『知りすぎていた男』(1956年)
この作品はアルフレッド・ヒッチコック監督、ジェームズ・スチュアート、ドリス・デイ主演のファミリー物サスペンスです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1956年 パラマウント アメリカ作品
ランニング・タイム◆120分
原題◆The Man Who Knew Too Much
プロット◆暗殺計画に巻き込まれて息子を誘拐される話しのようです。
音楽◆バーナード・ハーマン
ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDにて。画質は非常によいです。パラマウント製作なのにタイトルはユニバーサルに差し替えられていました。
キャスト
ジェームズ・スチュアート→医者のベン・マッケナ
ドリス・デイ→マッケナ夫人で歌手のジョー
クリストファー・オルセン→息子のハンク
ダニエル・ジュラン→フランス人のルイ・ベルナール
バーナード・マイルズ→自称農場経営のドレイトン
ブレンダ・デ・バンジ→ドレイトン夫人
レギー・ナルダー→殺し屋の男
ラルー・トルーマン→ブキャナン警視
イヴ・ブランヴィル→エディントン警部
モーンス・ヴィート→某国大使
アラン・モーブレイ→ヴァル・パーネル
ヒラリー・ブルック→ヤン・ペターション
アルフレッド・ヒッチコック監督の演出はよいと思います。
前作『ハリーの災難』(56年)の興行失敗の後を受けて絶対にヒットする企画で、リメイクのファミリー物サスペンスとなったようです。というより失敗を見越してこれを作ったのかもしれません。
タイトルです。
シンバルを鳴らすとこでタイトルを締めます。
シンバルの音が云々と前説が入ります。
バスが走っています。カサブランカ発マラケシュ行き。
観光旅行の親子3人が登場。
ジェームズ・スチュアート扮する医者のベン・マッケナ
ドリス・デイ扮するマッケナ夫人のジョー
クリストファー・オルセン扮する息子のハンク
キャラ紹介となります。
スクリーン・プロセス使用。
バス内で息子のハンクがアラブ系夫人ベールを取ってしまいます。これは単なる事故のようです。
居合わせたダニエル・ジュラン扮するフランス人のルイ・ベルナールがこの場を取りなしてくれます。
これでベンとルイ・ベルナールと知りあって雑談となります。
インディアナポリスの医者で戦争中はカサブランカにいたとか・・・。
ベンはよく喋ります。後でジョーに喋り過ぎだと言われてます。
マラケシュに着きます。
珍しくロケとなっていますすでもスクリーン・プロセス多用してるのがヒッチコック監督らしい。
馬車でホテルに向かいます。
先ほどは喋り過ぎだとジョーに意見されるベン。
夜、ホテルにて。
食事に出かける前に『ケ・セラ・セラ』の歌が入ります。
母子で歌っています。
ルイ・ベルナールもいます。
ここで怪しい男が部屋を間違えたと来ます。殺し屋の男です。
電話をして急に食事には行けないとベルナール。
レストランにて。
座るのが大変なベン。足が長過ぎ。
現地の食事の描写。これはハリウッド調でリアルではないのでしょうか。
ホテルに着いた時にもいたドレイトン夫妻が話しかけてきます。
同席して食事となります。
この食事のシーンが結構長い。
ベルナールもやって来ます。ベン一家を無視して他の席に行きます。
おかんむりのジョー。話しをつけてやるとベン。止めるジョーです。
溶暗となります。
次の日。昼間。市場です。
ベンとジョーのこの旅行の費用はあの病気がいくらとかとりとめのない会話となります。
そんなとこに追いかけられる男が登場。
青いペンキを被ります。
背中にナイフを突き立てられます。
顔には黒塗りです。
そんな感じで何だかわからん。あまりに調子よく進むので一歩間違えばZAZ監督のコメディになりそうです。
この瀕死の男とコンタクトするベン。
男はベルナールでした。
顔の色が手につくクローズアップ・ショット。これを丁寧に入れています。
伝言となります。暗殺。ロンドン。アンブローズ・チャペル。
警察へ向かうベンとジョー。
息子のハンクはドレイトン夫人に預けます。
ベンとジョーが歩くシーンもスクリーン・プロセスで撮っていたりします。
警察にて。
ドレイトンが付いています。
ベンはジョーにこの件を説明するのに苦労しています。
しつこい警察。モロッコなのでフランスの警察です。
電話が入ります。取り調べの部屋を出て電話をとるベン。
脅迫電話です。「息子は預かった。何も言うな」と、わかりやすい。
で、切れます。
ホテルに電話で確認のベン。
焦るベンが電話帳をめくるクローズ・アップ・ショットを丁寧に入れています。
様子を見にドレイトンにホテルへ行ってもらいます。
ホテルに戻ります。
馬車でベルナールの伝言メモをジョーに見せるベン。
何とも説明出来ないベンです。まだジョーは事情を知りません。
ホテルに着きます。
ドレイトン夫妻はずらかったと知るベン。最悪の状況となったらしい。
ホテルの部屋です。
ジョーに鎮静剤を飲ませてから事情を説明するベン。医者らしい処置です。
ハンクは誘拐された。
ベルナールは怪しい夫妻を捜していたとか。
取り乱すジョーを抱きしめて押さえるベン。なかなか感動的なシーンです。
