『ザ・チェイス』(1994年)
この作品はアダム・リフキン監督、チャーリー・シーン、クリスティ・スワンソン主演の全編追跡のカーアクションのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1994年 ヘラルド配給/エルウェス=ワイマン・プロ/キャピタルフィルムズ/20世紀フォックス アメリカ作品
ランニング・タイム◆89分
原題◆The Chase
プロット◆なりゆきでクルマで逃げる話しのようです。
音楽◆Richard Gibbs
キャスト
チャーリー・シーン→逃げる男ジャクソン
クリスティ・スワンソン→金持ちのお嬢様ナタリー
レイ・ワイス→ナタリーの父ボス氏
クラウディア・クリスチャン→ボス氏の後妻イボンヌ
ヘンリー・ロリンズ→パトカーの若い警官ドブス
ジョッシュ・モステル→パトカーの太った警官フィガス
ウェイン・グレース→署内の上役ボイル
マーシャル・ベル→ジャクソンの弁護士ジョセフソン
Natalia Nogulich→ボス氏の前妻フランセス
アダム・リフキン監督の演出はよいと思います。
タイトルがなくてすぐカーチェイスになってるのは話しが早くてよいです。
タイトルは最後にまとめて流してました。
逃げるクルマは赤いBMWです。
ジャクソンが乗ってたフォルクスワーゲンのゴルフはアメリカではラビットという名前で売ってます。
80マイルは128km/hで90マイルは144km/hです。
追跡するパトカーのキャラの描写はよいです。
くどすぎないとこがよい。TVクルーを乗せて取材中の設定も効いてます。何故?と聞くのが見てる人に説明することになるから効いてます。
TV局をカリカチュアして描いてます。このセンスもよい。
ビデオカムのメーカーはどこなんでしょう?ソニーの液晶TVが出てます。
クリスティ・スワンソンがチャーリー・シーンをピエロに見立てるとこを見れば演出はいいとわかります。セリフに頼らずショットをつなぐだけで描写してます。
クリスティ・スワンソンは『デッドリー・フレンド』(1986年)の頃は丸々としてて、いまにシェリー・ウィンタースみたいに太ってしまうのかなと思ってましたがこの作品ではまだ大丈夫のようです。
スカイパーフェクTV725AXNにて。画質はまあまあ。よくはないです。
プロローグ。ニューポートにて。
フォルクスワーゲン・ゴルフ=ラビットでチャーリー・シーン扮するジャックが登場。
コンビニに入ります。
→ 1989 Volkswagen Cabriolet I [Typ 17]
コンビニに入ります。
クリスティ・スワンソン扮する金持ちのお嬢様ナタリーも登場。立ち読みをしています。
さっそくパトカーがやって来ます。警官2人が入ります。買物に来ただけです。
ラジオで1989年ラビットが手配となっています。
ここでジャックはナタリーを人質にとることになります。
1993年型赤いBMWに乗り込みスタートとなります。
→ 1993 BMW 325iS Coupé [E36]
TV取材中のパトカー39号が登場。
→ 1991 Chevrolet Caprice 9C1
喋りまくる若い警官。
赤いBMWににて。
ナタリーはシガレットライターをジャックの首に押し付けます。当然大騒ぎとなります。
パトカー39号が追いつきます。
公園内を突っ走る赤いBMW。
車酔いしたナタリーがゲロを吐きます。
この人質になったクリスティ・スワンソンがクルマ酔いしてゲロを吐く図はいいです。
車外に吐いたゲロが追跡するパトカーのフロントウィンドウを直撃する?とおかしくてよいです。この前後の描写もいい。
ゲロがかかったらどうする。ウォッシャーを出してワイパーでゲロを落としていました。なるほどロジカルな行動ではないか。
警察です。
人質が金持ちボス氏のお嬢様ナタリーと判明して動揺するボイル部長。
赤いBMWにて。
ジャックはこのままメキシコヘ行くとハイウェイに入ります。
普通の取材中だったTVヘリが追跡取材を開始します。
死体運搬トラックから死体をばらまく図。
→ 1989 Peterbilt 200
何故か死体を満載した大型トラックと遭遇してそのトラックから死体をばらまきます。死体運搬車なんてホントにあるんですかとなる。
赤いBMWにて。
自己紹介のジャックとナタリー。
ボス氏の娘とわかって愚痴がでるジャックです。
警察にて。
ボス氏が乗り込んできます。接待となるボイル部長。仕事熱心です。
コンビニの監視カメラから身元を割り出します。脱走犯ジャックとわかる。
カーチェイスです。
ジャックが発砲したら偶然にパトカーのタイヤを撃ち抜いて大クラッシュとなります。
→ 1981 Chevrolet Impala
赤いBMWにて。身の上話のジャック。
電話です。警察からです。ボイル部長。ボス氏。ルーティンな描写です。
仕事中にTVからジャックのことを知るジョセフソン弁護士。
警察にて。前妻VS後妻の図。
ナタリーの実の母が来ます。
口論する母2人。これを見ている署内の方々。
ヒロインの父ボス氏の前妻VS後妻が対決するシーンでは周りに人達が2人をテニスを見てるように首を振っているギャグがありました。このようにしょうもないアイデアをセンスよく映像化する演出はよいと思います。
