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2006.04.04

『サンライズ』

この作品はF・W・ムルナウ監督、ジョージ・オブライエン、ジャネット・ゲイナー主演の有名なメロドラマのようです。
サイレント映画の極致との評判なので見たくなります。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1927年 フォックス アメリカ作品
ランニング・タイム◆95分
原題◆Sunrise: A Song of Two Humans
プロット◆都会の女に引っ掛かる話しのようです。
音楽◆この作品はサイレント映画です。

BS2衛星第2放送にて。
画質 それなりに悪い。
沢登翠の映画説明はカットして英語字幕と音楽で見ました。
音楽はティモシー・ブロック 1995年とクレジットされていました。

紀伊國屋書店発売のDVDにて。
画質はそれなりに悪い。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声はドルビーデジタル2.0ch

キャスト
ジョージ・オブライエン→亭主
ジャネット・ゲイナー→夫人
マーガレット・リビングストン→都会の女
ボディル・ロージング→メイド
J・ファレル・マクドナルド→写真屋
ラルフ・シパーリー→床屋
ジェーン・ウィントン→マニキュア・ガール
アーサー・ハウスマン→夫人に絡む男

製作会社は20世紀フォックスではなくて、まだフォックス社のみの時の作品です。
フォックスは1935年にダリル・F・ザナックの20世紀に乗っ取られて20世紀フォックスになりました。

F・W・ムルナウ監督の演出はよいと思います。
全体的に凝った演出になってます。

二重露光を使っていました。その他にも当時最新の特殊技術を使っていました。こういうのは好きです。

字幕自体に特殊効果をかけていました。都会の女が「溺れ死ぬなんてどう?」がそのまま熔けて下に沈んでいました。面白い手法です。
抑えた演技もありますが突然よくあるサイレント調な大げさ演技やアクションになるとこもありました。見てて面食らいます。

セリフが全くないというわけではなかった。当然といえばそうです。
クロースカッティングが使われていました。
クローズアップショットも使われていましたが特に効果的とは思えず。この点はクローズアップショットを発明したD・W・グリフィス監督の方が上手いと思えます。

ヒロインの奥さんは金髪で可憐な女性。
都会の女は黒髪で黒い服のあばずれと見ててわかりやすくなっています。

話しは早くてあっという間に舟にて奥さんを殺そうとするシーンになってしまいます。
『映画100年 アメリカ編 part1.2.3』(95年)で見たシーンは全編の半分くらいまでで出てしまいます。
これで終わり?と思ったら2人は路面電車で都会に行って教会での結婚式を見て仲直りし、それまでのシリアスなサスペンス物から一転して都会に出てきたお上りさん夫婦物コメディになってしまいます。これには見てて意外な展開と感じました。

都会にて編では、とこや→写真屋→カーニバル→ダンスホール→黒豚が逃げ出して酔っぱらう→路面電車で帰る。コメディ調で通しています。
例の舟に乗り換えて帰る途中でいかだに乗った人達がその上で火をたいていました。そんなことやって沈むぞと見てる方が心配になります。

その後に突然嵐となって舟が沈んで2人は別れ別れになってしまいます。
ここは嵐の描写のスペクタクルになっています。奥さんに当初は別の目的で積んであった浮きを結びつけるとこもなかなかいい。ちゃんと伏線になっている。
その後、例のたき火のいかだは嵐で沈んだと思われます。嵐にあわなくてもたき火のせいで沈んだはずですからどっちにしろ沈んだことでしょう。

それで亭主だけが戻ったとこで行方不明の奥さん捜索のシーンとなります。
それを見た都会の女は計画か成功したと思ってしまいます。この辺もいい。
で、日が昇ってハッピーエンドとなります。THE ENDではなくてFINISと出ていました。

ジャネット・ゲイナーの奥さんは可愛いルックスでとても子持ちには見えません。
長袖シャツに半袖の上着を着ていました。何だか野球の選手みたいなスタイルでした。

それでジャネット・ゲイナーはこの作品と同時にフランク・ボーセージ監督のこれまた有名なメロドラマ『第七天国』(1927年)を撮っていたそうです。女優さんは特別なことをしなくても出ているだけで充分なのです。

