『殺しのベストセラー』(1987年)
この作品ジョン・フリン監督、ジェームズ・ウッズ、ブライアン・デネヒー主演の変わった設定のアクションです。→それは脚本がラリー・コーエンだからです。この作品は随分前の特撮専門誌宇宙船のビデオ紹介欄の海外ビデオセレクションから知りお楽しみにしていました。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1987年 オライオン アメリカ作品
原題◆Best Seller
スカイパーフェクTV260シネフィル・イマジカにて。画質はまあまあ。
プロット 殺し屋と警官兼作家がコンビを組む話しのようです。
音楽 ジェイ・ファーガソン
キャスト
ジェームズ・ウッズ→殺し屋のクリーブ
ブライアン・デネヒー→警官兼作家のデニス・ミーチャム
ポール・シェナー→黒幕のマドロック
ビクトリア・テナント→女性編集者
アリソン・バルソン→警官兼作家の娘ホリー
ジョン・フリン監督の演出はよいと思います。
L.A. 1972年で始まります。ここはくすんだ画調でした。で、同じL.A.の1987年となります。
脚本がラリー・コーエンでこの人も特撮専門誌宇宙船でおなじみです。この設定が面白い。殺し屋が警官兼作家に本を書けとコンタクトしてくるのです。殺し屋の元ボスについて書けと熱心に勧めます。
この殺し屋は自分を尊敬してもらいたいと言ってます。ということはエイブラハム・マスローの欲求の階層に従って他人に認められたいという段階になっているようです。
殺し屋なので証拠を残してはまずいのか射撃場で警官兼作家にコンタクトしたときに自分の撃ったハンドガンの空薬莢を拾っていました。
ここでは殺し屋ウッズがオートマティック、警官兼作家デネヒーがリボルバーを使っていたの実家にて夜這いの時は逆になっていました。これも何か意味があるのかな?
俺とあんたはコインの表と裏のたとえがありました。これはよく使われるたとえ。
黒幕の元ボスについて証拠が必要ということで取材と称して2人であちこち旅行しています。
N.Y.にて。タクシーに乗ったまま2人まとめて爆死させられそうになって危うく逃れます、タクシーの運転手をとっちめたその後にまた他のタクシーに乗るのがいい。普通は乗らないのでは?
ここが殺しをやったとこなんだとアパートに入ろうと老婦人にでまかせを並べて入れてもらいます。老婦人が悪役面2人のことをいい人らしいなんて言ってのがいい。
ここには狙撃に使った武器が埋めてあるんだと案内してた。
狙撃に使う銃はやはり30-06実包使用の1発撃つたびにボルトを引いて装填するボルトアクションのライフルですね。これがいい。狙撃に自動式なんて使ってはいけません。一撃必中のボルトアクションです。
大藪春彦の本『ウィンチェスターM70』ではボルトアクション式ライフルの描写が絶品でした。この本はお勧めです。
終始2人一緒に行動して取材で殺し屋ウッズの実家にも行ったりして殺し屋ウッズの両親に紹介してました。
殺し屋ウッズが女性編集者を襲うとこは原稿をチェックするためという口実でしたが自分より警官兼作家デネヒーと一緒の時が多いことに嫉妬しているようにも見えました。この辺のエキセントリックぶりがいい。
プロローグでナイフで刺されてたのはやはりこの殺し屋ウッズということでした。このことを隠してコンタクトしていたのです。
ナイフで刺されたのが原因なのかやけに刺した警官兼作家デネヒーに親近感を持ってるらしくバーに行ったら、まずジェームズ・ウッズが歌うシーンがあってその後に警官兼作家デネヒーのことを兄だと紹介したり売春婦を買って穴兄弟になろうとしたり、実家に行けばリボルバーを持って夜這いをかけたりと殺し屋ジェームズ・ウッズがいいとこ見せています。
そんなわけであんなに小型では消音効果なんてないのではと思わせるウソっぽいサイレンサーも許せてしまいます。
私はブライアン・デネヒーとブライアン・ドンレビーを混同してて、何で『ボー・ジェスト』(39年)に出てるブライアン・ドンレビーが?もうお爺さんではないのか思ってましたが名前が違うのですから別人に決まっているとようやく気が付いたものです。
ポール・シェナーといえば『スカーフェイス』(83年)でコロンビアの麻薬王で凄みをきかせていたのが印象的。アル・パチーノが小物に見えたほどでした。
そんなわけでジェームズ・ウッズのエキセントリックぶりがよい作品でした。
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