『フィラデルフィア物語』(1940年)
この作品はジョージ・キューカー監督、キャサリン・ヘップバーン、ケイリー・グラント、ジェームズ・スチュアート共演のロマンティック・コメディです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1940年 MGM アメリカ作品
原題◆Philadelphia Story
プロット なんだかんだあって元に収まる話しのようです。やっぱりあなたが好きなのよというロマンティックコメディです。
DVDにて。画質は非常によいです。
音楽 フランツ・ワックスマン
キャスト
キャサリン・ヘップバーン→ヒロインの令嬢トレーシー・ロード
ケイリー・グラント→元旦那のデクスター・ヘイヴン
ジェームズ・スチュアート→作家志望の記者マコーレー・コナー
ルース・ハッセイ→カメラマンのリズ・インブリー
バージニア・ウェイドラー→妹のダイナ・ロード
ジョン・ハワード→婚約者のジョージ・キトリッジ
ヘンリー・ダニエル→スパイ誌のシドニー・キッド
ローランド・ヤング→父役になるウィリーおじさん
ジョン・ハリデー→父親のセス・ロード
マリー・ナッシュ→母親のマーガレット・ロード
ジョージ・キューカー監督の演出はよいと思います。
この監督は何もしない監督なようで俳優の好きにやらせているみたい。俳優の演技を引き出すのが上手いという評価があります。
会話シーンの切り返しはやっていません。
MGMお得意の豪華なセットが見れます。
ケイリー・グラントとジェームズ・スチュアートが一緒に映っているのはいいです。アルフレッド・ヒッチコック監督でも出来なかったことです。
この2人が一緒に映っているのはかなりなものです。さすが豪華が売り物のMGM作品です。アルフレッド・ヒッチコック監督でもどちらか1人しか出してないのですから。
タイトル通りにフィラデルフィアが舞台となっていて、一晩の話しになっています。
タイトルでは主演の3人が一緒に出ていて。後タイトルのキャストではグラント、ヘップバーン、スチュアートの順になっていました。
これはキャリア順のようです。順当なビリングといった感じ。
ケイリー・グラントとキャサリン・ヘップバーンが別れるプロローグから2年後となります。この別れるシーンが傑作でサイレント風のスラップスティックコメディになっています。
キャラ紹介をしつつ話しは進行します。タブロイド誌のスパイを読んでいるウィリーおじさんから当のスパイ誌の会社につないでいったりします。
で、その記者が乗り込んでくるわけです。
離婚した元亭主と再婚するヒロインの会話で「頼みがあるの」「何だい」「出てって」とこの会話はいいね。全編こんな調子でキャサリン・ヘップバーンとケイリー・グラントがこれをやっています。
キャサリン・ヘップバーンのスリムで動きがいいこと。ケイリー・グラントに負けずにセリフの回転は早いしこれは見ごたえがあります。ヘップバーンはこの作品以外には『『赤ちゃん教育』(38年)の2本が印象的なのでやたらと喋りまくって動き回る人という印象があります。
アメリカの理想的家族を演じるとこがシチュエーションギャグになっています。
若い女性をかこって家を出た父の代わりにおじを父に仕立てるとこがギャグとなっています。この設定で上手くいってたところに本物の父がやって来て、逆に父親をおじ扱いするとこもあります。いいな。
ケイリー・グラントとジェームズ・スチュアートがホントに2ショットで映っています。キャサリン・ヘップバーンも加わって3ショットもあります。とても豪華なキャストです。
とりとめのない会話が延々と続きます。でもいいです。
スチュアートのキャラはグラントのライバルではない。これは意外?というか。
スチュアートは「I'll be back」と言ってます。この頃からもう言ってたようです。
酔っぱらってケイリー・グラントに絡むジェームズ・スチュアート。スチュアートはこの酔っ払い演技でオスカーを貰ったそうです。アル中キャラではないようだ。
グラントとスチュアートが並ぶとスチュアートの方が背が高い。スチュアートの若い頃はひょろりとして吹けば飛ぶような痩身で、その見た目通り背の高さでした。
プールのシーンがあってキャサリン・ヘップバーンの水着姿が拝める珍品でもあります。ここで出てくるヨットのミニチュアの名が『True Love』と言う。そういえばこのリメイクでグレース・ケリーが同じことをしてた。
そのリメイクでミュージカルになっている『上流社会』(56年)でシナトラが出てるのでで全然見る気がしません。ヒロインがグレース・ケリーでも見る気がしません。そういえばグレース・ケリーはフィラデルフィア出身でした。安易な企画です。
カラー版を1回見てますがホトンド忘れていてキャサリン・ヘップバーンのグリーンの水着しか覚えていません。結末まで忘れていたから未見のようなものでした。
そんなわけでこれは豪華なロマンティックコメディでよい作品でした。
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