歌手の表芸に負けぬ主演映画のひとつで、地味めな大学教授さながらの好演であるし、心理学のオーソリティで三角関係もどきの間柄から、ふたりの間のGO-BETWEENとなるギグ・ヤングも当たり芸というべき飄逸な味わいで、これが優れもの、三位一体のおとなの味わいの横溢したハーフ・シリアス・コメディに仕上がっているのである。
... [続きを読む]
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