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2006.04.02

『ファウスト』(1926年)

この作品はF・W・ムルナウ監督で有名なファウスト物のようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1926年 ドイツ作品
ランニング・タイム◆110分
原題◆Faust
プロット◆天使と悪魔が人間をネタに賭けをする話しのようです。
音楽◆1995年に付けられているようです。
◆BS2衛星第2放送にて。画質は結構よい。澤登翠の弁士版。
◆スカイパーフェクTV260シネフィルイマジカにて。画質はそれなりよいです。スクイーズ収録ではなく。画面サイズはスタンダード。37TVではスタンダードで見る。

キャスト
エミール・ヤニングス 悪魔メフィスト
エスタ・エクマン 人間ファウスト
カミルラ・ホルン ヒロインのグレートヒェン
Yvette Guilbert 叔母さんのマルテ・シュベルトライン夫人
不明 天使ガブリエル

F・W・ムルナウ監督の演出はよいと思います。
特殊技術が多用されています。二重露出、オーバーラップ。当時の最新技術だと思われます。
無宗教もあまり感心出来ないことでこまったものですけど、キリスト教に支配されるというのも嫌な感じです。

天使と悪魔が人間のファウスト博士をネタに賭けをするとこから話しは始まります。
街全体を悪魔の影が覆うイメージ。そうすると街にはペストが流行ります。
こんな感じで宗教色が強い。見ててうっとうしいくらいです。
ファウスト博士は錬金術師なの?そういえばこういう時代では科学者と錬金術師と同じようなものでした。

メフィストがファウストに呼び出されます。
ファウストは自分で呼び出したくせに怖じ気づいて逃げ出すがメフィストはどこでも待ち伏せて離れません。このへんの描写はいいです。
そんなわけでファウストは1日だけ契約することになります。この砂時計の砂が落ちきったとこで契約が終了するとなります。で、契約書の書名は血で書くのだとセオリーな描写があります。こういう描写がなくてはいけません。『ファントム・オブ・パラダイス』(1974年)でこの描写はありました。
若返るファウスト。この話しは『悪魔の美しさ』(1949年)と同じなのですね。そりゃそうか。

若返るファウストに合わせてメフィストもタイプチェンジします。
最初に登場したときはホームレスのようだったメフィストですが、タイプチェンジすると中年の鉄腕アトムのようになります。これではシリアスには見えないような。

ファウストとメフィストの2人はイタリア1の美女パルマ公女に近づきます。
砂時計の砂が落ちるショットがはさまり時間の期限が強調されています。
公女をめぐってチャンバラ乱闘となりますがメフィストを刺されても影だけが倒れるだけでやられません。この手法はTVシリーズ『ウルトラマン』(1966年)でのバルタン星人で同じなような描写がありました。なるほど当時のスタッフとこういうのを参考にしていたのかと感心する。
そんな感じでいい思いをしたファウストは契約を1日ではなく永遠にしてくれとなりメフィストの思うつぼとなります。

話しが話しだけに演出や演技に力みが目立ちます。
シリアスなのかコメディなのかわからん描写バランスです。で、双葉十三郎の評の通りエミール・ヤニングスの大げさ演技がホトンドコメディとなっています。これはドラマチックに関しては逆効果なようです。

ヒロインのグレートヒェンは可憐なヒロインというサイレント映画典型の描写のようです。悪くないです。グレートヒェンが英語読みだとグレッチェンなようで現在の女優さんでグレッチェン・モルなんて女優さんがいます。→この女優さんの作品で『13F』(1999年)の感想があります。

話しは途中からヒロインのグレートヒェンの受難物語となっています。
こっちの話しが当初の目的と思われるほど、ヒロインの受難がかなり念入りに描写されています。
赤ん坊を生んで云々はロマン・ポランスキー監督、ナスターシャ・キンスキー主演の『テス』(1979年)と同じ?というか、こちらが先ですか。こういうヒロインの受難物語をもっと念入りに見たければ『テス』を見ましょう。

クライマックスはヒロインの処刑までにファウストが到着するのが間に合うかとクロースカッティングとなっています。これもサイレント得意の手法です。
無事に間に合ったと思ったらファウストは老人に戻されてしまい。どうなるのかと思ったら・・・このような落ちなのですか。なるほど。
そういえば『くたばれヤンキース』(1958年)もラストで老人に戻されてこんな感じでした。こちらの方は見ててかなり唐突な感じだったと思い出した。

で、ラストは「愛」という言葉で決まりとなります。私は見てて何だろうと深読みしすぎて「愛」とはわからなかったりします。やだね映画を見すぎて、すれてる人は。自分のことだ。