亭主のジョージ・オブライエンは何となくマイケル・パレに似てて、奥さんのジャネット・ゲイナーはヘザー・グラハムといったところ。悪女のマーガレット・リビングストンは『サムシング・ワイルド』(1986年)のメラニー・グリフィスあたりです。このキャストで作ったら典型的なB級サイレント映画が出来そうです。見たいな。
ヒロインの奥さんに絡む床屋の客が『ゲッタウェイ』(1972年)のベン・ジョンソンにそっくりなのも面白い。


紀伊國屋書店発売のDVDにて。
タイトル
Sunrise: A Song of Two Humans
Fox Film Corporation

キャスト
manとかwoman等で名前ではなくキャラクター名になってます。

前説が延々と入ります。
これは男と妻の歌・・・
場所はどこでもない。
いつでもどこでも耳にするはず、
日が昇り沈むとこならどこであれ同じ、
都会の喧騒の中であれ、あるいは大空の下の農場あれ、
人生は似たり寄ったり・・・

時は夏、休暇の季節。
都会から汽車が発進します。そのまま避暑地へと行く。

避暑地にて。
避暑客の1人、都会の女は数週間もここにいる。
ペンションというか民宿みたいなとこに泊まってます。
出かける都会の女はおばさんに靴を拭かせています。

亭主の自宅にて。
口笛を吹いて呼んでる都会の女。なかなか亭主が出てこない。
亭主には可愛い夫人がいるんです。
そっと出かけてる旦那。

おばさんが2人。うわさ話をしてます。
あの夫婦は前は仲がよかったのにと延々と話し込む。
そうなると回想になってます。
牛で耕してる旦那の側に赤ん坊を連れた夫人がいます。
夫人と赤ん坊ですが牛が近すぎて危ない。見ててスリル満点です。サイレント映画は結構無茶してる。
幸せだった頃の描写が入ります。
うわさ話で都会の女のせいで亭主は骨抜きになった。
そんな感じで状況説明になってます。
回想から戻ります。

旦那がいなくなって夫人は赤ん坊の側で泣いてます。

湖畔にて。
旦那は都会の女に会ってます。
いきなりキスになってます。カットバックで赤ん坊と夫人が入る。
あなたは私のものといきなりあからさまになってます。骨抜きの図です。
農場を売って都会に行きましょうと言ってる都会の女。

それで夫人を溺死させたらどうかしらとなります。
この「溺死させたら」の字幕が流れ落ちるのがサイレント映画らしい描写です。
いったんは嫌がるがすぐに骨抜きにされて夫人殺しをやるつもりの亭主です。。
都会に行くのよという字幕が字が大きくなってます。それだけ大きい声で言ったことになるようです。サイレント映画な描写で面白い。
それで都会の描写が入ります。ミニチュアを使ったりしてぶっ飛んでる描写です。

都会の女は熱心に溺死の方法をレクチャーしています。
浮きになる草を束ねて用意する。それから船を転覆させる・・・

自宅にて。
帰宅する旦那。朝帰りです。草の束を船にしまってます。
ベッドに寝てる旦那は夫人を見てる。オーバーラップで湖面がかぶさる。
どうやら旦那はそのまま眠り込んだらしい。

起きた夫人は寝てる旦那に布団をかける。
いきなり起きる旦那。草が見えてます。どうして?
オーバーラップで旦那に後から抱きついてる都会の女。それから前に回ってキスもしています。

夫人のヘアスタイルですがベタっ押し付けて真ん中分け。後は丸くまとめています。
髪の色がまたなんか凄そう。実際は金髪というより真黄色といった感じ。

赤ん坊をおばさんに預けて出かける夫人。湖の向こうまで行くわと言ってます。
旦那の方は脳内で夫人を溺死させる予行練習をやってます。

船に浮きになる草の束を積み込んでます。
夫人はよそ行きの服装で帽子を被ってます。犬をなでてから出かけます。

船に乗り込みます。
2人が乗って船を出したとこでつながれていた犬が飛び出してくる。
そのまま水に飛び込んで犬かきしています。犬を抱えて船に乗せてる夫人。夫人はびしょ濡れになってます。映画だから。
で、犬を戻すために船は1回岸に戻ります。

また船を出します。
犬をつなぎに行った旦那を待ってる夫人のショットが微妙に長く入る。
船のシーンで2人を切り返すショットをこまめに入れてます。撮影が大変そう。
夫人が視線を走らすと鳥のショットにつないでいます。

