『奇妙な女』(1946年)
この作品はエドガー・G・ウルマー監督、ヘディ・ラマー主演の少し変わったメロドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1946年 アメリカ作品
原題◆Strange Woman
スカイパーフェクTV260シネフィル・イマジカにて。画質はまあまあ。
プロット 結局自分の思うがままにいかなかったという話しのようです。
音楽の使い方はこれ以上甘ったるくなってはダメというすれすれといったところ。悪くはなかった。
キャスト
ヘディ・ラマー→ヒロインのジェニー・ヘイガー
ジョージ・サンダース→木こり頭のジョン・エベレット
ジーン・ロックハート→材木商の父ポスター
ルイス・ヘイウォード→息子のイフレム・ポスター
ジェーン・ストーリー→ジェニーの友人リナ
ヒラリー・ブルック→ジェニーの友人で判事の娘メグ
アラン・ネイピア→サラダイン判事
ライズ・ウィリアムズ→町の神父
エドガー・G・ウルマー監督の演出はよいと思います。
バンゴー、1824年と出て話しが始まります。いったいどこなんだい?→ニューイングランドということらしい。
ヒロインが子役のときから話しは始まります。この頃から上昇志向だったと描写があってから水面の波紋が収まる一瞬のシーン転換で子役からヘディ・ラマーへと交代します。こういう手法は好きだな。
オーバーラップでヘディ・ラマーの衣装だけを変えて時間の経過を省略しているとこがありました。
暗いシーンではフィルム・ノワール風になっています。暗いとこでヘディ・ラマーの顔だけを写したりとなかなか上手い。
材木商の息子イフレム・ポスターは子役の頃にジェニーに川で溺れさせられたということが後の伏線になっていました。
山へ向うシーンでカヌーで川を行くとこはロケのようです。もしかしてライブフィルムの流用かもしれませんが。後の俳優の近く寄るシーンはスクリーンプロセスでした。
ヘディ・ラマーとジョージ・サンダースが仲たがいをしてサンダースが家を出て1人きりとされたとこで2階のドアが自然と閉まるショットが結構強烈でした。ビックリした。目が覚めた。
上手いことやって材木商の父ポスターと結婚したヘディ・ラマー扮するヒロインのジェニーは集会で金持ちは誰も教会に寄付をしないとこで自分から100ドル寄付と言っていいとこを見せます。何だかよく分からないヒロインのキャラです。いいんだか悪いのかわかりません。
金持ちと結婚しても結構旦那には尽くしていたり、ある時期?を辛抱強く待っていたりとただの直情径行とはなっていないようにも見えます。
で、これは時期が来たと色仕掛けで息子に父殺しを強要したりする。
その後頼りなりそうな木こり頭をたらしこんだりとやってくれます。
計算高いのと衝動的なのが同居している不思議なキャラとなっています。ヘディ・ラマーは製作総指揮もやってるそうです。そのせいでキャラ詰め込み過ぎの何だかわからんキャラの熱演となっていると思えます。
ヘディ・ラマーは美形ということに関してなら最高に近い人のようです。
ゴシック・ロマン『レベッカ』(40年)での姿を見せないヒロインのレベッカ役はこの人なら出来ます。
木こり頭のジョン・エベレットを演じるジョージ・サンダースは野性的な感じの大男に見えてジョン・ウェイン並みに見えました。インテリっぽい役が多いのでこれは意外でした。
木こり連中が酔っぱらって町中で暴れ回っている描写があります。
そうすると木こりはカウボーイみたいにまとまったカネがもらえる仕事のようです。山に入って木材を川に流してまとめてカネをもらい町に繰り出して暴れるということのようです。
全体的にみれば『風と共に去りぬ』(39年)とハワード・ホークス監督からウィリアム・ワイラー監督へと交代した材木商物の『大自然の凱歌』(36年)を合わせたような感じでした。
『銅の谷』(50年)や『サムソンとデリラ』(49年)では出てるだけのヘディ・ラマーですが、主演してまともに演技してる作品を初めて見ました。そんな感じでまあよい作品でした。
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