◆スカイパーフェクTV260シネフィルイマジカにて。
タイトル。
講釈版より字幕版の方がいいような気がする。
ピアノの伴奏がついています。ステレオ。

前説が入ります。
暗闇の門は開かれている・・・
他にも色々・・

画面サイズはスタンダードですがホトンド真四角に近いスタンダードです。
『死神の谷』(1921年)と同じみたい。

天使と悪魔の戦いのようです。
地上のファウストについて色々と会話をしています。
ここで悪魔が賭けようではないかともちかけます。
ファウストの神性を打ち砕けたら地上はお前にやろうと天使。
これはいいと、この賭けに喜んでる悪魔。

町の全景はミニチュアです。こういうのは好きだな。
この町に悪魔の姿が被さります。悪魔の翼がかかり日を遮ります。
たちまちペストが蔓延します。
ファウストはペストの治療方法を見つけようとしています。
何だか神頼みにもなっています。

女の子が母を助けてくれと訴えてきます。
でそのペストの患者を助けようとしたが出来ないファウスト。

町は大混乱。
悔い改めよとやってるだけです。
日本なら「欲しがりません勝つまでは」か?
偉そうに説教していた教祖様が悪魔の一睨みでペストとなり絶命しています。

信仰も知識も役に立たぬと絶望するファウスト。
本を焼き捨てています。
「地獄の霊を押さえ込むための三重の強力な鍵・・・」
燃える本のページがめくれています。何だか知らないけど悪魔を呼び出す方法らしい。
溶暗となります。この作品は溶暗を多用しています。

ファウストは夜中に十字路に来て悪魔を呼び出す儀式を実行します。
超常現象が起こります。
「悪のデーモン、メフィストよ表われよ」となります。
マジでメフィストが出現します。驚いたファウストはこの場を逃げる。
逃げた先にはもうメフィストがいます。驚愕してるファウスト。

ようやっと帰宅するファウスト。
もうメフィストがいて待っています。
「私を呼んだね、ここにいるよ」とメフィスト。
いよいよ契約書を出してきます。今更要らないと言ってるファウスト。
それでは1日のお試し期間はどうですか?とメフィスト。この砂時計の砂が落ちきるまで・・
「君は主人、ぼくは家来さ」とメフィスト。

契約書にサインさせようとしてるメフィスト。
で、おっと待った、血でやるんだとなります。ペンも専用のがあるらしい。
アッサリとサインしてるファウスト。大喜びのメフィスト。

ペスト患者を治すファウスト。
次のペスト患者が来ます。これが十字架を握りしめています。これを直視出来ないファウスト。何だか状況が怪しくなりたちまち疑われます。
ファウストは石を投げられて自宅に逃げ戻ります。

ファウストの自宅にて。
毒を飲んで自殺しようとするファウスト。「おっと待った」とこれを止めるメフィスト。
「契約があるんだ」と言ってます。
今度は若返らせてやろうとなります。

若返りの術をやってるメフィスト。
特撮で若返りとなります。いいなこういうの。
ファウストの年寄り姿はメフィストのふところにしまわれています。

ここで若返りに合わせてメフィストもタイプチェンジしています。
これが中年の鉄腕アトムなのです。

若返ってるファウスト。何故か裸の女が出ています。
一目ぼれしてるファウスト。話しが早い。
これに会いに行こうとなるようです。何故か魔法のじゅうたんで飛んでいきます。

パルマ公爵令嬢の結婚式。イタリアで最も美しい女性だ。
それならモニカ・ベルッチみたいのがいるのか?
客人2人が来ましたとなります。メフィストが参上して口上を述べます。
いきなりパルマ公爵令嬢にキスしているファウスト。連れて行きます。
これには収まらない花婿をメフィストが片づける。

メフィストに切り掛かりますが、さされたメフィストは倒れるがすぐに代わりが出現して逆に花婿を刺し殺す。

砂時計を持ち去るメフィスト。

パルマ公爵令嬢とキスしていよいよな状態のファウスト。
ここでメフィストからストップがかかります。砂時計を見せてお試し期間は終わりです。元に戻るんだ、もっとやりたいなら本契約してくださいとなります。
老人のファウストがオーバーラップしています。
永遠にと約束してしまうファウスト。

山?にて。
ファウストとメフィスト。
「人生を残らず味わい尽くしたねファウスト君」とか言ってるメフィスト。
「でも君は満足していない・・・」
故郷と言ってるファウスト。

ファウストの故郷にて。
ファウストとメフィストが来ています。
町は聖なる復活祭の最中です。
ここで落とし物をした女の子とコンタクトするファウスト。
教会の祈りや賛美歌を聴いて頭痛がしているようなメフィスト。

