『第七のヴェール』(1945年)
この作品はアン・トッド主演の1940年代に流行っていたニューロティックスリラーです。
ニューロティックスリラーとは異常心理を扱うサスペンスのことです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1945年 英国作品
原題◆Seventh Veil
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はまあまあ。
プロット 私の好きなのはこの人よ、という話しのようです。
キャスト
アン・トッド→ピアニストのフランチェスカ
ジェームズ・メイソン→ニコラス伯父
ハーバート・ロム→催眠療法のラーセン博士
ヒュー・マクダーモット→ジャズミュージシャンのピーター
アルバート・リーヴェン→画家のマックス・レイドン
コンプトン・ベネット監督の演出はよいと思います。
当時流行っていたニューロティックスリラーです。
ヒロインが自殺をしようとした原因を調べましょうと催眠療法が使われていました。原因が分かりました。治療しましょうと音楽療法が使われていました。そして治りましたとなっています。少し単純過ぎるのではとなります。わかりやすいのも考えもののようです。
やはり無名の監督より同じアン・トッド主演の『マデリーン 愛の旅路』(49年)のデビッド・リーン監督の方が腕前がいいとわかります。
ヒロインがピアニストなのでピアノのクラシックが流れますがどれも聞いたことはありますがタイトルは分からない。分かるのはCMに使われていることだけです。そんなわけでクラシックというとCMを連想します。私のようなクラシックはもちろん音楽全般に詳しくないので、この程度の感想になってしまいますがクラシックがCM用音楽になってることについてクラシックファンがどう思っているか興味深いとこです。当然著作権切れロハで使ってるのか。
年月を経て残った音楽が泡のような商品のためにタダで使われている。ダメージを受けるのはクラシックの方だけ。そのように思えます。。
アン・トッドのピアニストのフランチェスカ・カニンガハム。
回想の14才当時の若作りもあります。違和感ばりばり。これはヒロインの特権か。
ヒロインのトラウマになる学校時代の仕置きを受ける図。英国は鞭でした。
ピアノは誰か吹き替えているのでしょう?男と付きあってピアノの腕が落ちたというシーンは音楽に関しては素人の私が聞いても出来が悪いと分かりました。
17才でパリ等に行って7年を過ごすとなっていました。
初コンサートで学校時代の成り金と2度目の結婚をしたスーザンが来て動揺を与えてこのコンサートが成功するかのサスペンスがありました。とこの辺はピアニスト養成物語になっています。
ニコラス伯父は画家を雇ってヒロインの肖像画を描かせようします。この絵の出来がよすぎると困ったことになりますが。
それで解決策は音楽療法だということになってアッサリと解決して新しいヒロインになったとラストの恋人選びのシーンとなります。果たして誰でしょう?、すぐに分かってしまいます。
ジェームズ・メイソンのニコラス伯父はびっこでステッキを付いて歩きます。暴君とのことですがこの位のなら今ならその辺にいくらでもいるような。12才の時に母親が男と駆け落ちした設定。それで暴君となっているらしい。
双葉十三郎の評ではジェームズ・メイソン以外のキャストが弱いとのことですがラストを見ればその通りでした。メイソンと聞いたこともない2人ではヒロインが誰を選ぶかは決まっています。
これはファザコンのバリエーション?話しをもう少しひねった方がよかったような。そんなわけで1940年代の標準的な作品でした。
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