後妻役のクラウディア・クリスチャンといえば、
エイリアンに乗り移られたストリッパー役で出てるSFアクション『ヒドゥン』(1987年)が印象的です。
他のTV局もカメラを出しています。
赤いBMWにて。
電話です。ジョセフソン弁護士からです。
話しは進展せず。
電話です。TV局から。CH9。
ガス欠のことを聞いています。電話機を引き千切るジャックです。
飛び入りのワゴンを登場。
→ 1992 Ford Bronco
手柄を立てるつもりらしい2人組。なんてことはないコメディリリーフなシーンです。
カリフォルニアとティファナの境界にて。
バリケードを作っています。
『バニシング・ポイント』(1971年)がそうだったのでやっぱりバリケードはキャタピラー社製のブルドーザーが出てこないと気分が出ない。
サンディエゴを通過する赤いBMW。
ジャックの説明です。ピエロ=クラウン。強盗に間違われた男ジャック。
ワゴンが突っ込んで来てまた大クラッシュとなります。
ジョセフソン弁護士の事務所にて。
TV局のインタビューを受けています。血液型が違うと主張しています。
赤いBMWにて。
ナタリーの「許す」のセリフ。ジャックの「ありがとう」のセリフ。
チャーリー・シーンのホントに感謝をこめての「ありがとう」のセリフがいい。
このセリフがいい作品はホントにいい。同じ「ありがとう」のセリフがある『砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード』(1970年)とか『時をかける少女』(1983年)が印象に残ってます。
TV局のカメラ車が接近してきます。クラッシュとなります。
→ 1992 GMC Vandura
警察にて。
TV局を利用しようと画策中のボス氏。競争相手としてCNNのターナーの名が出てきます。
赤いBMWにて。
成り行きでカーセックスとなるジャックとナタリー。
溶暗となります。
夜。国境です。
バリケードと直面して脇にそれる赤いBMW。
これを小型TVで見ている警察にて。
『猿の惑星』が1ショット入ります。(多分最初の1968年版)が流れてました。20世紀フォックス作品なので楽屋落ちなんでしょう。
油田のポンプがある辺りで止まる赤いBMW。
ナタリーをクルマから降ろすジャック。
ジャックが撃たれるフェイクなシーンが入ります。これはいい感じ。
クルマから出て捕まるジャック。
ヘリコプターでボス氏が到着します。
TV局の男を人質にとるナタリー。
ずっと追ってきたTV局のヘリコプターで去るナタリーとジャック。
この安直だけど少し捻ったハッピーエンドの図はよい感じです。
ここではクリスティ・スワンソンの体格のよさと、ベレッタの発砲1発だけでヘリを爆発させることでヒロインでも人質を取って押し切れる説得力が出てます。
エピローグ。
メキシコのビーチでのナタリーとジャック。
エンドとなります。
後タイトル。
オマケにピエロ=クラウンのジャックのシーンがあります。これは面白いショットでした。
カーアクションだと思っていたら飛行機が爆発したり最後は地下鉄アクションになっていた『スピード』(1994年)より面白かったと思います。
同じ制作年なので際物の便乗作だと思われて損をしてるようです。この監督は結構上手い。
そんなわけでは意外とよく出来たカーアクションでした。
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監督 アダム・リフキン 主演 チャーリー・シーン 1994年 アメリカ映画 89分 アクション 採点★★★★ そういえば“チャリ坊”って呼ばれてましたね、チャーリー・シーン。エミリオの方は“エミリオ”ってしか呼ばれてなかったのに。たまに“お兄ちゃんの方”とか。せっかく..... [続きを読む]
偶然たどり着きました。
十年以上前に何度も見たこの「ザ・チェイス」は、物語もさることながら、バックに流れる音楽が時代を物語っていると思います。
日本では「メロコア」なんていわれてた音楽の火付け役となったランシド、オフスプリングなどの初期の音源が満載です。
途中でなぜか乱入してくる「モンスターマシン」を操る二人(転倒して警察に連行されますが)、彼らもレッドホットチリペッパーズのメンバーですね。
新しい形態のパンクロックの音楽をふんだんに取り込んだ希少な作品だと思います。
そして、この作品でクリスティスワンソンのファンになった次第です。
投稿: T | 2007.12.08 21:10
Tさんコメントありがとうございます。
私は音楽関係の知識はサッパリなので、この作品の感想には音楽ネタがないのです。
そんなわけで音楽関係ネタのフォローをありがとうございます。
唐突に登場してすぐに退場するキャラクターは音楽関係の人の特別出演だったのですか。なるほど。
クリスティスワンソンはTV関係でまだキャリアを続けているようです。でもというかやはりというか太ってしまったようです。これもこれで悪くはないけど・・・
投稿: ロイ・フェイス | 2007.12.09 13:03