女の子の自宅にて。
実家に戻ってる女の子の兄バレンティン。唐突に出てくるので最初は誰かと思った。
ここに忍び込むメフィスト。マリア像を見て不快になっています。
女の子の机の引き出しに金のペンダントの箱を入れたようです。

帰宅した女の子はこの金のペンダントを手にしています。
母が来て私に言えないことはマリア像に言いなさいとしています。
叔母さんのマルテ・シュベルトライン夫人の所に行くと出かける女の子。

叔母さんのマルテ・シュベルトライン夫人の自宅にて。
この叔母さんは媚薬を売ってるらしい。魔女なのかい。
女の子が来ます。まだ名前が出ていない。
引き出しの中にあったとペンダントを見せています。
このペンダントをかけけるマルテ・シュベルトライン夫人。大丈夫なのか?
で、ついに女の子もペンダントをかけています。別に似何もない。

メフィストとファウストが様子を見にきています。
マルテ・シュベルトライン夫人に話しかけるメフィスト。
首飾りをプレゼントしています。どういう目的?
家の外で子供達と遊んでる女の子にコンタクトしているファウスト。

メフィストの飲み物を飲んでるマルテ・シュベルトライン夫人。
何だかハイになっているようです。

ファウストの方はいい感じで女の子にキスまでしています。
女の子は花ビラで愛してる愛してないとやっています。クラシックな描写だ。
で、ファウストと女の子はすっかりラブラブになっています。

メフィストはマルテ・シュベルトライン夫人の相手をしています。

夜、女の子の自宅にて。
メフィストが外から伺ってます。ファウストもいる。
女の子は三つ編みにしていた髪をほどいてます。凄く長い髪。
女の子が窓を開けたとこで外にはファウストがいました。
ようやく名前が出ています。グレートヒェンと言う名前の女の子。

メフィストは兄がいる酒場に向かう。
愛人がどうのこうのと兄に吹き込んでるメフィスト。
激怒する兄。もめ事を起こそうとしてるのか?

超常現象で突風が吹いて起きる母。
ちょうどいいことを母に見られてしまうファウストとグレートヒェン。
激怒した兄か帰宅してファウストとチャンバラになります。
加勢して後から兄を刺すメフィスト。

ファウストに逃げろと言ってるメフィスト。
で、メフィストは町中に人殺しだと触れ回る。当然大騒ぎになります。

死に際の兄に売春婦となじられるグレートヒェン。

グレートヒェンの母と兄は死んだのか葬式となっています。
この葬式に参列出来ないグレートヒェン。

さらし者にされているグレートヒェン。
自宅に戻されて母を思い出し号泣しています。

そして真冬の寒さの中で御子が生まれた。
吹雪の夜、赤子を抱えて彷徨うグレートヒェン。
助けを求めるが晒し台のグレートヒェンとして有名なので相手にされません。
幻覚でベビーベッドに赤子を寝かせるグレートヒェン。
そんなとこに自警団みたいの連中が通り掛かり、赤子が死んでる。グレートヒェンを子殺しで逮捕だとなります。

ファウストに助けを求めるグレートヒェン。
この思いが伝わります。
メフィストを呼ぶファウスト。

グレートヒェンの方は・・・
子殺しは火刑に処せられるとなります。

呼び出されたメフィストはもう遅過ぎるはとべもない。
まるで悪魔のようだとなりますが最初から悪魔でした。
そこに行くとファウスト。では私の馬で行きましょうとメフィスト。

牢獄のグレートヒェン。
幻覚を見たりしているグレートヒェン。

グレートヒェンが火刑となります。
この場についたファウスト。
グレートヒェンのとこに向かいます。若さがなければこんなことにならなったとファウスト。
ここでそれはいい「願いをかなえてやらなければな」と若いファウストを老人に戻すメフィスト。

グレートヒェンのとこについたとこで老人となるファウスト。
いよいよ火刑となるグレートヒェン。
火刑のグレートヒェンに抱きつく老人のファウスト。
若いファウストとキスをしてるグレートヒェン。
2人をそのまま天に召されるのでした。

天使と悪魔の会話。
1つの言葉がお前の契約を打ち砕く・・・
その言葉とはと前説が続きます。
その言葉とは『愛』だとなります。
契約書は燃えて消える。
エンドとなります。
ピアノのクレジットがついています。
読めないのでわからん。Javier Pérez de Azpeitiaとなってます。


そんなわけで参考のつもりで見ましたが結構面白いファウスト物のよい作品でした。
私は結構ファウスト物の作品は見ていたようです。
そんな感じでこの作品からまだ見ていないヤン・シュワンクマイエル監督の『ファウスト』(1994年)でも見たくなりみたものです。



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