漕ぐのをやめる旦那。どうしたの?と夫人。
立ち上がって夫人に迫る旦那。殺気を感じて手を合わせてる夫人。
ここで教会の鐘の音が入る。それでやめてる旦那。
旦那はそのままオールを漕いでます。ひたすら漕ぐ。

湖の向こう岸に着きます。
そうしたら夫人は船を降りて走って逃げる。転んでもまた走って逃げる。
追っかけてる旦那。俺のことを怖がるなと言ってるけどそれは無理だ。

森の中にて。
路面電車に乗る夫人。旦那も乗り込みます。

路面電車はすいすいと走って街に到着します。
まだ夫人は旦那が怖くて路面電車から降りたら走って逃げる。
追う旦那。また俺のことを怖がるなと言ってる。

レストランに入ります。
セルフが持ってきたケーキを食べようとして泣いてる夫人。ここを出ています。

夫人に花を買っている旦那。
その辺のアパートのロビーに入ってます。まだ泣いてる夫人。
鐘の音が聞こえてきます。外に出ます。

教会で結婚式があるようです。見ている2人。
で、教会に入って結婚式を見ています。
神父様の言葉であらゆる危害から彼女を守りなさい・・・
これを聞いて泣いてる旦那。

許しておくれと夫人に心底謝罪する旦那。
教会の鐘を音がします。これはミニチュアの鐘です。
キスをしてる2人。これで仲直りしたようです。

教会を出る2人。
出迎えるの人達がいるけど、これは結婚式の関係者です。その中を通ってる2人。

街中を歩く2人。ここはスクリーン・プロセスになってます。
クルマが走ってるとこを平気で歩いてます。
そうなると街中から花が咲いてるところを歩いてる2人。キスをしてます。
気がつくと道路の真ん中でした。クルマやら馬車やら自転車やらに囲まれている。回りはいい加減にせんかい家に帰ってやれといった感じです。
慌てて道路の真ん中から避難してる2人。

写真屋にて。
結婚式や赤ん坊の写真を見ています。
自分たちも写真を撮ろうとなるが旦那はヒゲが伸びている。

床屋にて。
旦那のひげそりだけのはずが夫人もイスに座らされて慌てています。
違うと言って順番待ちのイスに座る夫人。お上りさんといった感じでいい。
マニキュア係の女性が旦那に接近するのが気になる夫人。
ようやく断ってる旦那に安心してる夫人。

今度は夫人の隣にベン・ジョンソンにソックリの男が座る。
夫人をナンパしてきます。花束の花をとって襟に差し込んでる。やる気満々です。
ひげそりが終わって旦那が男に迫る。男の靴を踏んでナイフを取り出して花を回収してる。
これには冷や汗をかいてる男。
床屋から出る時に案内係と丁寧に挨拶してる夫人。

写真屋にて。
2人の写真を撮ってます。
今年1番の美人花嫁ですとお世辞を言ってる写真屋。
色々とポーズの注文されていまが、かまわずにキスしたりしてます。写真屋もそのまま撮ってます。

写真の現像上がりを待っています。
ソファで跳ねてる夫人。ブドウを食べたりと遊んでいたら石膏像を倒してしまいます。石膏像の首が取れています。これは大変。
そのまま石膏像の首の変わりに適当な物を置いてます。
写真を受け取って料金を払って速攻で逃げます。
石膏像に気が付いた写真屋はこれは何だ?となってます。

外に出たとこで写真を見るとキスしてる写真でした。
写真は亭主の懐に入れてます。

避暑地にて。
都会の女は新聞の広告をチェックしています。
農場主のみなさま、都会に移る時には農場を現金で買います。ユナイテッド不動産。ここがよさそうとなってます。

街にて。遊園地。サーカスもやってます。他にも色々とある。
グルグルと回ってるのは遊園地のディスプレイか?