ヒッチコック監督はこんなシーンも撮れるのかと感心しました。
夜、ホテルを出るベンと冷静になっているジョー。
ロンドンへ向かいます。
ロンドンの空港です。BEAのプロペラ旅客機が見られます。
グレイのスーツのジョー。この衣装は『めまい』(58年)に流用されています。
ジョーは有名人なので出迎えが大勢います。
警察の出迎えはエディントン警部。
この警部の案内で公安のブキャナン警視と会うベンとジョー。
ベルナールは英国のエージェントだった。
交渉となります。誘拐のことは知っています。
ここでジョーに電話です。
ドレイトン夫人から。これを公安も盗聴しています。
ハンクの声を聞かされます。そんなわけで警察には協力せず。
ホテルです。
電話帳でアンブローズ・チャペルを調べるベンとジョー。
そんなとこにジョーの友人達がやって来ます。男1人、女3人。
アンブローズ・チャペルに電話中のベンです。
ジョーを残して出かけるベン。
アンブローズ・チャペルへ向かいます。これがお笑いの一席となります。
怪しい足音。
ベンの主観ショット。
怪しい男がアンブローズ・チャペル(はく製工房)に入ります。
続いて入るベン。わざわざ怪しく見える斜めのアングルを使っていたりします。
で交渉に入るベンですが話しが全くかみ合いません。当然のことです。
怪しい男は息子の方のアンブローズ・チャペルでした。
ここはこの件には全く関係がないので退散するベンです。
ホテルです。
アンブローズ・チャペルは名前ではなく場所だと気がつくジョー。
友人達を置いて出かけます。
ジョーは礼拝堂アンブローズ・チャペルへ。
ベンがホテルに戻ります。
話しを聞いてすぐにまた飛び出します。
お客は放ったらかしとなっています。
礼拝堂アンブローズ・チャペル内にて。
ここが暗殺一味のアジトです。
メガネの女がハンクの相手をしています。
暗殺の打ち合わせです。
レコードを聞いて撃つタイミングを確認しています。これは見ている人にもわかりやすくする効果も狙った演出だそうです。何度もレコードの針をよく同じ場所に落とせるなと突っ込んではいけません。これが映画的描写なのです。
場所はアルバート・ホール。撃つタイミングはシンバルの音。暗殺者の同伴はミス・ベンソン。
礼拝堂アンブローズ・チャペル前にて。
ベンが合流します。2人で中に入ります。
信者達に混じるベンとジョー。
ドレイトン夫人がいます。
神父のドレイトンが出てきます。
ここで電話をかけさせにジョーを外に出すベン。
説教を途中で打ち切って信者達を返すドレイトン神父。
残ってるベン。乱闘になってブラックジャックで殴打されるベン。昏倒します。
警察に電話のジョーですが話しになりません。
戻ります。パトカー1台ですけど一応警察は来ます。
捜査令状がないので外から中を伺います。得るものはない。
そんなわけでアルバート・ホールへ向かうジョー。
裏口からずらかるドレイトン一行。ハンクもいます。
AO大使館に入ります。何処?某国にしておきましょう。
礼拝堂アンブローズ・チャペルにて。
鐘が鳴って人が集まっています。鐘が鳴ってるのはベンが脱出しようと登っているからです。
アルバート・ホールです。
ロンドン・シンフォニー。看板に指揮バーナード・ハーマンの名が大きく出ています。
ホールに入るジョー。
殺し屋が挨拶に来ます。嫌味な男です。
演奏が始まる直前にDVDの2層切り替えとなっています。
こんなとこでやるなと思う。だからユニバーサル・ピクチャーズは変なとこなんです。
演奏ですがこれは何という形式なの?わからん。自慢にはなりませんが私は音楽関しては全く詳しくないです。
指揮バーナード・ハーマンの姿を見ることが出来ます。
ジョーが視線を走らせる。そこにつなぐ。この手法を多用しています。
説明セリフはありません。
ベンがホールに着きます。
ジョーと合流します。
そんなこんなで演奏の方ははどんどん進行していきます。楽譜をカメラが追って描写しています。シンバルがなるまでもうすぐです。
殺し屋が使うハンドガンはルガーもどきです。なんだかわからん。
暗殺となりますが撃つタイミングでジョーが叫び。ベンが乱入にして狙撃は失敗して殺し屋は転落して死に至ります。
この功績で大使館に招待されるジョー。
某国大使館です。
失敗したドレイトンは黒幕の男に責められます。
大使と他の権力者の争いらしい。
ドレイトンが某国大使館にいると連絡が入ります。
電話して明日ではなく今夜行くことにします。
某国大使館に入るベンとジョー。
忙しい2人です。
ここでピアノで歌うジョーです。『ケ・セラ・セラ』の歌が入ります。
ハンクに口笛を吹かせるドレイトン夫人。
これを聞きつけて捜しに行くベン。
救出というとこでドレイトンにハンドガンを突きつけられます。果たしてどうなるかとなりますが・・・
エピローグ。
ホテルにて。待ちくたびれて寝てるジョーの友人達。
ハンクを迎えに行ってたと戻るベンとジョーです。
エンドとなります。これはあっさりとした描写でした。こういうの好き。よかったよかったと長々とやられても見ている方はちっともよくないのです。
そんなわけでヒッチコック監督の標準レベルのよい作品でした。
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