ここに来ている2人。穴に入れば子豚が出るボールの射的をやってます。
いい調子で投げて命中させてる旦那。マジで子豚が出ています。
隣のダンスホールに行きたい夫人。旦那はまだボール投げに夢中。
子豚が外に逃げてしまいます。成り行きで追っかける旦那。大騒ぎになります。

ウエイターのオッサンがワインを盗み飲みしてます。
そんなとこに子豚が入ってきてシーツを被る。これを見てオッサンは逃げる。
子豚はこぼれたワインを飲んで酔っぱらう。旦那が捕まえています。
射的の親方に子豚を返してる旦那。回りの人達には受けています。

ダンスホールにて。
子豚を捕まえた勢いでダンスホールに入る2人。
2人に合わせて『夏至 農民の踊り』が演奏されてます。これに合わせてダンスをする2人。受けてます。
見物してる御婦人のドレスが肩から落ちるを直すオッサンの描写が入ります。
ダンスホールを出る2人。

テーブル席に座ってワインを飲んでます。
オーバーラップで2人を上に天使が回ってます。そんなとこにウエイターが勘定しにやってくる。
旦那だけは足りずに夫人も出してようやく足りてます。お上りさんです。

遊園地内を歩いてる2人。花火があがります。
溶暗になります。

夜の街にて。
路面電車が出るとこで慌てて乗り込んでる2人。
月下の船で帰り蜜月再開だとなってます。
朝に出て夜に帰り翌朝には家に着く予定らしい。

湖にて。
もう船に乗ってる2人。
たき火をしてるいかだと遭遇しています。ダンスもやってます。
いかだに手を振ってる2人。それからキスをしています。

夜の街にて。
何だか天気が悪くなるようです。嵐になってきます。

遊園地も嵐で湖も嵐です。これは大変。
この嵐のシーンもマジでやってます。特殊効果ではない。

湖にて。
舟もいよいよ大変になってます。夫人はまだ寝てる。
こうなると2人とも溺死してしまいます。当初の予定は違ってます。
ようやく起きてる夫人。旦那は必死こいてオールを漕ぐ。

自宅にて。
赤ん坊が泣いてます。

湖にて。
あの浮きになる草の束を夫人に巻き付けてる旦那。
ついに舟が転覆します。

嵐が収まってます。まだ夜で月が出ています。
旦那は岸に流れ着いています。夫人はいない。必死で呼んでいます。

ペンションにて。
都会の女が目を覚ます。外では大勢が出て大騒ぎになってます。
これは上手くいったと思ってるみたいで着替えて外に出る都会の女。

湖にて。
空っぽの舟が岸に着いてます。旦那が夫人がいないと訴える。
そんなわけで捜索隊の舟がたくさん出ています。
こうなると都会の女の筋書き通りに行ってます。実際はマジで捜索してる旦那。

夫人の方は浮き代わりの草のおかげで漂流しています。気を失ってる。
しかし草がほどけています。これがつながって流れていく。

捜索隊にて。
流れてる草を発見します。これは大変。旦那の乗ってる舟はそっちの方を必死こいて探す。しかし発見出来ない。
捜索隊の面々ですがこれはダメだなといった感じになりつつあります。何だか帽子を脱いでいます。それは早過ぎのような気がする。

湖畔にて。
捜索の具合を伺ってる都会の女。何故か木の上にいる。
もう捜索隊が引き上げています。

自宅にて。
ぼう然としてる旦那が捜索隊に連れられて帰宅する。
赤ん坊を抱いておばさんも泣いてます。
寝室に入りガックリしてる旦那。そんなとこに教会の鐘の音が入る。

都会の女がやって来て口笛を吹く。
出てきた旦那は都会の女を殺そうとする。逃げる都会の女。

湖にて。
夫人が発見されたようです。無事に救出される。

自宅付近にて。
旦那が都会の女の首を絞めてるとこでおばさんが旦那を呼んでます。
ようやく気が付いた旦那を首を絞めるのをやめる。都会の女は逃げる。
飛んで戻る旦那。

自宅にて。
夫人は無事でした。髪の毛がほどけています。
回りの人達はよかったよかったとなってます。

夫人を発見したおじいさんは湖の流れを読んでいて漂着物が集まるとこを捜索して発見したと言ってます。
希望を捨てず漂着ポイント付近を捜索した年の功です。
おばさんにキスされていい気分のおじいさん。
それで2人きりにしましょうとおばさんだけを残していなくなる人達。こういうのはいい。

夜が明けてます。
馬車が走ります。都会に戻る都会の女。

日が昇ります。
自宅にて。
赤ん坊と旦那と夫人。夫人が目を覚ます。
キスをする2人。
エンドとなります。FINISと出ています。


そんなわけで有名なだけはあるメロドラマのよい作品でした。



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